頸椎ヘルニア

頸椎椎間板ヘルニアで痛みが残る原因|胸郭の硬さと首の関係

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頸椎椎間板ヘルニアで痛みが残る原因|胸郭の硬さと首の関係

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「頸椎椎間板ヘルニアで痛みが残る原因|胸郭の硬さと首の関係」という内容になります。

「頸椎椎間板ヘルニアと言われて、病院で治療を続けているけれど首の痛みが残っている」

「以前よりは良くなったけれど、肩から腕にかけての違和感がすっきりしない」

「整骨院などでも首や肩を施術してもらっているのに、しばらくするとまたつらくなる」

このようなお悩みはありませんか?

頸椎椎間板ヘルニアと診断されれば、多くの方がまず「首に問題がある」と考えると思います。実際に病院で診察を受け、薬やリハビリなどの治療を続けたり、整骨院などで首や肩への施術を受けたりしている方も少なくありません。

それによって症状が少しずつ落ち着いてくる一方で、「最初の強い痛みは減ったけれど、そこからなかなか変わらない」という方もいます。

今回の記事でお伝えしたいのは、まさにそのような方に向けた内容です。

強い痛みが出たばかりの方や、注射をしても全く変化がないほど症状が強い方を対象にした内容ではありません。すでに医療機関などで頸椎椎間板ヘルニアに対する治療を受けていて、ある程度落ち着いてきたものの、首・肩・腕の症状があと少し取り切れない方に知っていただきたい身体の見方について説明します。

大分駅前整体院は、腰・股関節・膝の症状を中心にみている整体院です。そのため「首は専門外なのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、当院では普段から腰だけ、膝だけというように症状が出ている場所だけを見るのではなく、骨盤を中心に身体全体がどのように動いているかを確認しています。

その中でも骨盤と胸郭は身体の上下で互いに影響し合い、歩く、振り向く、腕を上げるといった多くの動作に関係します。腰や股関節の方をみる際にも胸郭の動きは日常的に確認する部分です。

そして、この胸郭の動きは首とも深く関係しています。

研究でも、胸椎の姿勢と頸椎の動きには関連がみられ、頸椎神経根症の方に対する胸椎への介入によって、頸部痛や首の可動域などに短期的な変化がみられた報告があります。

今回はこうした研究も参考にしながら、「なぜ首を治療しているのに症状が残る人では、胸郭の動きまで確認するのか」を、大分駅前整体院で身体をみている視点から分かりやすく説明していきます。

1.頸椎椎間板ヘルニアでも症状は「首だけ」で決まらない

頸椎椎間板ヘルニアの治療後も首や肩の症状が残る女性と、首・胸郭・骨盤のつながりを示した図

首の治療を続けても症状が残る場合は、日常生活で首に負担が集まっていないか身体全体の動きも確認します。

頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨と骨の間にある椎間板が変化し、その周囲の神経が刺激されることで、首だけでなく肩や腕、手などに痛みやしびれが出ることがあります。

診断を受ければ、当然まずは頸椎に対する治療が大切です。しかし、治療を続けて強い痛みが落ち着いてきても、

「右を向くとまだ首が痛い」
「デスクワークをしていると肩から腕がつらくなる」
「朝は楽なのに夕方になると首が重い」
「首を治療してもらった直後はいいけれど、また戻ってくる」

といった状態が残ることがあります。このようなときに考えてほしいのが、現在の首に日常生活でどれくらい負担がかかり続けているのかという視点です。

治療する時間より、日常生活の時間の方が長い

たとえば首の治療を受けて、そのときには動きやすくなったとします。

しかし、その後に何時間もデスクワークをしたり、背中を丸めた状態でスマートフォンを見たり、身体を動かすたびに首ばかり使ったりしていれば、せっかく動きやすくなった首に再び負担が集まりやすくなります。

これは「治療が足りない」という話だけではありません。身体全体の動きの中で首が働きすぎている状態が残っていないかを見ることも大切です。その中で当院が注目する部分の一つが、首のすぐ下にある胸郭です。

2.胸郭が硬いと、なぜ首の動きまで変わるのか?

胸郭が動く場合と動きにくい場合で、振り向くときの首の動きが変わる様子を比較したイラスト

胸郭が十分に動かないと、振り向く動作で足りない動きを首が補いやすくなります。

胸郭という言葉は聞いたことがあっても、「首の症状と何の関係があるの?」と思う方は多いかもしれません。胸郭は大まかにいうと、背中側の背骨、肋骨、胸の前側にある骨などによってつくられている、胸まわりの大きな枠組みです。

首はその胸郭の上に乗っています。そのため、首を単独で考えるよりも、「首の土台になる部分がどのように動いているか」を見ると分かりやすくなります。

振り向く動作を首だけで行っているわけではありません

車を運転していて後ろを確認するときの動きを思い浮かべてみてください。顔だけを90度横へ向けているように感じますが、実際には首だけでなく、背中や胸まわりも一緒に回ることで身体全体として振り向いています。

ところが胸郭が硬く、背中側がほとんど回らなければどうなるでしょうか。後ろを見るためには、胸郭で足りない分を首で多く動かす必要が出てきます。

上を見るときも同じです。胸郭が自然に起き上がれば首だけを大きく反らさなくても上を見ることができます。しかし、背中が丸まり胸郭が起き上がりにくい状態では、顔を上げるために首の動きが大きくなりやすくなります。

このような身体の使い方が毎日の生活で繰り返されれば、頸椎椎間板ヘルニアの治療を受けながらも、日常動作の中では頸部に負担をかけ続けているということが起こり得ます。

大切なのは「胸郭が硬いかどうか」だけではなく、胸郭が動かないことで首がどれくらい代わりに動いているのかを見ることです。

3.胸郭が動きにくくなると肩甲骨にも影響する

胸郭の動きと肩甲骨、首につながる筋肉の関係を示した背面イラスト

肩甲骨は胸郭の上を動き、首と肩甲骨をつなぐ筋肉もあるため、胸郭の動きは首まわりにも関係します。

胸郭と首の間を考えるとき、もう一つ外せないのが肩甲骨です。

「猫背になって肩甲骨が外へ開いている」
「巻き肩になっていると言われた」
「肩甲骨が硬いと言われた」

このような言葉は、テレビやインターネットなどでもよく聞くようになりました。ただ、肩甲骨だけを元の位置へ戻そうと考えるより、肩甲骨が乗っている胸郭まで一緒に考えることが大切です。

肩甲骨は胸郭の上を動いている

肩甲骨は、背中に平らに固定されている骨ではありません。腕を上げたり下ろしたりするときには、胸郭の表面を滑るように動いています。ところが背中が丸まり、胸郭の動きが少なくなると、その上に乗っている肩甲骨の動き方も影響を受けます。

肩甲骨が動きにくくなると、腕を上げる、物を取る、パソコン作業をするといった何気ない動作でも、肩や首の筋肉が余計に働かなければならない場合があります。

肩甲骨と首は筋肉でもつながっている

肩甲骨と首は離れた場所のように見えますが、筋肉を通して直接つながっています。

たとえば肩甲骨を引き上げるときに働く筋肉の一つは、肩甲骨から首の骨につながっています。また、首から肩にかけて広く付いている筋肉も、肩甲骨の動きに関わっています。

そのため、肩甲骨が動きにくい状態で腕を使い続けると、肩甲骨を動かすために首につながる筋肉が働き続けることがあります。

「首を治療しているのに肩の張りがすぐ戻る」
「パソコンをしていると首から肩が重くなる」

という方では、このように胸郭、肩甲骨、首が一つの流れとして関係している場合があります。

つまり、

胸郭が動きにくい

肩甲骨が動きにくい

首につながる筋肉が頑張る

頸部への負担が増えやすくなる

という身体の使い方も考えられるわけです。

「巻き肩だから肩甲骨を寄せればいい」と単純に考えるより、そもそも肩甲骨が動きやすい胸郭になっているかを見ることが重要です。

4.首を治療しても戻りやすい人は「普段の動き」を確認する

朝から通勤、デスクワーク、夕方、帰宅後まで首や肩への負担が変化する1日の流れ

治療を受ける時間より日常生活の時間は長いため、仕事や運転など普段の身体の使い方も大切です。

頸椎椎間板ヘルニアに対する治療を受けている方の中には、

「治療後は首が軽い」
「その日は調子がいい」
「でも仕事をするとまたつらくなる」

という方がいます。

ここで大切なのは、治療直後の身体だけを見るのではなく、その人が一日の中でどのように身体を使っているかまで考えることです。

デスクワークでは小さな負担が長時間続く

たとえばデスクワーク。最初はきれいな姿勢で座っていても、時間が経つにつれて背中が丸まり、身体が少しずつ前へ倒れてくることがあります。

胸郭も丸まった状態になると、顔を正面へ向けるためには首だけを起こさなければなりません。さらにモニターを見るために顔を少し前へ出し、マウス操作のために腕を前へ置けば、肩甲骨周囲や首の筋肉にも負担がかかりやすくなります。

一回の動作なら大きな問題を感じなくても、これが数時間続けば話は変わります。

頸椎椎間板ヘルニアへの治療によって首の状態が少しずつ良くなっていても、胸郭がほとんど動かないまま毎日首で姿勢を支えていれば、回復していく過程を邪魔する要素になる可能性があります。

「首を動かさないようにする」だけでも解決しにくい

首が痛いと、できるだけ動かさないように生活する方もいます。

すると振り向く、腕を上げる、物を取るといった身体全体の動きまで小さくなり、胸郭や肩甲骨もさらに使われにくくなることがあります。

必要なのは、無理に首を大きく動かすことではありません。身体全体で動ける部分を少しずつ増やし、首だけに動きを集中させない環境をつくること。これが治療を続けながら身体を整えていくうえで重要になります。

5.実際に胸郭を確認して首の動きが変わった方もいます

首を振り向く動作の確認から胸郭への施術、施術後の再確認までを示した3段階のイラスト

首だけを施術するのではなく胸郭の動きを確認し、施術後に首の動きや痛みの変化を再確認した一例です。

当院で施術をしている方の中にも、頸椎椎間板ヘルニアと診断され、すでに病院や整骨院などで治療を続けていたものの、首の痛みが取り切れずに来院された方がいます。

最初の頃にあった強い症状は治療によって落ち着いていましたが、

「首を横へ向けるとまだ痛い」
「動かせる範囲が狭い」
「仕事をすると首から肩にかけてつらくなる」

という状態が残っていました。

当然、最初に首の状態も確認します。しかし身体全体の動きを見ていくと、首だけでなく胸郭がかなり動きにくい状態もみられました。

首を大きく動かす前に、その下を動かしてみる

そこで、痛みが残っている首を何度も強く動かすのではなく、まず胸郭の動きを出しやすくすることから進めました。

すると胸郭が少しずつ動きやすくなるにつれて、身体を振り向く際に首だけで動かす必要が減り、頸部の動く範囲にも変化がみられるようになりました。

さらに施術を重ねながら身体全体の動きを確認していくと、首の動きが良くなるのに応じて、残っていた痛みも少しずつ軽くなっていきました。

このような経過を見ると、症状がある首だけを触ることと、身体全体の中で首にかかっている負担を減らすことは、同じようで少し違うことが分かります。

大切なのは「胸郭を施術すれば首が良くなる」と決めてかかることではありません。

この方の場合は、胸郭の動きにくさが首の動きを邪魔していることを実際の動作から確認できたため、そこに対して施術を行ったということです。

同じ頸椎椎間板ヘルニアでも身体の状態は一人ひとり違います。だからこそ、首への治療を続けても症状が残っているときには、今の身体のどこが首の負担を増やしているのかを探すことが必要になります。

6.骨盤と胸郭の動きから首への負担を考える

歩行中に骨盤、胸郭、肩甲骨、首が連動して動き、身体全体で負担を分散する様子

身体は骨盤、胸郭、肩甲骨、首がそれぞれ動きながら、一つの場所に負担が集中しないよう動いています。

ここまで胸郭と首の関係について説明してきましたが、大分駅前整体院ではさらに身体全体を見ていきます。

その中心として普段から確認しているのが骨盤です。腰・股関節・膝を専門にしている当院が頸部の方でも身体全体を見る理由はここにあります。

骨盤と胸郭は身体を動かすときに一緒に働く

歩いている人を後ろから見ると分かりやすいのですが、人は足だけを前へ出して歩いているわけではありません。

右足が前へ出るときには骨盤が動き、それに合わせて胸郭も動きます。腕も自然に振られ、身体全体が少しずつ回転しながら前へ進みます。

つまり、身体は一本の棒のように固まって動くのではなく、骨盤と胸郭がそれぞれ動きながら負担を分散しています。

ところが骨盤周囲が動きにくくなれば、身体を回すために胸郭が必要以上に頑張ることがあります。反対に胸郭が硬ければ、身体を振り向くために骨盤や首で余分に動くこともあります。

このように身体は、お互いの足りない動きを別の場所で補いながら生活しています。

首の症状でも「首から離れた場所」を確認する理由

首が痛い方に骨盤の動きを確認すると、「どうして首なのに骨盤を見るんですか?」と不思議に思われることがあります。

しかし、たとえば身体全体を振り向くとき、骨盤と胸郭がほとんど回らなければ、最後に残された首が大きく動かなければなりません。反対に骨盤、胸郭がそれぞれ自然に動けば、一つの場所だけで動作を全部引き受ける必要が少なくなります。

これは当院が腰痛や股関節痛、膝痛の方を普段みるときにも大切にしている考え方です。

腰が痛いから腰だけ、膝が痛いから膝だけ。そうではなく、「身体のどこで動けていて、どこで動けていないのか。」「その結果、どこに負担が集まっているのか。」そこを確認します。

頸椎椎間板ヘルニアの治療後に首の症状が残っている方でも、同じように身体全体のバランスを見ることが大切だと考えています。

7.頸椎椎間板ヘルニアの治療を続けても痛みが残る方へ

頸椎椎間板ヘルニアの治療後に痛みが残る女性と、首・肩甲骨・胸郭・骨盤を確認する全身図

治療を続けても首の痛みが残るときは、胸郭や肩甲骨、骨盤が首の動きを助けられているか確認することも大切です。

頸椎椎間板ヘルニアと診断されたら、まず頸椎に対する治療を受けることは大切です。そして、その治療によって最初の強い痛みは落ち着いた。腕の症状も以前より減った。

それでも、

「首を動かすとまだ痛い」
「仕事をすると首や肩がつらくなる」
「治療後は楽なのに、時間が経つと戻る」

という状態が残っているのであれば、首だけではなく、その首を普段どのように使っているのかまで確認してみる価値があります。

首のすぐ下にある胸郭が硬ければ、振り向く、上を見る、腕を上げるといった動作で首が補う場面が増える可能性があります。さらに胸郭の動きは肩甲骨にも関係し、肩甲骨から首へつながる筋肉の働き方にも影響します。

そこへ骨盤の動きまで加わると、身体は首から骨盤までそれぞれが関係しながら一つの動作をつくっていることが分かります。

「治療しているのに残っている」からこそ、別の視点を

今回の記事で特にお伝えしたかったのは、すでに病院や整骨院などで治療を続けている方についてです。治療を受けているのに症状が少し残っているからといって、同じ場所をさらに繰り返し施術することだけが選択肢ではありません。

胸郭は十分動いているのか。
肩甲骨は腕の動きに合わせて動けているのか。
身体を回すときに骨盤と胸郭が使えているのか。
それとも首がほとんどの動きを引き受けているのか。

こうした身体全体の動きを整理してみると、頸部に負担がかかり続ける理由が見えてくることがあります。

大分駅前整体院では、普段から腰・股関節・膝の症状に対して、骨盤を中心に胸郭や肩甲骨、足元まで含めて身体のつながりを確認しています。

頸椎椎間板ヘルニアと診断されて治療を続け、強かった症状は落ち着いたものの、首・肩・腕の痛みや動かしにくさがあと少し残っている方も、一度首だけではなく身体全体の動きに目を向けてみてください。

治療している首をさらに頑張って動かすのではなく、首以外の場所がきちんと動くことで、首が頑張りすぎなくてもよい身体にしていく。

それも、症状が長く残っているときに考えたい身体の整え方の一つです。

執筆者

  • 慢性症状専門の整体師 河野貴彦
  • 柔道整復師免許証

慢性症状専門の整体師 河野貴彦

東京・神奈川・大分で7年間整骨院にて研修して、延べ23755人の施術実績。研修時代から慢性症状の改善に力を注ぎ、整形外科や整骨院に通っても症状の改善しない方の力になりたいという思いから大分駅前整体院を立ち上げる。

経歴
2012年3月 日体柔整専門学校 卒業
2012年4月 柔道整復師免許 取得
2018年4月 大分駅前整体院 開業