投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「昔の膝のケガは治った?今の動きを確認」という内容になります。
学生時代や若い頃に、サッカーやバスケットボール、バレーボール、野球などのスポーツで膝を痛めた経験はありませんか?
「昔、膝をひねってしばらく腫れていた」「前十字靱帯を傷めてリハビリをした」「半月板を痛めたことがある」など、膝のスポーツ外傷を経験していても、今は普通に仕事や家事ができていると、昔のケガについて考える機会は少なくなると思います。
特に現在は膝に痛みがなければ、「もう治っているから関係ない」と思うのも自然なことです。
しかし、昔のケガを考えるときに確認したいのは、現在痛いかどうかだけではありません。普通に歩けているように見えても、階段を下りる、椅子から立ち上がる、しゃがむといった少し負荷の上がる動作になると、左右で身体の使い方が違っている場合があります。
だからといって、昔の膝のケガが現在の腰痛や股関節痛、膝痛の原因だと決めつけることもできません。
大切なのは、「昔どこをケガしたか」と「現在どのように身体を使っているか」を分けて考えたうえで、両方を確認することです。
今回はこれまでの研究や報告も参考にしながら、昔スポーツで膝をケガした方が、現在どのようなところまで確認しておきたいのか、大分駅前整体院の考えをお伝えします。
1.昔の膝のケガ、痛みがなければもう関係ない?

昔の膝のケガで痛みがなくなっていても、現在の身体の使い方は別に確認してみましょう。
痛みがなくなることと、身体の使い方は別に考える
スポーツによる膝のケガにはさまざまなものがあります。前十字靱帯や内側側副靱帯、半月板、軟骨などを傷めた経験がある方もいれば、「昔ひどく膝をひねったけれど、診断名までは覚えていない」という方もいらっしゃいます。
その後、治療やリハビリを行い、時間の経過とともに痛みや腫れがなくなれば、日常生活ではケガを意識しなくなっていくでしょう。スポーツをやめて何年、何十年も経っていれば、なおさらです。
しかし、ここで分けて考えたいのが、「現在痛くないこと」と「ケガをする前とまったく同じ身体の使い方をしていること」は必ずしも同じではないという点です。
例えば、学生時代に右膝を痛めた方が、現在は右膝にまったく痛みを感じていなかったとします。それでも階段を下りるときだけ左脚から先に出していたり、椅子から立つときに左側へ体重を移していたりすることがあります。
本人にとっては何年も続けてきた自然な動きなので、左右の違いに気づいていないことも珍しくありません。
だからこそ、昔の膝のケガについて考える場合は、「今、膝が痛いか」だけではなく、「今、その膝をどう使っているか」まで確認することが大切だと考えています。
2.普通に歩けるだけでは分からないこともある

「普通に歩ける」だけでなく、歩行中に左右の脚をどのように使っているかも確認します。
「できるか」から「どうやっているか」へ
昔膝をケガした方に「今は普通に歩けますか?」と聞くと、多くの方が「歩くのは全然大丈夫です」と答えるのではないでしょうか。
実際、痛みがなく、仕事にも行けて、買い物にも行けているのであれば、「歩けない」という認識にはなりません。
ところが身体を見るときには、歩ける・歩けないという二つだけで判断するのではなく、その動作をどのように行っているかを見ることも重要です。
右脚と左脚で同じように体重を受けているのか。膝は自然に曲がっているのか。股関節や足首も一緒に動いているのか。歩幅や身体の揺れ方に大きな違いはないのか。
見た目には同じように歩けていても、細かく確認すると違いが見つかる場合があります。
普通にできる動作ほど本人は気づきにくい
これは「悪い歩き方をしている」という意味ではありません。
人の身体は、そのとき使いやすい方法を選びながら動いています。昔膝が痛かった時期には、痛みを避けるために反対側の脚を多く使ったり、膝をあまり曲げずに歩いたりすることもあるでしょう。
痛みがなくなれば動きも変化していきますが、すべてが自動的にケガをする前と同じになるとは限りません。
そのため大分駅前整体院では、「歩けています」で確認を終えるのではなく、現在どのように歩いているのかを見ることが重要だと考えています。
3.筋力や左右差だけで膝の状態は判断できない

筋力や左右差だけで判断せず、関節の動きや実際の日常動作も組み合わせて確認することが大切です。
「左右同じくらい」でも、それだけでは分からない
昔の膝のケガについて調べると、「大腿四頭筋を鍛えましょう」「左右の筋力差をなくしましょう」という情報を目にすることがあります。
もちろん、膝を支える筋力は大切です。太ももの筋肉がしっかり働くことは、歩行や階段、立ち上がりなど多くの動作に関係しています。
一方で、筋力だけを測れば現在の膝の状態がすべて分かるわけではありません。
例えば右脚と左脚の筋力が同じくらいだったとしても、その力を階段や立ち上がりの中で同じように使えているとは限らないからです。
反対に、多少左右差があったとしても、日常生活で困っていない方もいます。
大切なのは一つの数字だけで「良い・悪い」を決めることではなく、筋力、関節の動き、現在の症状、そして実際の動作を組み合わせて確認することです。
筋肉があることと、動作の中で使えること
例えば椅子から立ち上がる動作を考えてみましょう。
太ももの筋肉だけが働いて立っているわけではありません。身体を前へ移動させ、股関節や膝、足首を使いながら、両脚で床を押して立ち上がります。
このとき右膝をかばって左側へ身体を移動させれば、立つこと自体はできます。
つまり、「できた」という結果だけを見るのではなく、「どうやってできたのか」を見ることが重要なのです。
4.階段で分かる「現在の膝の使い方」

階段では、上るときと下りるときで身体に求められる動きが異なります。できるかだけでなく左右の使い方も確認します。
平地より負荷が上がると違いが見えることがある
今回の記事で特に確認してほしいのが階段です。
平地を歩くことに問題がなくても、「階段を下りるときだけ少し怖い」「片側だけ踏ん張りにくい」「無意識にいつも同じ脚から下りている」という方はいないでしょうか。
階段では平地歩行よりも膝を大きく曲げながら身体を支える場面があります。そのため、普通に歩いているだけでは気づかなかった左右の使い方の違いが分かりやすくなる場合があります。
特に階段を下りるときは、脚をただ下へ運んでいるわけではありません。片脚で身体を支えながら、膝や股関節を曲げて身体をゆっくり下ろしていく必要があります。
だからこそ、「階段を下りられるか」だけでなく、「左右で同じように身体を支えられているか」まで見てみることがポイントになります。
上る・下りるでも身体の使い方は違う
階段を上るときと下りるときでも、身体に求められる動きは同じではありません。
上るときは脚で身体を持ち上げる力が必要になります。一方、下りるときには体重を受けながら身体をコントロールして下ろしていく必要があります。
「上りは何ともないのに、下りだけ不安」「下りるときは必ず同じ脚から出る」という場合には、その動きも現在の身体を知る一つの情報になります。
昔の膝のケガについて確認するときは、平地歩行だけで終わらせず、階段のように日常生活で少し負荷が上がる動作まで確認してみることが大切です。
5.歩く・階段・立ち座りを「膝だけ」で見ない

歩く・階段・立ち座りは膝だけの動作ではなく、足首や股関節、骨盤、体幹も一緒に動いています。
第2弾で確認した足首も膝の動作に参加する
スポーツ外傷シリーズ第2弾では、昔の足首捻挫について、現在の歩き方まで確認することをお伝えしました。
今回の膝でも考え方は同じです。
歩行や階段、立ち上がりは膝関節だけで行う動作ではありません。足首、膝、股関節、骨盤、体幹などがそれぞれ動きながら、一つの動作を作っています。
例えば階段を下りるときに足首が十分に動きにくければ、その分を膝や股関節など別の場所で補うことがあります。反対に膝を曲げにくければ、股関節や足首を使って身体を下ろす方法を選ぶことも考えられます。
だからといって、「足首が硬いから膝が悪くなった」「昔の膝のケガがあるから股関節に負担がかかった」と単純に原因を決めることはできません。
重要なのは、どこか一か所を原因と決めることではなく、現在その人がどのように身体全体を使っているかを見ることです。
日常生活の動作をつなげて確認する
当院で確認したいのは、検査室の中だけでできる特殊な動作ではありません。
歩く、階段を上る・下りる、椅子から立つ、座る、しゃがむなど、普段何度も繰り返している動作です。
例えば歩行では問題がなくても、階段では片側へ身体が寄る。階段では問題がなくても、深くしゃがむと左右差が出る。立ち上がるときだけ片脚へ体重が偏るということもあります。
一つの動作だけで身体を判断しないこと。
これが昔のスポーツ外傷を現在の身体と結びつけて考えるときに、とても重要だと考えています。
6.昔の膝のケガを「今の痛みの原因」と決めつけない

昔の膝のケガは大切な情報の一つですが、現在の症状を昔のケガだけで決めつけず、その後の生活や身体の変化も確認します。
昔のケガは「原因」ではなく身体を知るための情報
ここまで読むと、「では、今の腰痛や股関節痛も昔の膝のケガが原因なの?」と思う方がいるかもしれません。
しかし、ここは慎重に考える必要があります。
例えば20年前に右膝をケガした方が、現在右の股関節に痛みを感じていたとしても、「20年前の膝のケガが現在の股関節痛の原因です」とは言い切れません。
20年の間には仕事も生活環境も変わります。活動量、体重、運動習慣、筋力、身体の柔軟性なども変化しますし、新たに別のケガをしている可能性もあります。
40代、50代になれば、学生時代とは身体を取り巻く条件そのものが違います。
だからこそ当院では、昔のケガだけを見て現在の症状の原因を決めるのではなく、昔のケガを「現在の身体を理解するための一つの情報」として扱うことが大切だと考えています。
昔どこをケガしたかだけでなく、その後も大切
同じ「昔、前十字靱帯をケガした」という人でも、その後の経過は一人ひとり違います。
手術後にリハビリを続けてスポーツへ復帰し、現在も定期的に運動している方もいます。一方、膝をケガしたことをきっかけにスポーツをやめ、その後ほとんど運動をしなくなった方もいるでしょう。
また、半月板や靱帯を傷めたことを覚えている人もいれば、「学生時代に膝がパンパンに腫れて、しばらく休んだ」という記憶しか残っていない人もいます。
そのため、診断名やケガをした年だけを見るのではなく、ケガのあとにどのような生活をしてきたのか、そして現在どんな動作に困っているのかまで確認することが必要になります。
昔の膝のケガがあるからといって、将来必ず膝が悪くなるわけでもありません。
ただし、過去の膝の外傷歴は、これからの膝の状態を考えていくうえで知っておきたい情報の一つです。
だからこそ、「今は痛くないから何もしなくていい」「昔ケガしたからもう仕方がない」という両極端な考え方ではなく、今の身体がどうなっているのかを一度確認しておくことが大切ではないでしょうか。
7.昔のケガより「今の身体」を確認する

昔の外傷歴だけでなく、現在の症状、関節の動き、筋力、日常動作、身体全体の使い方を組み合わせて確認します。
スポーツ外傷シリーズでは、第1弾で昔の肉離れ、第2弾で昔の足首捻挫についてお伝えしてきました。
そして今回の第3弾では、昔の膝のケガについて、現在痛いかどうかだけではなく、歩行、階段、立ち座りなどの日常動作まで確認することの大切さをお伝えしました。
学生時代に膝をケガしてから20年、30年経っているのであれば、当時と現在では身体も生活も大きく変化しています。
だから、昔の身体を想像するだけではなく「今の身体」を確認することが大切です。
現在の膝に痛みがあるのか。膝はどのくらい動くのか。筋力はどうなのか。左右で違いはあるのか。歩行や階段、立ち座りではどのように身体を使っているのか。
さらに膝だけでなく、足首や股関節、骨盤、体幹などが一緒にどのように動いているのかも確認していきます。
昔ケガした場所と、今痛い場所が違う場合は?
ここで、もう一つ疑問が出てきます。
「昔ケガしたのは足首や膝だけれど、今困っているのは腰や股関節」
という場合です。
昔のケガと現在痛い場所が違えば、「昔のスポーツ外傷はもう関係ない」と考える方もいるでしょう。一方で、何でも昔のケガに結びつけてしまうのも適切ではありません。
ここで必要になるのが、過去の外傷歴と現在の身体を別々に確認したうえで、現在困っている動作まで含めて身体全体を見ることです。
これは次回のスポーツ外傷シリーズ第4弾で詳しくお伝えします。
大分駅前整体院では、昔のケガだけを現在の症状の原因と決めつけるのではなく、現在の痛みや可動性、筋力、歩き方、階段、立ち座りなどを確認し、身体全体を見ながら一人ひとりの状態を考えていきます。
これまでの論文や研究でも、膝の外傷後には筋力だけでなく、歩行や階段などの身体機能を継続して確認する重要性が報告されています。また、前十字靱帯だけではなく、半月板やその他の膝外傷についても、長期的な膝の健康を考えるうえで外傷歴を確認しておくことの大切さが示されています。
昔の膝のケガを必要以上に心配するのではなく、「今は痛くないから大丈夫」と終わらせるのでもなく、現在の身体がどのように動いているのかを確認しておく。
昔スポーツで膝をケガした経験があり、最近になって「階段で片側だけ踏ん張りにくい」「立ち上がるときに左右差を感じる」「膝だけでなく腰や股関節も気になる」と感じている方は、今よりも悪くなる前に一度身体の状態を確認してみてください。


