変形性股関節症

変形性股関節症で動かないとどうなる?安静にしすぎる注意点

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変形性股関節症で動かないとどうなる?安静にしすぎる注意点

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「変形性股関節症で動かないとどうなる?安静にしすぎる注意点」という内容になります。

「変形性股関節症と言われたけれど、痛いときは歩かない方がいいの?」「動くと股関節が痛むので、できるだけ安静にしている」「手術はしたくないから、なるべく股関節を使わないようにしている」。このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。

変形性股関節症と診断されると、歩いたときの股関節の痛みや、立ち上がるときの違和感が気になり、自然と身体を動かす量が減っていきます。痛みが強い日は休むことも必要ですし、無理に歩き続けることが良いわけでもありません。

一方で、「痛いから動かさない」という生活が長く続くことにも注意が必要です。人の身体は普段使っている範囲の動きを維持しやすい反面、使わなくなった動きは少しずつ失われていくことがあります。

股関節も同じで、歩く距離が短くなり、階段を避け、しゃがむことがなくなり、靴下を履くような動作まで難しくなってくると、筋力だけでなく日常生活に必要な関節の動きそのものが小さくなる可能性があります。

当院では、変形性股関節症に対して「とにかく筋肉を鍛えましょう」と考えているわけではありません。大切なのは、今の生活に必要な股関節の運動範囲をできるだけ失わず、その人の生活スタイルの中で使える状態を維持していくことだと考えています。

今回は、変形性股関節症と運動、活動量、筋力や身体機能について報告されている研究や論文も参考にしながら、「安静にしすぎることで何が起こり得るのか」「どのように身体を動かしていけばよいのか」を、できるだけ分かりやすく当院の考えとしてお伝えします。

1.変形性股関節症は安静にした方がいい?

変形性股関節症で痛みが強いときの負担調整と、安静にしすぎず日常生活で身体を動かすことの違いを説明した図

痛みが強いときに負担を減らすことと、長期間ほとんど動かないことは別です。今できる範囲で日常生活の動きを保つことも大切です。

変形性股関節症で股関節が痛くなると、まず思い浮かぶのが「できるだけ使わない方がいいのでは?」という考えです。たしかに、歩くたびに痛い状態で無理を続けたり、長時間の買い物や旅行、坂道を何度も歩いたりすれば、症状が強くなることがあります。

そのようなときは、一時的に負担を減らすことも必要です。しかし、ここで注意したいのが、「負担を減らすこと」と「できるだけ動かさないこと」は同じではないということです。

痛みを避ける生活が習慣になっていませんか?

最初は「今日は痛いから少し休もう」だったものが、いつの間にか歩く距離を減らし、階段を使わなくなり、外出する回数も減ってしまうことがあります。家事を家族に任せることが増えたり、床に座ることを避けたりするなど、少しずつ生活そのものが変わっていく方もいます。

問題は、「できなくなったからやめた」のか、それとも「痛みが怖くてやめ続けた結果、できなくなってきた」のか、自分では分かりにくいことです。少しずつ変化していくため、本人にとっては今の生活が当たり前になってしまいます。

変形性股関節症では、痛みだけを基準に生活を決めてしまうと、気づかないうちに身体を使う範囲そのものが狭くなることがあります。そのため、「安静にしているから安心」と考えるのではなく、今の日常生活の中で何ができていて、何が以前より難しくなっているのかを見ることが大切です。

2.動かない期間が長くなると筋力だけでなく身体機能も低下する可能性があります

変形性股関節症で動く機会が減ると、立つ・歩く・片脚で支える・股関節を曲げる・階段を上るなどの身体機能を使う機会も減ることを示した図

身体を動かす機会が減ると、筋力だけでなく、立つ・歩く・支えるなど日常生活に必要な身体機能を使う機会も少なくなります。

身体を動かす量が減ると、多くの方がまず「筋肉が落ちる」と考えます。もちろん筋力は大切ですが、当院ではそれだけを問題にしているわけではありません。

変形性股関節症で注意したいのは、立つ・歩く・階段を上る・方向転換する・片脚で身体を支えるといった、日常生活に必要な機能そのものを使う機会が減ることです。普段の生活も身体にとっては大切な運動の一つです。

身体は「使わない動き」を少しずつ苦手にしていきます

例えば、以前は床からスッと立てていたのに、最近はテーブルに手をつかなければ立てなくなった。靴下を履くときに脚を上げにくくなったり、車に乗るときに身体ごと向きを変えないと脚を入れられなくなったりすることもあります。

さらに、階段では必ず手すりにつかまるようになるなど、以前とは身体の使い方が変わってくる場合があります。このような変化は、単純な筋力低下だけで説明できるものではありません。

股関節の動く範囲、骨盤や体幹の動き、片脚で支える能力、膝や足首との連動など、複数の身体機能が関係しています。そのため、「筋力が落ちたから筋トレをすればいい」という単純な話ではないと考えています。

特別な運動を増やすことだけではなく、日常生活で必要な動きを日常生活の中で失わないようにすること。この視点が非常に大切です。

3.「痛い→動かない→さらに動きにくい」という悪循環に注意

変形性股関節症で歩くと痛いことから活動量が減り、身体を使う機会が少なくなってさらに動きにくくなる悪循環を示した図

「痛いから動かない」という状態が続くと、身体を使う機会が減り、以前より立つ・歩くことが大変になる悪循環につながる可能性があります。

変形性股関節症で一番気をつけたいのが、「痛いから動かない」という状態が長く続くことです。最初は歩くと股関節が痛いため、歩く量を減らすところから始まります。

歩かない生活が続けば、股関節を動かす機会や、片脚で身体を支える機会も少なくなります。すると、以前なら問題なく歩けた距離でも疲れやすくなり、外出すること自体がおっくうになってしまうことがあります。

そして、外出が減ればさらに身体を動かす量が少なくなる。このように、「痛いから動かない」から始まり、最終的には「動かないから、さらに動きにくい」という悪循環につながる可能性があります。

「痛みの強さ」と「身体の使える範囲」は同じではありません

ここで知っていただきたいのは、痛みの強さだけで身体の状態を判断しないことです。「今日はそれほど痛くないから大丈夫」と思っていても、実際には以前より歩幅が狭くなり、股関節が伸びにくくなっている方もいます。

反対に、多少痛みはあっても、生活に必要な範囲で股関節が動き、仕事や買い物などを続けられている方もいます。痛みの程度と、身体がどのくらい使えているかは、必ずしも同じではありません。

当院では、痛みの数字だけではなく、日常生活で必要な動きをどのくらい保てているかを見ることを大切にしています。「痛くなくすること」だけを目標にしていると、身体の動きが少しずつ失われていることに気づくのが遅れる場合があるからです。

4.安静にしすぎない=痛くても歩く、ではありません

変形性股関節症では痛みを我慢して歩くのではなく、時間・距離・回数・動いた後の身体の反応を見ながら活動量を調整することを示した図

安静にしすぎないことは、痛みを我慢して歩き続けることではありません。時間や距離だけでなく、動いた後の身体の反応も確認しましょう。

ここは誤解していただきたくないところです。「動かないのは良くない」と聞くと、「じゃあ痛くても毎日歩かないといけないの?」と思う方もいるでしょう。

そうではありません。痛みを我慢して歩き続けることと、安静にしすぎないことはまったく別の話です。

運動量だけでなく「身体がどう反応するか」を見る

例えば、30分歩くと毎回その日の夜から翌朝まで強い痛みが残る方が、健康のためだからと毎日30分歩き続ける必要はありません。その人にとって30分が多過ぎるのであれば、歩く時間や距離を短くするなどの調整が必要です。

また、長い距離を歩くことだけが運動ではありません。短い時間でも立つ、家の中を動く、買い物をする、日常の用事をこなすなど、その人の生活の中にはさまざまな身体活動があります。

一方で、「少し痛いから今日は一歩も歩かない」という生活を繰り返してしまうと、使える範囲そのものが少しずつ小さくなる可能性があります。大切なのは、「痛いか痛くないか」の二択ではなく、「今の身体ならどのくらいまでなら無理なく動けるか」を考えることです。

変形性股関節症だからといって、全員に同じ運動量が合うわけではありません。今の身体の状態と、動いた後の反応を見ながら調整していく必要があります。

5.何分・何歩ではなく、今の生活に必要な活動量を考える

変形性股関節症で靴下やズボンを履く、椅子から立つ、車に乗り降りする、買い物や階段など日常生活に必要な動きを維持する大切さを示した図

大切なのは歩数だけではありません。靴下を履く、立つ、車に乗る、買い物をするなど、今できている生活動作を保つことも重要です。

「変形性股関節症なら1日何歩歩けばいいですか?」「ウォーキングは何分くらいすればいいですか?」という質問をいただくことがあります。

しかし当院では、一律に「1日5000歩」「毎日30分」という数字だけで考えることはおすすめしていません。その理由は、同じ変形性股関節症でも、一人ひとり生活環境や必要な身体の動きが違うからです。

仕事で毎日たくさん歩く人と、家の中で過ごす時間が長い人では必要な身体能力も違います。平屋で生活している人と毎日階段を使う人、車中心の生活をしている人と公共交通機関を利用する人でも、必要な動きは変わってきます。

大切なのは「生活で困らない動き」を維持すること

当院が特に大切だと考えているのは、特別なトレーニングを増やすことよりも、その人の日常生活に必要な関節の動く範囲を守ることです。

靴下やズボンを履く、車に乗る、椅子から立つ、スーパーを歩く、階段を上る、布団から起きる。こうした動作は筋力トレーニングではありませんが、毎日の生活を続けるためには欠かせない身体活動です。

そのため、変形性股関節症で考えるべきなのは、運動メニューを増やすことだけではありません。今できている日常動作を、これからもできるだけ維持していくことも非常に重要だと考えています。

6.「手術はしたくない」なら、手術が必要になる前の段階を大切にしてください

変形性股関節症で生活に必要な動きが保たれている段階から、動作の制限が増え医療機関で治療方法を検討する段階までの変化を示した図

「手術はしたくない」と考える方こそ、日常生活に必要な股関節の動きが大きく失われる前から、身体の変化を確認することが大切です。

整体をしていると、「できれば手術はしたくありません」という相談を非常に多く受けます。身体に手術を受けることへの不安があり、できる限り自分の関節で生活したいと考えるのは自然なことだと思います。

しかし、ここで当院からはっきりお伝えしておきたいことがあります。手術を避けたいのであれば、股関節がほとんど動かなくなってから考えるのでは遅い場合があります。

整体で変えられる範囲にも限界があります

実際に相談を受けていると、股関節がほとんど開かない、曲がらない、靴下が履けない、脚の爪を切れない、歩幅が極端に小さい、階段の上り下りが難しいなど、日常生活に必要な関節の動きが大きく失われた状態で「でも手術だけはしたくない」と来院される方もいます。

しかし、変形が進み、関節そのものの動く範囲が大きく失われている場合、整体によって変化できる範囲には上限があります。この段階になってから、整体だけで以前のような関節の動きを取り戻そうとしても、できることには限界があります。

そのような状態では、整形外科で人工股関節置換術などの適応を検討した方が、結果として動きやすさや生活のしやすさにつながるケースもあります。もちろん、手術が必要かどうかは整形外科で検査や診察を受けたうえで、医師と相談して判断することが必要です。

「手術はしたくない」という希望だけで必要な医療まで避け、整体だけで何とかしようとすることはおすすめできません。整体と医療のどちらが適しているのかを、その時点の身体の状態に合わせて考えることが大切です。

本当に大切なのは「手術を断ること」ではありません

手術をしたくないのであれば、まだ生活に必要な股関節の動きが残っている段階から、その動きを失わないよう身体を管理していくことの方が重要です。

多少の痛みはあっても必要な範囲を歩ける、靴下を履ける、椅子から立てる、車に乗り降りできる、買い物に行ける。このように、自分の生活スタイルに必要な関節の動きが保たれている段階をできるだけ長く維持していくことが大切です。

「まだ歩けるから大丈夫」と考えるのではなく、今より動けなくならないために何ができるのかを、早い段階から考えること。手術をできるだけ避けたい方にこそ、この視点を持っていただきたいと思います。

7.変形性股関節症は「痛くなってから休む」だけでなく、今ある動きを守ることが大切です

変形性股関節症で歩行距離や着替え、車の乗り降り、外出の変化に気づき、股関節だけでなく体幹・骨盤・膝・足まで確認して今ある動きを守ることを示した図

痛みだけでなく「できること」の変化にも目を向けましょう。関節の動き・生活範囲・日常動作を保つことが、これからの生活を考えるうえで大切です。

変形性股関節症では、どうしても痛みそのものに目が向きやすくなります。「今日は痛い」「昨日より痛い」「歩くと痛い」と、痛みの変化が身体の状態を判断する一番の基準になっている方も少なくありません。

しかし長い目で身体を考えるなら、痛みと同じくらい、今どのくらい股関節が動いているのか、以前できていた日常動作が難しくなっていないか、生活範囲が狭くなっていないかを見る必要があります。

今より悪くなる前に確認しておきたいこと

「最近、歩く距離が短くなった」「靴下が履きにくくなった」「車の乗り降りに時間がかかる」「階段では必ず手すりが必要になった」「外出する回数が減った」。このような変化が出ているのであれば、単純に「年齢のせい」「変形性股関節症だから仕方ない」と済ませないことも大切です。

今の身体にどのくらい動ける余地が残っているのか、股関節そのものだけでなく、骨盤、腰、膝、足首、体幹などがどのように動いているのか。そして、日常生活に必要な動きを今後も維持できそうなのか。こうしたところまで確認することで、今何をした方がよいのかが見えやすくなります。

ただし、痛みが急激に強くなった場合や、安静にしていても強い痛みが続く場合、転倒後から歩けなくなった場合などは、整体や運動よりも先に医療機関で確認することが必要です。身体の状態によっては、運動を続けることより適切な診断や治療を優先しなければならない場合があります。

大分駅前整体院では、変形性股関節症だからといって無理に運動を増やしたり、筋肉だけを鍛えたりすることを目的にはしていません。その方の生活に必要な関節の動きがどの程度残っているのかを確認し、今できている生活をできるだけ悪くしないために身体全体を見ていくことを大切にしています。

「手術はできれば避けたい」と考えているのであれば、股関節がほとんど動かなくなってからではなく、まだ日常生活に必要な動きが残っている段階で身体を見直すことが重要です。

痛みがあるから動かない状態が続き、動かないことでさらに動きにくくなる。そうした流れに入る前に、今の身体の状態を一度確認してみてください。

今よりも悪くなる前に整え、今ある動きをできるだけ守っていくこと。それが、これからも自分らしい生活を続けていくための大切な準備になります。

執筆者

  • 慢性症状専門の整体師 河野貴彦
  • 柔道整復師免許証

慢性症状専門の整体師 河野貴彦

東京・神奈川・大分で7年間整骨院にて研修して、延べ23755人の施術実績。研修時代から慢性症状の改善に力を注ぎ、整形外科や整骨院に通っても症状の改善しない方の力になりたいという思いから大分駅前整体院を立ち上げる。

経歴
2012年3月 日体柔整専門学校 卒業
2012年4月 柔道整復師免許 取得
2018年4月 大分駅前整体院 開業