膝痛

膝の軟骨がすり減ると痛い?

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膝の軟骨がすり減ると痛い?

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「膝の軟骨がすり減ると痛い?」という内容になります。

「膝の軟骨がすり減っています」と病院で言われると、多くの方が「もう元には戻らないのでは」「このまま痛みが強くなるのでは」と不安になります。特に階段の上り下り、立ち上がり、歩き始め、正座やしゃがむ動作で膝が痛むと、どうしても軟骨のすり減りばかりが気になってしまうものです。

しかし、膝の痛みは軟骨のすり減りだけで決まるわけではありません。軟骨そのものには痛みを感じる神経が少なく、実際の痛みには、滑膜の炎症、関節内の腫れ、骨への負担、筋肉の硬さや使いにくさ、股関節・足首・腰・骨盤の状態などが関係します。

つまり、病院で「軟骨がすり減っています」と言われたとしても、それだけで痛みのすべてが決まるわけではありません。大切なのは、膝だけを見るのではなく、なぜ膝に負担が集中しているのかを体全体から見直すことです。

1. 膝の痛みは軟骨だけが原因とは限らない

膝関節の断面図で軟骨・滑膜・関節液・骨を示し、膝の痛みは軟骨だけが原因ではないことを説明する画像

軟骨そのものよりも、炎症や腫れ、周囲の組織への負担が痛みに関係します。

膝の痛みというと、「軟骨がすり減って骨と骨がぶつかるから痛い」と考えられることが多くあります。たしかに、変形性膝関節症では軟骨のすり減りが関係しますし、進行すると関節のすき間が狭くなり、膝にかかる負担も大きくなります。

ただし、ここで大切なのは、軟骨そのものが強い痛みを感じているわけではないという点です。軟骨には痛みを感じる神経が少ないため、軟骨がすり減ったこと自体が、そのまま痛みの強さに直結するとは限りません。

実際の痛みは、軟骨のすり減りによって関節の中に負担がかかり、その結果として滑膜が炎症を起こしたり、関節内に腫れが出たり、骨への圧力が増えたりすることで起こりやすくなります。また、膝の周囲の筋肉や靭帯、関節包などには痛みを感じる神経があるため、これらの組織に負担がかかることでも痛みが出ます。

つまり、膝の痛みは「軟骨が減ったから痛い」という単純なものではなく、軟骨のすり減りをきっかけに、膝の中や周囲に炎症や負担が起きている状態として考える必要があります。

2. 軟骨がすり減っても痛みが出る人・出ない人がいる理由

軟骨がすり減っても痛みが出にくい人と出やすい人の違いを、姿勢や重心の比較で説明する画像

同じ軟骨のすり減りでも、膝に負担が集中しているかどうかで痛み方は変わります。

同じように膝の軟骨がすり減っていても、強く痛みを感じる人もいれば、あまり痛みを感じずに生活できている人もいます。これは、膝の状態がレントゲン画像だけで決まるわけではないからです。

痛みが出やすい方に共通しやすいのは、膝に負担が集中している状態です。歩くときに膝の内側へ体重がかかりやすい、立ち上がるときに膝だけで踏ん張っている、股関節や足首がうまく使えず膝がねじれる、太ももの筋肉が硬くなって膝関節の動きを邪魔している。このような状態が続くと、軟骨のすり減りが軽度でも痛みを感じやすくなります。

なぜ膝の軟骨はすり減るのか

膝の軟骨は、長年の体重のかかり方、歩き方、筋肉の使い方、姿勢のクセ、O脚傾向、過去のケガなどの影響を受けます。特に、腰・骨盤・股関節・足首の動きが悪くなると、歩行や階段動作のたびに膝へ負担が集まりやすくなります。

軟骨のすり減りは年齢だけで起こるものではありません。日常生活の中で、膝に同じ方向の負担が繰り返しかかることで、少しずつ関節に負担が蓄積していきます。そのため、痛みを軽くするためには、軟骨だけを見るのではなく、膝に負担が集まる体の使い方を見直すことが大切です。

3. 痛みを起こしやすいのは滑膜の炎症や腫れ

膝の滑膜炎や関節内の腫れが痛みや曲げにくさにつながる流れを説明する膝関節図解

膝に負担が続くと滑膜が刺激され、炎症や腫れによって痛みが出やすくなります。

膝の痛みで特に重要になるのが、滑膜の炎症です。滑膜とは、膝関節の内側にある組織で、関節の動きを滑らかにするための関節液をつくる働きがあります。

膝に負担がかかり続けると、関節の中で小さな刺激が繰り返されます。軟骨がすり減った状態では、関節の動きがスムーズにいかなくなり、滑膜が刺激を受けやすくなります。その結果、滑膜に炎症が起こり、膝が腫れたり、熱っぽくなったり、曲げ伸ばしのときに痛みを感じやすくなります。

膝に水がたまる状態

膝に炎症が起こると、体は関節を守ろうとして関節液を増やします。これが、いわゆる「膝に水がたまる」状態です。関節液が増えると、膝の中の圧が高まり、曲げ伸ばしがしづらくなります。

この状態では、膝を深く曲げる、階段を下りる、正座をする、しゃがむといった動作で痛みが出やすくなります。単に軟骨がすり減っているから痛いというよりも、炎症によって膝の中が敏感になっている状態と考えると分かりやすいです。

炎症が強い時期は、可動域が少し良くなっても、痛みがすぐに大きく変わらないことがあります。これは、関節の中の炎症や腫れが落ち着くまでに時間が必要だからです。

4. 骨への負担が増えると膝の痛みは強くなりやすい

階段を下りる女性と膝関節の図解で、骨への圧が増えると膝の痛みが強くなりやすいことを説明する画像

階段の下りや立ち上がりでは、膝だけで支えることで関節への負担が集中しやすくなります。

軟骨は、関節にかかる衝撃をやわらげるクッションのような役割をしています。その軟骨がすり減ると、膝にかかる衝撃を分散しにくくなり、軟骨の下にある骨への負担が増えやすくなります。

骨には痛みを感じる神経があります。そのため、関節のすき間が狭くなり、膝の一部分に圧力が集中すると、骨の奥の方でズーンとした痛みや、体重をかけたときの強い痛みを感じることがあります。

生活の中で痛みが出やすい場面

骨への負担が増えている方は、平地を少し歩くだけなら大丈夫でも、階段の上り下り、坂道、長時間の立ち仕事、買い物で荷物を持って歩く、椅子から立ち上がるといった動作で痛みが出やすくなります。

特に、階段を下りるときは膝に体重以上の負担がかかりやすく、膝の内側やお皿まわりに痛みを感じる方が多くなります。また、立ち上がるときに股関節やお尻の筋肉がうまく使えないと、膝だけで体を持ち上げる形になり、骨への圧力がさらに強くなります。

このような状態では、膝そのものだけを見ても改善しにくく、体重のかかり方や動作のクセまで含めて整えることが必要になります。

5. 筋肉の硬さや弱さも膝への負担を増やす

太もも前・お尻・太もも裏・ふくらはぎの筋肉と膝への負担の関係を説明する図解画像

筋肉は弱いだけでなく、硬さや使いにくさによって膝への負担を増やすことがあります。

膝の痛みがある方を見ていると、単純に「筋肉が衰えている」というよりも、本来使えるはずの筋肉がうまく使えなくなっている状態が多く見られます。

例えば、太ももの前側ばかりが硬くなっていると、膝のお皿の動きが悪くなり、曲げ伸ばしのたびに膝へ負担がかかりやすくなります。また、お尻や股関節まわりの筋肉が使いにくくなると、歩くときや立ち上がるときに膝だけで支える形になり、膝関節への負担が増えていきます。

筋肉は、関節を動かすだけでなく、関節にかかる衝撃を吸収する役割もあります。ところが、筋肉が硬くなったり、うまく働かなくなったりすると、膝にかかる衝撃を吸収しきれず、関節の中へ負担が伝わりやすくなります。

そのため、膝の痛みでは「筋力をつければよい」と単純に考えるのではなく、まずは硬くなっている筋肉をゆるめ、使えていない筋肉が働きやすい状態をつくることが大切です。筋肉が使いやすくなることで、膝だけに集まっていた負担が分散され、動作が少しずつ楽になっていきます。

6. 股関節・足首の歪みや硬さが膝の痛みに関係する

腰・骨盤・股関節・膝・足首・足裏のつながりを示し、股関節や足首の硬さが膝痛に関係することを説明する画像

膝は股関節と足首の間にあるため、腰・骨盤から足元までのバランスが関係します。

膝は、股関節と足首の間にある関節です。そのため、股関節や足首の動きが悪くなると、その影響を受けやすい場所でもあります。

股関節が硬くなると、歩くときに脚を後ろへ引く動きや、体重を支える動きが小さくなります。その結果、膝が代わりにねじれたり、内側へ入りやすくなったりします。また、足首が硬いと、しゃがむ、階段を下りる、坂道を歩くといった動作で足首がうまく曲がらず、膝に余計な負担がかかります。

日常動作で影響が出やすい場面

股関節や足首の硬さは、立ち上がり、階段、歩き始め、長時間歩いたあと、車の乗り降り、床から立ち上がる動作などで影響が出やすくなります。膝が痛い方の中には、「膝が悪い」と思っていても、実際には股関節や足首の動きが悪く、その分を膝がかばっているケースも少なくありません。

さらに、腰や骨盤の状態も膝の痛みに関係します。骨盤が傾いたり、腰まわりの動きが硬くなったりすると、左右の体重のかかり方が変わります。その結果、片方の膝に負担が集中したり、歩くたびに膝の内側へ圧がかかりやすくなったりします。

膝の痛みを繰り返す方ほど、膝だけでなく、腰・骨盤・股関節・足首まで含めた全体のバランスを見ることが大切です。

7. まとめ

膝の痛みに関係する滑膜の炎症・腫れ・骨への負担・筋肉の硬さ・股関節や足首の硬さをまとめた来院導線画像

膝の痛みは原因を一つに決めつけず、腰・骨盤・股関節・足首まで整えることが大切です。

膝の痛みは、軟骨のすり減りだけで決まるわけではありません。軟骨そのものには痛みを感じる神経が少なく、実際の痛みは、滑膜の炎症、関節内の腫れ、骨への負担、筋肉の硬さや使いにくさ、股関節・足首の歪みや硬さなどが関係します。

だからこそ、病院で「軟骨がすり減っています」と言われた段階でも、膝だけを見てあきらめる必要はありません。大切なのは、なぜ膝に負担が集中しているのかを確認し、腰・骨盤・股関節・足首などを含めて体全体の負担を整えていくことです。

当院で膝の痛みがある方を見ていると、施術後に膝の曲げ伸ばしや歩きやすさなど、可動域が変化することはあります。ただし、炎症が関係している場合は、可動域が良くなっても痛みがすぐに大きく変わらないこともあります。これは、関節内の炎症や腫れが落ち着くまでに時間が必要だからです。

そのため、膝の痛みは1回の施術だけで判断するのではなく、施術を重ねながら、膝にかかる負担を少しずつ減らしていくことが大切です。歪みが整い、筋肉が使いやすくなり、循環が良くなっていくことで、膝の状態は段階的に回復へ向かいやすくなります。

当院では、膝の問題で来院される方の場合、状態にもよりますが、6〜10回の間で変化を感じる方が多い傾向があります。もちろん、炎症の強さや軟骨の状態、生活での負担のかかり方によって経過は変わります。

「軟骨がすり減っているから仕方ない」と思っている方でも、膝にかかる負担の原因を見直すことで、できることはまだあります。階段や立ち上がり、歩き始めの膝の痛みが気になる方は、今よりも悪くなる前に一度ご相談ください。

執筆者

  • 慢性症状専門の整体師 河野貴彦
  • 柔道整復師免許証

慢性症状専門の整体師 河野貴彦

東京・神奈川・大分で7年間整骨院にて研修して、延べ23755人の施術実績。研修時代から慢性症状の改善に力を注ぎ、整形外科や整骨院に通っても症状の改善しない方の力になりたいという思いから大分駅前整体院を立ち上げる。

経歴
2012年3月 日体柔整専門学校 卒業
2012年4月 柔道整復師免許 取得
2018年4月 大分駅前整体院 開業