投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「変形性股関節症でびっこを引く原因|歩き方と体への影響」という内容になります。
「最近、歩くと体が左右に揺れている気がする」
「家族から、びっこを引いていると言われた」
「股関節をかばって歩いているうちに、反対側の腰や膝まで痛くなってきた」
変形性股関節症と診断されている方の中には、痛みだけでなく、歩き方の変化に悩んでいる方も少なくありません。
自分では普段どおりに歩いているつもりでも、家族から「片側に傾いている」「足を引きずっている」と指摘され、初めて歩き方の変化に気づくこともあります。人前で歩くことが気になったり、「このまま歩けなくなるのではないか」と不安を感じたりする方もいるでしょう。
変形性股関節症でみられるびっこは、医学的には「跛行」と呼ばれます。しかし、ひと口にびっこといっても、痛みを避けるために足を早く着き替えている場合もあれば、股関節の動きにくさやお尻の筋肉の働き、脚の左右差などが影響している場合もあります。
そのため、びっこが出ているからといって、必ずしも変形性股関節症が末期まで進行しているとは限りません。
一方で、痛みをかばう歩き方が長く続くと、股関節だけでなく、骨盤や腰、反対側の股関節、膝、足首へ負担が広がることがあります。見た目の歩き方だけを無理に直すのではなく、なぜその歩き方になっているのかを確認することが大切です。
今回は、変形性股関節症でびっこを引く原因や歩き方の種類、体への影響、注意したい対処法について詳しく解説します。
1.変形性股関節症で「びっこを引いている」と言われていませんか

びっこは本人が意識して行っているとは限らず、家族から歩き方の左右差を指摘されて初めて気づくことがあります。
びっこは、自分よりも周囲の人が先に気づくことがあります。
歩いている本人は、股関節に痛みを感じないよう無意識に体を動かしているため、歩き方が変わっていることに気づきにくいからです。痛い脚に体重をかける時間を短くしたり、上半身を傾けたりする動きも、本人にとっては痛みを避けるための自然な反応になっています。
家族から「歩くと体が左右に揺れている」「片方の足を引きずっている」と言われたとしても、必ずしも意識してそのように歩いているわけではありません。
びっこは体が負担を避けるための反応
股関節は、立っているときや歩いているときに体重を支える関節です。歩行では、片方の脚だけで体を支える時間が交互に訪れます。
ところが、股関節に痛みがあると、痛い側の脚だけで体を支えることが難しくなります。すると体は、痛い脚に体重が乗っている時間を短くし、反対側の脚へ早く体重を移そうとします。
その結果、歩くリズムが左右で変わり、びっこを引いているように見えるのです。
また、股関節が動きにくくなると、脚を前後へ十分に振れなくなります。その不足した動きを補うために、骨盤を回したり、腰を振ったり、上半身を左右へ傾けたりすることもあります。
つまり、びっこは単なる歩き方の癖ではなく、股関節の痛みや動きにくさを、体のほかの部分で補っている状態とも考えられます。
歩き方の変化と一緒に現れやすい日常動作
歩き方が変化している方は、ほかの日常動作にも不便を感じていることがあります。
以前より歩幅が狭くなったり、歩く速度が遅くなったりするだけでなく、階段で片方の脚ばかり使う、靴下を履くときに股関節が開きにくい、車の乗り降りで脚を持ち上げにくいといった変化です。
立ち上がった直後は歩きにくいものの、少し動くと歩きやすくなる方もいれば、歩き始めは問題がなくても、長く歩くにつれて体の揺れが大きくなる方もいます。
このように、びっこの現れ方は一人ひとり異なります。では、変形性股関節症では、なぜ歩き方が変わるのでしょうか。
2.変形性股関節症でびっこを引く4つの原因

びっこは筋力低下だけでなく、体重をかけたときの痛み、股関節の動きにくさ、骨盤を支える力、脚の左右差などが関係します。
変形性股関節症のびっこは、「お尻の筋肉が弱い」「骨盤が歪んでいる」といった一つの理由だけで起こるものではありません。
主に、股関節へ体重をかけたときの痛み、関節の動く範囲、お尻の筋肉による骨盤の支え、脚の左右差などが影響します。いくつかの問題が重なっていることも多いため、それぞれの仕組みを分けて考える必要があります。
股関節に体重をかけると痛い
歩いているときは、片方の脚が地面から離れ、反対側の脚だけで体を支える瞬間があります。
このとき股関節には、上半身の重さだけでなく、骨盤を水平に保とうとする筋肉の力も加わります。そのため、股関節へ体重をかけると痛い方は、痛い側で体を支える時間をできるだけ短くしようとします。
痛い脚を地面に着いたと思ったら、すぐに反対側へ体重を移すため、左右で足を着いている時間が変わります。この歩き方は、痛みを避けるための跛行としてみられるものです。
痛い側の一歩が短く、反対側へ急ぐように歩いている場合は、荷重時の痛みをかばっている可能性があります。
股関節の動く範囲が狭くなっている
歩行では、脚を前へ出す動きだけでなく、体が前へ進むときに股関節が後ろへ伸びる動きも必要です。
しかし、変形性股関節症によって股関節が硬くなり、脚を後ろへ伸ばしにくくなると、体を前へ運びにくくなります。すると歩幅が狭くなり、股関節で足りない動きを骨盤や腰で補うようになります。
たとえば、骨盤を大きく前後へ回したり、腰を反らしたり、つま先を外側へ向けたりする動きです。一見すると歩けていても、実際には股関節以外の場所を大きく動かして前へ進んでいることがあります。
この状態が続くと、股関節だけでなく、腰や骨盤まわりにも疲労が蓄積しやすくなります。
お尻の筋肉で骨盤を支えにくい
歩くときに骨盤を支える重要な筋肉の一つが、股関節の外側にある中殿筋です。
右脚だけで立ったときには、右側のお尻の筋肉が働き、反対側の骨盤が下がらないよう支えます。ところが、痛みや筋力低下などによって十分に力を発揮できないと、反対側の骨盤が下がりやすくなります。
骨盤が下がるのを防ぐために、上半身を支えている脚の側へ傾けることもあります。これにより、股関節にかかる負担を減らしながら体のバランスを取ろうとするのです。
ただし、中殿筋がうまく働かない理由は、単なる筋力不足だけとは限りません。
股関節が痛いために力を入れにくい場合や、股関節の動きが狭く筋肉を使いやすい位置に保てない場合、足首や足裏でうまく体重移動ができない場合もあります。
そのため、「筋力が弱いから鍛える」と単純に考えるのではなく、なぜ力を使いにくくなっているのかを確認することが重要です。
脚長差や体の左右差がある
変形性股関節症が進行すると、関節の形の変化や股関節の動きにくさによって、左右の脚の長さが違うように感じることがあります。
実際に骨の長さに差がある場合だけでなく、股関節が曲がった状態で伸びにくくなっている場合や、骨盤が傾いている場合にも、片方の脚が短いように見えることがあります。
左右差がある状態で歩くと、短い側で体が下がり、長い側では体を持ち上げるような動きが起こります。そのため、歩くたびに体が上下へ揺れたり、足を外側へ回して前へ出したりすることがあります。
このように、変形性股関節症のびっこは、痛み、可動域、筋肉の働き、脚の左右差が複雑に関係して起こります。
そして、どの要因が強く影響しているかによって、歩き方の見え方も変わります。
3.「びっこ」にも種類がある|歩き方から分かる体のかばい方

同じように見えるびっこでも、痛みを避けているのか、骨盤を支えにくいのか、股関節の動きを補っているのかによって体の使い方は異なります。
びっこと聞くと、足を引きずる歩き方をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、変形性股関節症でみられる歩き方にはいくつかの特徴があり、痛い脚へ体重をかける時間が短くなるタイプ、骨盤が下がるタイプ、上半身が傾くタイプなどがあります。
見た目が似ていても、体の中で起きていることは同じとは限りません。
痛い脚に体重をかける時間が短くなる歩き方
股関節へ体重をかけたときに痛みが出ると、痛い側の脚で体を支える時間が短くなります。
地面に足を着いても、すぐに反対側の脚へ体重を移すため、歩くリズムが左右で不均等になります。痛い側の一歩だけ急いでいるように見えるのが特徴です。
医学的には逃避性跛行と呼ばれる歩き方に近く、痛みを避けることが主な目的です。
この場合、歩き方だけをゆっくりにしようとしても、体重をかけたときの痛みが残っていれば、自然な歩行には戻りにくいでしょう。まずは、どの瞬間に痛むのか、どの程度まで荷重できるのかを確認する必要があります。
反対側の骨盤が下がる歩き方
片脚で体を支えたときに、反対側の骨盤が下がる歩き方は、トレンデレンブルグ歩行と呼ばれます。
股関節の外側にある筋肉で骨盤を支えにくくなると、浮かせた脚の側へ骨盤が落ちるように傾きます。後ろから歩いている姿を見ると、骨盤が左右へ大きく揺れているように見えることがあります。
ただし、この歩き方がみられるからといって、必ず中殿筋だけが弱いとは限りません。痛みによって力を発揮できない場合や、股関節の位置、骨盤の傾きなども影響します。
痛い側へ上半身を傾ける歩き方
股関節の外側の筋肉が働きにくいとき、体は上半身を支えている脚の側へ傾けることでバランスを取ろうとします。
たとえば、右の股関節に問題がある場合、右脚で体を支える瞬間に上半身を右へ傾けます。このような歩き方は、デュシェンヌ歩行と呼ばれるものに近い状態です。
上半身を支えている側へ寄せることで、股関節にかかる力を減らせるため、体にとっては負担を避ける工夫でもあります。
しかし、上半身を大きく左右へ振る歩き方が続けば、腰や背中の筋肉を過剰に使うことになります。その結果、股関節よりも腰の張りや痛みが気になるようになる方もいます。
足を引きずる、外側へ回して前に出す歩き方
股関節を曲げにくい場合や、脚を前へ持ち上げにくい場合は、足を床から十分に離せず、つま先を引きずることがあります。
また、股関節や膝を曲げる代わりに、脚を外側へ大きく回して前へ出すこともあります。これは、関節の動きにくさを別の動きで補っている状態です。
ただし、足を引きずる原因は股関節だけとは限りません。腰から脚へ向かう神経の問題、膝や足首の動き、足に力が入りにくい状態などでも起こるため、歩き方だけで原因を決めつけないことが大切です。
見た目が同じようなびっこでも、痛みを避けているのか、筋肉で支えられないのか、関節が動かないのかによって、必要な対応は変わります。
では、びっこが目立つようになった場合、変形性股関節症が進行していると考えた方がよいのでしょうか。
4.びっこが出たら変形性股関節症が進行しているのか

びっこの有無だけでは進行度を判断できません。以前と比べた痛み、歩行距離、可動域、筋力、日常動作の変化が重要です。
びっこが目立つようになると、「変形が進んでいるのではないか」「もう手術が必要な状態なのではないか」と不安になる方もいるでしょう。
結論からいうと、びっこが出たという事実だけでは、変形性股関節症の進行度を判断できません。
レントゲンで確認できる関節の変化と、本人が感じる痛みや歩きにくさは、必ずしも同じ程度になるとは限らないからです。
びっこが一時的に強くなる場合もある
長時間歩いた後や立ち仕事の後、階段を何度も上り下りした後など、股関節まわりの筋肉が疲れたときだけ歩き方が変わることがあります。
朝の歩き始めは体が硬く、びっこが目立つものの、しばらく動くと歩きやすくなる場合もあります。反対に、歩き始めは問題がなくても、歩く距離が長くなるにつれて痛みや揺れが出てくる方もいます。
こうした場合は、関節の状態だけでなく、筋肉の持久力、体重移動、歩く量などが関係している可能性があります。
そのため、「びっこがあるから末期」「痛みが軽いから初期」と一律に判断することはできません。
以前と比べた変化が重要
進行度を考える際は、その日の歩き方だけでなく、数週間前、数か月前と比べて何が変わったかを見る必要があります。
以前より歩ける距離が短くなった、休憩する回数が増えた、杖や手すりにつかまることが増えた、靴下を履く動作が難しくなったといった変化は、股関節の痛みや可動域が変わっているサインかもしれません。
安静にしていても痛む、夜中に痛みで目が覚める、急に脚へ体重をかけられなくなったといった場合は、歩き方だけの問題として考えず、医療機関で状態を確認することが大切です。
画像だけでなく生活の変化も見る
変形性股関節症では、レントゲンによって関節の隙間や骨の形を確認します。しかし、実際の生活では、画像以外の情報も重要です。
どのくらい歩けるのか、どの動作で痛むのか、片脚でどの程度体を支えられるのか、股関節がどの方向へ動きにくいのかなどを合わせて見なければ、歩き方が変わっている理由は分かりません。
びっこがあるかどうかだけで進行度を決めるのではなく、痛み、歩行距離、可動域、筋力、日常動作の変化を総合的に確認することが必要です。
5.びっこをかばい続けると腰・膝・反対側の股関節にも負担がかかる

痛い側で支える時間が短くなると、反対側の脚や骨盤、腰、膝、足首が不足した動きを補いやすくなります。
変形性股関節症によるびっこは、痛い股関節だけに影響するわけではありません。
体は痛みを避けながら歩くため、骨盤、腰、反対側の股関節、膝、足首などを使って不足した動きを補います。短期間であれば大きな問題にならなくても、同じかばい方が続くことで、別の場所に負担が集まることがあります。
腰や骨盤が大きく動いて股関節を補う
股関節が後ろへ伸びにくくなると、歩くときに脚を十分に後方へ残せません。
すると体は、骨盤を前へ回したり、腰を反らしたりして、股関節で不足している動きを補います。さらに、上半身を左右へ振って歩くようになれば、腰の筋肉も歩くたびに緊張します。
その結果、股関節の痛みよりも、片側の腰の張りや、お尻から背中にかけての重だるさを強く感じることがあります。
腰を施術した直後は楽になっても、歩くと再び痛くなる場合は、股関節をかばう動きが残っている可能性も考えられます。
反対側の股関節で支える時間が増える
痛い側の脚へ体重をかける時間が短くなると、その分、反対側の脚で体を支える時間が長くなります。
最初は反対側に痛みがなくても、毎日の歩行や立ち仕事で負担が積み重なると、反対側の股関節やお尻に疲労がたまりやすくなります。
「最初は右の股関節だけが痛かったのに、最近は左側も重く感じる」という場合、必ずしも両方の関節が同じように変形しているとは限りません。痛い側をかばい、反対側へ負担が偏っている可能性もあります。
骨盤の傾きが膝への負担につながる
股関節をかばって骨盤や上半身が傾くと、脚全体の位置も変わります。
歩くときに膝が内側へ入ったり、反対に外側へ逃げたりすると、膝の一部へ負担が集中しやすくなります。階段や立ち上がりで膝の内側、前側に痛みを感じることもあるでしょう。
膝だけを見れば膝の筋肉や関節の問題に見えても、その背景に股関節へ体重をかけにくい状態が隠れていることがあります。
足首や足裏の使い方も変わる
痛い側の股関節へ体重をかけたくないと、かかとをしっかり着けず、足の外側やつま先へ早く体重を移すことがあります。
反対側では、長く体を支えるために、足裏やふくらはぎへ負担が集まりやすくなります。靴底の減り方が左右で違う、片側だけ足が疲れる、歩くと足首が不安定になるといった変化がみられることもあります。
つまり、変形性股関節症のびっこでは、
痛い側で支える時間が短くなる
→反対側で支える時間が長くなる
→骨盤と上半身の揺れが増える
→腰・膝・足首が不足した動きを補う
という連鎖が起こりやすくなります。
だからこそ、股関節だけを動かしたり鍛えたりするのではなく、体全体でどのようにかばっているのかを見る必要があります。
6.びっこを直そうとして無理にまっすぐ歩くのは注意

誰にでも同じ「正しい歩き方」が合うとは限りません。痛みや動きにくさを確認し、今の体に合った歩幅や休憩を選ぶことが大切です。
びっこを指摘されると、「左右均等に体重をかけよう」「体を傾けず、まっすぐ歩こう」と意識する方がいます。
歩き方を整えること自体は大切ですが、痛みや関節の動きにくさを確認せず、見た目だけを無理に修正するのは注意が必要です。
びっこは悪い癖だけで起きているわけではない
痛い脚に体重をかける時間が短いのは、体が股関節への負担を減らそうとしているためです。
上半身を痛い側へ傾ける動きも、股関節にかかる力を少なくするために行っていることがあります。
この状態で「左右均等に乗らなければならない」と無理に体重をかけると、今まで避けていた負担が急に股関節へ戻ります。その結果、歩いた後の痛みが強くなったり、翌朝まで症状が残ったりする可能性があります。
歩き方を直す前に、なぜ体がその動きを必要としているのかを確認しなければなりません。
大股で歩くと股関節前側がつらくなることがある
歩幅を広げれば、見た目は力強く歩いているように見えます。
しかし、股関節が後ろへ伸びにくい方が無理に大股で歩くと、股関節前側や腰に負担がかかることがあります。股関節で出せない動きを腰の反りで補うためです。
胸を張りすぎる、腰を反らす、かかとから強く着地するといった歩き方も、すべての方に適しているわけではありません。
歩幅を無理に広げるよりも、痛みが増えない範囲で足を運び、体重を滑らかに移せることが大切です。
中殿筋トレーニングだけを繰り返さない
びっこには中殿筋が関係するため、お尻の横を鍛える運動が紹介されることがあります。
しかし、股関節に強い痛みがある状態や、関節の動きが狭い状態で無理に筋力トレーニングをすると、股関節外側や前側の痛みが強くなることがあります。
筋肉が弱いように見えても、実際には痛みのため力を出せないこともあります。また、足首や足裏で体重を受け止められず、股関節の筋肉に負担が集中している可能性もあります。
トレーニングは、「どの筋肉が弱いか」だけでなく、運動中にどこへ負担がかかっているかを確認しながら行う必要があります。
びっこが出るタイミングを確認する
歩き方を見直すときは、どの場面でびっこが出るかを確認することが重要です。
立ち上がった直後から体が傾くのか、数分歩いてから変わるのか、階段や坂道の後に目立つのかによって、考えられる原因は異なります。
正面から見た歩き方だけでなく、後ろや横から動画を撮ると、骨盤の上下や上半身の傾き、歩幅の左右差を確認しやすくなります。
ただし、自分の判断だけで歩き方を大きく変えるのではなく、痛みが強くなる場合は中止してください。
必要なのは、誰にでも共通する「正しい歩き方」ではなく、今の股関節の状態に合った歩き方です。
7.変形性股関節症でびっこを繰り返す方へ

びっこを繰り返す場合は、状態を確認し、日常の負担を小分けにしながら、腰・骨盤・膝・足首を含めた体全体の使い方を見直しましょう。
変形性股関節症でびっこを引く状態が続いている場合、歩き方だけを直そうとするのではなく、まず股関節の状態と体全体の使い方を確認することが大切です。
痛みをかばっている期間が長くなるほど、本人にとってその歩き方が自然になり、腰や膝、反対側の股関節にも負担が広がりやすくなります。
先に医療機関で確認した方がよい状態
急に脚へ体重をかけられなくなった場合や、転倒後から強い痛みが続いている場合は、歩き方の問題だけとは限りません。
安静にしていても痛む、夜中に痛みで目が覚める、股関節まわりに腫れや熱感がある、短期間で歩ける距離が大きく減った場合も、先に整形外科で状態を確認することが大切です。
また、脚に力が入りにくい、つま先を持ち上げにくい、しびれが急に強くなったといった症状がある場合は、股関節以外の問題も考えられます。
変形性股関節症と診断されているからといって、すべての症状を股関節の変形だけで判断しないようにしましょう。
杖を使うことも負担を減らす選択肢
杖を使うことに抵抗を感じる方もいますが、杖は歩けなくなった方だけが使うものではありません。
股関節にかかる負担を減らし、痛みをかばって体全体が大きく崩れるのを防ぐための道具でもあります。
一般的には、痛い股関節と反対側の手に杖を持つことで、股関節への負担を減らしやすくなります。ただし、杖の高さや使い方が合っていないと、肩や腰へ負担がかかることがあるため注意が必要です。
杖を使うことは後退ではなく、安全に歩ける時間や距離を保つための方法の一つです。
痛みが強くなる前に休む
痛みが出るまで歩き続け、その後に長時間休むという繰り返しでは、歩行量が安定しにくくなります。
20分歩くと強く痛む場合は、痛くなる直前まで歩くのではなく、10分程度で一度休憩するなど、負担を小分けにする方法があります。
歩く量を増やす際も、その日の痛みだけで判断せず、歩いた後や翌朝に症状が残っていないかを確認してください。
運動は多ければよいわけではありません。股関節が受け止められる範囲で続けることが重要です。
股関節だけでなく体全体の動きを確認する
変形性股関節症によるびっこは、股関節だけの問題とは限りません。
股関節へ体重をかけにくくなれば、骨盤の傾き、腰の動き、反対側の股関節、膝、足首、足裏の使い方も変わります。
大分駅前整体院では、痛みのある股関節だけを見るのではなく、立ったときの重心、片脚で体を支える力、骨盤の動き、膝や足首の使い方、実際の歩行まで確認します。
無理に左右均等へ体重をかけたり、見た目だけまっすぐ歩かせたりするのではなく、今の体がどこで負担をかばっているのかを整理することを大切にしています。
変形した関節そのものを元に戻すということではありませんが、股関節以外へ広がっている負担や、痛みをかばう体の使い方を見直すことで、日常動作や歩行時の負担を減らせる可能性があります。
「まだ歩けるから大丈夫」と我慢を続けているうちに、歩く距離が短くなったり、腰や膝までつらくなったりすることもあります。
家族から歩き方を指摘された、以前より体の揺れが大きくなった、歩いた後に腰や反対側の脚まで痛むという方は、今よりも悪くなる前に体全体の使い方を見直しましょう。


