腰痛

筋トレしても腰痛が治らない?得意種目の偏りに注意

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筋トレしても腰痛が治らない?得意種目の偏りに注意

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「筋トレしても腰痛が治らない?得意種目の偏りに注意」という内容になります。

「腰痛があるから筋トレを始めた」
「姿勢が悪いと思って、ジムで身体を鍛えている」
「以前より筋肉はついたのに、腰痛はなかなか良くならない」

このようなお悩みはありませんか?

慢性的な腰痛があると、「腹筋や背筋が弱いから腰が痛いのではないか」「筋肉をつければ姿勢も良くなって腰痛も改善するのではないか」と考えて、筋力トレーニングを始める方は少なくありません。

実際、筋力トレーニングそのものが腰痛に悪いわけではありません。慢性非特異的腰痛を対象とした研究でも、適切なレジスタンストレーニングによって痛みや身体機能の改善が期待できることが報告されています。

しかし、ここで知っておいていただきたいのが、「筋トレをしていること」と「身体全体をバランスよく使えていること」は同じではないということです。

当院にも、慢性的な腰痛などで来院される方の中に、「姿勢が悪いのが心配だから筋トレをしています」という方がいらっしゃいます。

ところが詳しくお話を聞いてみると、ベンチプレスやチェストプレスなど好きな種目を繰り返していたり、重量を伸ばしやすいトレーニングを中心にしていたりと、運動内容が特定の方向へ偏っているケースもあります。

筋肉を大きくすることが目的であれば、狙った筋肉を集中的に鍛えること自体が間違いというわけではありません。

ただし、腰痛などの慢性的な痛みを抱えているのであれば、「どれだけ筋肉がついたか」だけではなく、「身体全体としてどのようなバランスになっているのか」まで考えることが大切です。

今回は、筋トレをしているのになぜ腰痛が続くことがあるのか、ベンチプレスなど得意な種目への偏りや「拮抗筋」の考え方を交えながらお話しします。

1.筋トレしているのに腰痛が治らないのはなぜ?

週3回ベンチプレスなどの筋トレを続けて筋力がついても、慢性的な腰痛が残っている40代男性を比較したイメージ

筋力がついたからといって、腰への負担まで自動的に減るとは限りません。

腰痛を改善したいと考えたとき、「筋力をつける」という方向性そのものは決して間違いではありません。

慢性的な腰痛に対する筋力トレーニングを調べた研究では、痛みや身体機能の改善が報告されています。近年のシステマティックレビューでも、レジスタンストレーニングは慢性非特異的腰痛に対する運動療法の一つとして有効である可能性が示されています。

一方で、重量を使った筋トレだけが特別に優れているわけではありません。

外部負荷を使ったレジスタンストレーニングと、自重など負荷を使わない運動を比較した研究では、一定期間後の痛みについては重量を使った運動に小さな優位性が認められたものの、機能障害などについては結果にばらつきがありました。研究者らも、慢性腰痛では単純な重量の大小ではなく、継続性や個別性などを含めて運動を考える必要があるとしています。

つまり、

「腰痛があるから筋トレをする」
「筋力がつけば腰痛はなくなる」

というほど単純ではないのです。

腰痛では「何が弱いか」だけを見ない

慢性的な腰痛では、筋力だけでなく、身体の使い方、動く範囲、日常生活で繰り返している動作、仕事中の姿勢、運動量、睡眠など、さまざまな要因が関係します。

そのため、ベンチプレスが100kg挙がるようになったとしても、それだけで「腰に負担がかかりにくい身体になった」と判断することはできません。

大切なのは、筋力があるかどうかではなく、「なぜ自分の腰には負担が集中しやすくなっているのか」を考えることです。

筋トレをしているのに腰痛を繰り返すのであれば、さらに重量を増やす前に、一度トレーニングの内容そのものを確認してみてもよいでしょう。

2.ベンチプレスばかりすると筋肉のバランスはどうなる?

ベンチプレスやチェストプレスなど押す筋トレに偏り、引く運動や下半身運動が少なくなっている例を比較した図

筋トレをしていても、得意な種目ばかりでは身体が経験する動きが偏ることがあります。

ジムで人気のある種目の一つがベンチプレスです。

胸や腕の筋肉を鍛えやすく、使用重量も数字として分かるため、「前回より5kg重く挙がった」「100kgを目指したい」など成長を実感しやすい種目でもあります。

そのため、筋トレを独学で始めると、自分が得意な種目、成果を感じやすい種目、好きな筋肉を鍛えられる種目へ自然と偏っていくことがあります。

これはベンチプレスだけの問題ではありません。

チェストプレスばかり行う方もいれば、スクワットばかり行う方、腹筋ばかり鍛える方もいます。筋肉を大きくしたい方であれば、「胸をもっと大きくしたい」「腕を太くしたい」といった目的から、同じ筋群への刺激が多くなる場合もあるでしょう。

実際、パワーリフターを対象とした研究では興味深い結果が報告されています。

パワーリフターはベンチプレス・スクワット・デッドリフトという特定種目を繰り返し行います。そのパワーリフター15人と同年代の対照群15人を比較したところ、肩の水平内転と水平外転、膝の屈曲と伸展など、主働筋と拮抗筋の筋力比に違いが認められました。

これは、特定の筋トレを続ければ、そのトレーニングに適応して筋力のバランスも変化し得ることを示しています。

ただし、この研究では胸椎後弯、骨盤傾斜、腰椎前弯などには対照群との有意な違いが認められませんでした。

したがって、

「ベンチプレスをすると姿勢が悪くなる」
「胸を鍛えると骨盤が歪む」

と断定することはできません。

大切なのは、特定種目への偏りによって筋力の付き方や身体の使い方に特徴が生じる可能性があると理解することです。

3.筋トレで重要な「拮抗筋バランス」とは?

上腕二頭筋と上腕三頭筋、大腿四頭筋とハムストリングス、押す動きと引く動きを例に主働筋と拮抗筋の関係を示した図

身体は一つの筋肉だけで動くのではなく、反対方向に働く筋肉が協調して動きをコントロールしています。

ここで知っていただきたいのが「拮抗筋」という考え方です。

筋肉は一つだけで身体を動かしているわけではありません

例えば肘を曲げるときには上腕二頭筋が働きます。一方、反対側には肘を伸ばす上腕三頭筋があります。

膝であれば、伸ばす方向に大腿四頭筋があり、曲げる方向にはハムストリングスがあります。

肩周辺にも、

「押す方向」
「引く方向」

「内側へ動かす方向」
「外側へ動かす方向」

といった反対方向の働きをする筋群があります。

身体を動かす際には、こうした筋肉が単独で働いているのではなく、動きを作る側と、その動きをコントロールする側が協調することで関節の動きが成り立っています。

この主に動きを作る筋肉と、その反対方向に働く筋肉との関係を考える際に使われるのが「主働筋・拮抗筋」という考え方です。

「押すトレーニング」と「引くトレーニング」

分かりやすい例が上半身です。

ベンチプレスは身体から重りを「押す」動きです。

一方、ローイングやプルアップなどは身体へ向かって「引く」動きになります。

ラグビー選手42人を対象にした研究では、普段からベンチプレスとプルアップの両方をトレーニングしている選手の「押す力」と「引く力」が比較され、その筋力比が平均で約97.7%でした。

もちろん、この数字を一般の方にそのまま当てはめ、

「ベンチプレスを80kg挙げるなら、引く種目も80kgできなければいけない」

と考える必要はありません。

体格やトレーニング歴、種目、ケガの経験などによっても変わるため、理想的な筋力比を一つの数字だけで決めることは難しいからです。

それでも、「押す力だけ強ければよいわけではない」という身体の考え方を理解するうえでは参考になります。

4.拮抗筋バランスが崩れると腰や背中に何が起こる?

荷物を持ち上げる際に胸郭・股関節・膝を使って全身で動く場合と、腰や背中で動きを補う場合を比較した図

筋力の強さだけでなく、動作の中でどこが動き、どこが動きを補っているかも確認することが大切です。

ここは誤解されやすい部分です。

「拮抗筋のバランスが崩れたら腰痛になる」ことが証明されているわけではありません。

慢性腰痛は一つの筋肉だけで説明できるものではなく、筋力、身体活動、生活環境、心理社会的要因など複数の要素が関係します。

そのため、「胸の筋肉が強すぎるから腰痛」「背中が弱いから腰痛」のように、一つの筋力差だけを原因として扱うのは適切ではありません。

ただ、身体は全身でつながって動いています。

例えば「押す動作」ばかり繰り返し、「引く動作」をほとんど行っていなければ、身体が経験する運動方向には偏りが生まれます。

また上半身だけを中心に鍛え、股関節を動かす運動や下半身のトレーニングをほとんど行っていないのであれば、見た目には筋肉質でも、立つ、歩く、しゃがむ、身体を起こすといった日常動作に必要な機能が同じように高まっているとは限りません。

筋力があっても負担を分散できるとは限らない

当院でも、慢性的な腰痛や背中の張りがある方の身体を確認すると、筋肉そのものはしっかりしている方がいらっしゃいます。

しかし、動きを確認すると、胸郭や股関節などの動きが十分ではなく、身体を動かしたときに背中や腰で動きを補っているように見受けられるケースもあります。

こうした状態では、「筋肉が弱い」というより、「身体全体で負担を分散しにくい」ことの方が問題になっている場合があります。

当院では、筋肉のバランスや関節の動き、普段の身体の使い方などを確認した結果として、背中や腰周辺へ負担が集中しやすい状態になっていると考えられる方もいます。

したがって、単純に「背筋をもっと鍛えましょう」という話ではありません。

どこが強いのか、どこが弱いのかだけでなく、その方が実際の動作の中で身体をどのように使っているのかまで確認することが重要です。

5.姿勢が気になって筋トレしている方ほど注意したいこと

姿勢や腰痛を気にして筋トレを始めた40代女性が、好きな種目を続けても腰の違和感が残っている経過を示した図

姿勢が気になって筋トレを始めても、筋肉をつけるだけで腰痛や姿勢の悩みが解決するとは限りません。

当院へ来院される腰痛などの慢性的な痛みを抱えた方の中には、

「姿勢が悪いから腰が痛いと思って筋トレを始めました」

という方が少なくありません。

運動習慣をつくること自体はとても良いことです。

ところが、お話を詳しく聞いていくと、

「胸を大きくしたいからベンチプレス中心」
「腕を太くしたいから上半身ばかり」
「スクワットが得意だから毎回スクワットをしている」

など、結果的に自分の好きなトレーニングに偏っているケースがあります。

本人としては「身体を鍛えている」という感覚があるため、腰痛が続いていても、

「まだ筋力が足りないのかな」
「もっと重量を上げれば腰も強くなるのかな」

と考えてしまうことがあります。

しかし、ここまでお話ししてきた通り、筋肉量が増えることと、腰に負担が集中しにくい身体になることは別の問題です。

姿勢についても同じです。

筋肉をつければ自動的に良い姿勢になるわけではありませんし、逆に多少姿勢に左右差があるからといって、それだけで腰痛の原因と判断することもできません。

慢性的な腰痛がある場合には、姿勢の形だけを見るのではなく、

「その姿勢からどの程度身体を動かせるのか」
「動いたときにどこへ負担が集まるのか」

を見る方が重要になることがあります。

「姿勢を良くするために筋トレをしているのに腰痛が続いている」という方は、一度「何を鍛えるか」だけでなく、「どんな動きを普段あまりしていないのか」という反対側から身体を考えてみてもよいでしょう。

6.腰痛がある人は好きな筋トレだけでなく全身のバランスを考える

ベンチプレスの押す運動、ローイングの引く運動、スクワットなどの下半身運動、片脚で支える運動を組み合わせたトレーニング図

好きな種目だけに偏らず、目的と身体の状態に合わせてトレーニング全体を見直してみましょう。

筋肉を大きくすることを目的として筋トレをしているのであれば、好きな部位を集中的に鍛える楽しさもあると思います。

ベンチプレスの重量を伸ばしたいという目標も、トレーニングを続けるモチベーションになるでしょう。

その目的自体を否定する必要はありません。

ただし、慢性的な腰痛や背中の痛みがあるのであれば、「筋肥大のためのトレーニング」と「身体の状態を整えるために必要な運動」は分けて考えた方がよい場合があります。

例えば胸を鍛える日が多いのであれば、背中側の運動は十分か。

上半身ばかり鍛えているのであれば、股関節や下半身を使う運動はできているか。

前後方向の運動ばかりなら、身体をひねる、横へ動く、片脚で身体を支えるといった動きはどうか。

こうして見ていくと、「ジムへ週3回行っているから運動量は十分」と思っていた方でも、身体が経験している動きそのものは意外と限られていることがあります。

自分では偏りに気づきにくいこともあります

特に独学で筋トレをしていると、どうしても得意な種目ほど続けやすく、苦手な種目を避けやすくなります。

そこで一つの方法として、トレーナーなど専門家に一度フォームやトレーニングメニュー全体を確認してもらうのもよいでしょう。

何kg挙げられるかだけではなく、

「押す運動ばかりになっていないか」
「引く運動はできているか」
「上半身と下半身の割合はどうか」
「痛みが出る動作を無理に繰り返していないか」

など、第三者に見てもらうことで自分では気づきにくい偏りが見つかることがあります。

腰痛があるからといって筋トレをやめる必要があるとは限りません。

大切なのは、痛みを我慢しながら同じ運動を繰り返すのではなく、現在の身体に合った内容へ調整することです。

7.筋トレしても腰痛が続くなら「なぜ腰に負担がかかるか」を確認する

筋トレを続けても腰痛を繰り返す男性の筋力・胸郭・股関節・動き方・トレーニング内容を整体院で確認している様子

腰痛が続くときは筋力不足と決めつけず、腰へ負担が集まりやすい理由を身体全体から確認します。

今回一番お伝えしたいのは、

「筋トレをしているから腰痛にならない」わけでも、「筋トレをすれば腰痛が治る」わけでもない

ということです。

研究では、適切な筋力トレーニングが慢性腰痛の改善に役立つ可能性は示されています。

一方で、特定のトレーニングに集中することで主働筋と拮抗筋の筋力比に違いが生じる可能性も報告されています。

だからこそ、

「筋トレをするか、しないか」

という二択で考えるのではなく、

「今の自分にはどのような運動が必要なのか」

まで考えていくことが大切です。

ベンチプレスの重量が伸びている。

胸や腕も以前より太くなった。

週に何度もジムへ通っている。

それでも腰痛が変わらないのであれば、筋力不足とは違うところに問題が隠れている可能性もあります。

当院では腰だけを見るのではなく、身体全体の動きや関節の状態、普段の姿勢、トレーニング内容なども確認しながら、なぜその方の腰へ負担が集中しやすくなっているのかを考えていきます。

筋肉を鍛えることは大切です。

しかし、慢性的な痛みがある方の場合、ただ筋肉を大きくしたり重量を増やしたりするだけではなく、身体全体で負担を分散できる状態をつくっていくことも同じように大切です。

「腰痛が心配で筋トレを始めたのに良くならない」
「ジムに通っているのに腰痛を繰り返している」
「ベンチプレスなど好きなトレーニングばかりしている」
「筋肉はあるのに背中や腰がいつも張っている」
「自分の筋トレ方法が腰痛に合っているのか分からない」

このようなお悩みがある方は、さらに重量や回数を増やす前に、一度ご自身の身体の動きやトレーニング内容を見直してみてください。

腰痛が続いている理由は、「筋力が足りないから」とは限りません。

どの部分が動きにくく、どこでその動きを補い、結果として腰へどのような負担が加わっているのか。その部分を確認することで、これまでとは違った改善のきっかけが見つかる場合があります。

筋トレを続けているのに腰痛や背中の痛みを繰り返している方、身体のバランスや姿勢について不安がある方は、一度大分駅前整体院へご相談ください。

執筆者

  • 慢性症状専門の整体師 河野貴彦
  • 柔道整復師免許証

慢性症状専門の整体師 河野貴彦

東京・神奈川・大分で7年間整骨院にて研修して、延べ23755人の施術実績。研修時代から慢性症状の改善に力を注ぎ、整形外科や整骨院に通っても症状の改善しない方の力になりたいという思いから大分駅前整体院を立ち上げる。

経歴
2012年3月 日体柔整専門学校 卒業
2012年4月 柔道整復師免許 取得
2018年4月 大分駅前整体院 開業