投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「変形性股関節症でお尻が痛い原因|足の付け根ではなく臀部に痛みが出るのはなぜ?」という内容になります。
変形性股関節症と診断された方のなかには、足の付け根ではなく、
「お尻の横がズキズキする」
「立ち上がった瞬間に、お尻の奥が痛む」
「歩いていると、お尻から太ももにかけて重くなる」
といった症状に悩まされている方がいます。
股関節は足の付け根にあるため、変形性股関節症なら鼠径部が痛くなるものと思われがちです。そのため、お尻が痛くなると「股関節症が悪化したのではないか」「坐骨神経痛も起きているのではないか」と不安になる方も少なくありません。
日本整形外科学会では、変形性股関節症の主な症状として関節の痛みと機能障害を挙げ、初期には立ち上がりや歩き始めに足の付け根が痛み、進行すると持続痛や夜間痛が現れることがあると説明しています。また、股関節の痛みは足の付け根だけに限定されず、太ももやお尻、膝周辺に広がることもあります。
ただし、注意したいのは、変形性股関節症と診断されている人のお尻の痛みが、すべて股関節の変形や軟骨のすり減りから起きているとは限らないことです。
痛む場所がお尻の横なのか、奥なのか、座面に当たる下側なのかによって、負担が加わっている組織は異なります。さらに、しびれを伴って脚まで症状が広がる場合には、腰から出る神経が関係している可能性も考えなければなりません。
今回は、変形性股関節症でお尻に痛みが出る理由を、痛む場所や動作、坐骨神経痛との違いから詳しく解説します。
「自分のお尻の痛みは、股関節から来ているのだろうか」
「お尻を揉んでもすぐに戻るのはなぜだろう」
と感じている方は、ご自身の症状と照らし合わせながら読み進めてください。
1.変形性股関節症でもお尻が痛くなることがある

変形性股関節症では、足の付け根だけでなく、お尻の外側や奥、太ももに痛みを感じることがあります。ただし、腰や神経、筋肉が関係するお尻の痛みもあるため、痛む場所や動作、しびれの有無を整理することが大切です。
足の付け根だけが股関節の痛みではありません
変形性股関節症の代表的な症状は、足の付け根に感じる痛みです。しかし実際には、股関節周辺の痛みを鼠径部だけでなく、お尻や太もも、膝に感じることがあります。
股関節は、大腿骨の先端にある丸い大腿骨頭と、骨盤側の受け皿である寛骨臼によって構成されています。その周囲には関節包や靱帯、筋肉、腱などが集まり、立つ、歩く、しゃがむといった動作を支えています。
変形性股関節症によって関節の動きが小さくなると、股関節だけでは処理できない負担を、周囲の筋肉や骨盤、腰が補うようになります。その結果、股関節そのものより、お尻の筋肉が疲労して痛くなる場合があるのです。
また、股関節から生じた痛みが、お尻や太ももなど離れた場所に感じられることもあります。これは関連痛と呼ばれる痛み方の一つです。米国整形外科学会も、股関節の変形性関節症では鼠径部や太ももの痛みが、お尻や膝へ広がることがあるとしています。
したがって、足の付け根ではなくお尻が痛いからといって、変形性股関節症と関係がないとは言い切れません。
すべてのお尻の痛みが股関節由来とは限りません
一方で、お尻には股関節以外にも、腰から伸びる神経、仙腸関節、お尻の筋肉や腱などが存在します。
特に、お尻から太ももの後ろ、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれが広がる場合は、坐骨神経痛の特徴と重なる部分があります。坐骨神経痛とは一つの病名ではなく、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などによって、坐骨神経につながる神経が刺激されて起こる症状の総称です。
日本整形外科学会は、坐骨神経痛について、お尻から太ももの後面または外側に痛みが現れ、場合によっては膝より下まで広がる状態と説明しています。
つまり、変形性股関節症と診断されている人でも、今感じているお尻の痛みに腰や神経の問題が重なっている可能性があります。
痛む場所だけで原因を一つに決めつけず、「どの動作で痛むのか」「しびれはあるのか」「脚のどこまで広がるのか」を確認することが大切です。
2.お尻のどこが痛いかで考えられる負担は異なる

お尻の横、奥・中央、下側、脚まで広がる痛みでは、負担が加わっている可能性のある組織が異なります。痛む場所だけで原因を断定せず、動作やしびれの有無も合わせて確認しましょう。
「お尻が痛い」といっても、指で示す位置は人によって異なります。
お尻の横側が痛む人もいれば、中央の奥深くが痛む人、座面に当たる下側が痛む人もいます。痛む場所によって関係する組織が異なるため、まずは自分がどこを痛いと感じているのかを整理してみましょう。
お尻の横側が痛む場合
お尻の外側には、大腿骨の上部にある大転子という骨の出っ張りがあります。この周囲には、骨盤を安定させる中殿筋や小殿筋の腱が付着しています。
歩行中に片脚で体を支える場面では、中殿筋や小殿筋が働き、骨盤が反対側へ傾きすぎないように支えています。ところが、股関節の動きが悪くなったり、痛みを避けて反対側へ体を傾けたりすると、これらの筋肉や腱へ負担が集中します。
その結果、お尻の横から大転子周辺にかけて痛みが出やすくなります。
階段を上る、片脚で立つ、長く歩く、痛い側を下にして横向きに寝るといった動作で痛みが増える場合は、大転子周辺の筋肉や腱に負担が加わっている可能性があります。
ただし、この部分の痛みは「骨が出っ張っているから痛い」とは限りません。筋肉の腱や滑液包など、周囲の組織が刺激されて痛む場合もあるため、強く押したり、硬いボールで繰り返し刺激したりすることには注意が必要です。
お尻の奥・中央が痛む場合
お尻の中央や奥深くに痛みを感じる場合は、股関節内部からの関連痛や、股関節後方にある筋肉、骨盤周囲の関節などが関係している可能性があります。
変形性股関節症では、軟骨のすり減りに伴って関節内の環境が変化し、滑膜や関節包などに刺激が加わることがあります。その痛みが、必ずしも足の付け根だけに現れるとは限らず、お尻の奥に重く響くように感じられる場合があります。
特に、立ち上がりや歩き始めで痛み、少し動くといったん軽くなるものの、長く歩くと再び痛む場合は、股関節の動きや荷重との関係を確認する必要があります。
一方、お尻の奥には梨状筋などの深い筋肉もあります。股関節をかばう歩き方が続くと、これらの筋肉が過剰に働き、お尻の奥に張りや痛みを感じることがあります。
そのため、奥の痛み=軟骨のすり減りだけが原因、奥の痛み=梨状筋だけが原因、と一つに決めつけることはできません。
お尻の下側が痛む場合
椅子に座ったとき、座面に当たるお尻の下側には坐骨という骨があります。その周辺には、太ももの後ろ側を走るハムストリングスの腱が付着しています。
ご相談内容にある「大腿部後面筋」は、医学的には主にハムストリングスを指します。ハムストリングスは、膝を曲げたり、股関節を後ろへ伸ばしたりする働きを持つ筋肉の集まりです。
股関節が十分に伸びない状態で歩くと、骨盤や太ももの動きで不足分を補おうとするため、ハムストリングスの付着部へ負担が集まることがあります。
長時間座ると痛む、硬い椅子に座るとつらい、立ち上がる瞬間にお尻の下が痛む、前かがみで太ももの後ろが引っ張られるといった場合は、この部分の負担が関係している可能性があります。
ただし、神経の痛みでもお尻の下から太ももの後ろへ症状が広がることがあります。痛みだけでなく、ピリピリしたしびれや感覚の違和感がある場合は、ハムストリングスの硬さだけと考えないことが大切です。
お尻から脚まで痛みが広がる場合
お尻の痛みが太ももだけでなく、ふくらはぎや足先まで続く場合には、坐骨神経につながる神経が刺激されている可能性を考えます。
特に、電気が走るような痛み、焼けるような痛み、ピリピリしたしびれ、感覚の鈍さ、脚に力が入りにくいといった症状は、神経症状の特徴と重なります。
変形性股関節症の痛みが太ももや膝へ広がることはありますが、足先まで続くしびれや明らかな筋力低下がある場合は、股関節だけでなく腰や神経の状態も確認する必要があります。
3.歩き始めや立ち上がりでお尻が痛む理由

長く座った後は股関節が曲がった状態から伸びにくくなり、腰や骨盤が動きを補いやすくなります。そのまま最初の一歩を踏み出すと、支持脚側のお尻の筋肉へ負担が集中することがあります。
変形性股関節症では、椅子から立った直後や最初の一歩で痛みが出て、少し歩くと楽になることがあります。
このような痛みが起きる背景には、関節の動き始めだけでなく、股関節をかばうためにお尻の筋肉が働きすぎていることも関係しています。
座っている間に股関節が曲がった状態で固まりやすい
椅子に座っているとき、股関節は曲がった状態になっています。
その姿勢が長く続くと、股関節の前側や周囲の組織が動きにくくなり、立ち上がった直後に股関節を十分に伸ばせないことがあります。
本来、立ち上がるときには、上半身を前へ移動させながら股関節を伸ばし、お尻の筋肉と太ももの筋肉を使って体を持ち上げます。
ところが股関節が硬いと、骨盤を後ろへ倒したり、腰を反らしたり、痛くない側へ体重を逃がしたりして立ち上がろうとします。この補い方が繰り返されることで、お尻の特定の筋肉だけが頑張り続ける状態になっていきます。
最初の一歩では骨盤を支える力が必要になる
歩行では、左右の脚へ交互に体重を移します。
最初の一歩を踏み出すと、反対側の脚は一時的に片脚で体を支えなければなりません。このとき、骨盤を水平に保つために中殿筋や小殿筋が働きます。
股関節が硬い、痛みで体重を十分に乗せられない、歩幅が左右で違うといった状態では、お尻の筋肉が必要以上に緊張します。そのため、歩き始めにお尻の横や奥が痛くなりやすいのです。
少し歩くと痛みが軽くなる場合でも、問題がなくなったわけではありません。体が温まり、一時的に動きやすくなっているだけで、長時間歩いた後に再び痛みが増える場合もあります。
股関節の硬さを確認するセルフチェック
ここでは、股関節の病名や進行度を判断するためではなく、左右の動きの違いや、どの方向が動きにくいのかを整理する方法をご紹介します。
チェック1 仰向けで片膝を抱える
まず仰向けに寝て、反対側の脚を伸ばします。確認する側の膝を両手で抱え、痛みを我慢しない範囲で胸の方向へ近づけてください。
左右を比べたときに、片側だけ膝が胸へ近づきにくい、足の付け根が詰まる、お尻が浮く、反対側の脚まで持ち上がる場合は、股関節を曲げる動きに左右差がある可能性があります。
ただし、強く引き寄せる必要はありません。足の付け根やお尻に鋭い痛みが出た場合は、そこで中止してください。
チェック2 椅子に座って膝を内側へ動かす
椅子に浅く腰掛け、両足を肩幅程度に開きます。太ももの位置を大きく動かさず、確認する側の足先を外側へゆっくり動かしてみましょう。
足先を外側へ動かすと、股関節では太ももの骨が内側へ回る動きが起こります。変形性股関節症では、この内旋という動きが制限されることがあります。
左右差が大きい、足の付け根が詰まる、お尻の奥に痛みが出る場合は、その方向の動きが小さくなっている可能性があります。
ただし、このチェックだけで変形性股関節症の進行度や痛みの原因を判断することはできません。
チェック3 立った姿勢で脚を後ろへ引く
安定した机や壁に手を添えて立ち、膝を伸ばしたまま片脚をゆっくり後ろへ引きます。
このとき、腰を強く反らさなければ脚を後ろへ動かせない、お腹が前へ出る、骨盤ごと回る、お尻に痛みが出る場合は、股関節を後ろへ伸ばす動きが不足している可能性があります。
股関節が後ろへ伸びにくいと、歩行の後半で腰を反ったり、骨盤を回したりして補うようになります。その負担が、お尻や腰へ蓄積することもあります。
この見出しで確認しているのは、主に股関節の動きと荷重によって変化する痛みです。次の見出しでは、しびれや神経症状を伴う坐骨神経痛との違いを確認していきます。
4.変形性股関節症と坐骨神経痛の違い

股関節が関係する痛みは、立ち上がりや歩き始め、靴下を履く動作などで変化しやすい傾向があります。一方、坐骨神経痛では、お尻から脚へ痛みやしびれが広がり、感覚や力の入り方に左右差が現れることがあります。
変形性股関節症と坐骨神経痛は、どちらもお尻や太ももに痛みが出るため、症状だけでは区別しにくいことがあります。
さらに、股関節と腰の両方に問題がある人もいるため、必ずどちらか一方とは限りません。
股関節由来の痛みに見られやすい特徴
股関節が関係する痛みでは、立ち上がり、歩き始め、階段、車の乗り降り、靴下を履くといった、股関節を動かしたり体重を乗せたりする動作で症状が変化しやすくなります。
足の付け根が詰まる、股関節を深く曲げにくい、あぐらがかきにくい、脚を内側へ回しにくいなど、関節の動きの制限を伴うこともあります。
また、お尻に痛みがあっても、足先までの明確なしびれがない場合は、股関節や周囲の筋肉の負担が中心となっている可能性があります。
坐骨神経痛に見られやすい特徴
坐骨神経痛では、お尻から太ももの後ろや外側、ふくらはぎ、足先へ向かって症状が広がる傾向があります。
痛みの表現も、重だるさだけではなく、電気が走る、焼ける、刺される、ピリピリするといった神経特有の感覚になることがあります。しびれ、感覚の鈍さ、足に力が入りにくいといった症状を伴うこともあります。
せきやくしゃみ、前かがみなどで脚の症状が強くなる人もいます。ただし、腰部脊柱管狭窄症では立ったり歩いたりするとつらくなり、座ると楽になることがあるなど、原因となる腰の状態によって症状の出方は異なります。
自分でできる坐骨神経症状の確認
次のチェックも、坐骨神経痛を診断するものではありません。股関節を動かした痛みなのか、脚へ広がる神経症状があるのかを整理する目的で行ってください。
チェック1 痛みとしびれの範囲を指でたどる
まず、痛みやしびれがどこからどこまで続いているかを確認します。
お尻の一部分だけなのか、太ももの後ろまでなのか、ふくらはぎや足先まで一本の線のようにつながるのかを、指でたどってみてください。
股関節の関連痛でも太ももや膝まで痛むことはありますが、足先まで続くピリピリ感や感覚の違いがある場合は、神経の関与を確認する必要があります。
チェック2 左右の感覚を比べる
椅子に座った状態で、左右の太もも、すね、足の甲、足の裏を手で軽く触れます。
左右で触られた感じが明らかに違う、片側だけ鈍い、ビリビリする、熱さや冷たさを感じにくい場合は、神経症状の可能性があります。
強くつねったり、鋭いもので刺激したりする必要はありません。
チェック3 かかと立ちとつま先立ちを比べる
転倒しないように、壁や机へ手を添えて行います。
両足でかかとを上げるつま先立ちと、つま先を上げるかかと立ちを行い、左右差を確認してください。
痛みのためにできないのか、力そのものが入りにくいのかを見分けることがポイントです。片側だけ足首を上げにくい、つま先立ちを保てない、以前より明らかに力が落ちた場合は、早めに整形外科へ相談してください。
なお、排尿や排便の異常、股の周辺の感覚低下、急激に進む脚の筋力低下がある場合は、セルフチェックを続けず、速やかな医療機関への相談が必要です。
5.お尻だけを揉んでも痛みを繰り返す理由

お尻を揉んで一時的に楽になっても、そこへ負担を集める体の動きが残っていれば、歩行や立ち上がりによって再び痛みが起こります。痛む場所とともに、腰・骨盤・股関節・膝・足首の連動を確認することが大切です。
お尻が硬く張っていると、揉んだ直後に軽くなることがあります。
これは、お尻の筋肉に実際に負担が集まっているためです。緊張した筋肉への刺激によって、一時的に動かしやすくなったり、痛みが和らいだりすること自体は不思議ではありません。
しかし、なぜその場所へ負担が集まったのかが変わっていなければ、立つ、歩く、座るといった日常動作を繰り返すなかで、再び同じ場所へ負担が蓄積します。
痛い場所は負担を受けている場所
大分駅前整体院では、痛みが出ている場所を軽視することはありません。
お尻が痛いのであれば、その部分に何らかの負担が加わっていると考えます。ただし、痛い場所が必ずしも負担の始まりとは限りません。
例えば、股関節が後ろへ伸びにくいと、歩くたびに骨盤を大きく回したり、腰を反らしたりして脚を後ろへ運ぶようになります。
足首が硬く、すねを前へ倒しにくい場合には、歩行や立ち上がりで体重を前へ移動させにくくなります。その不足を股関節や骨盤の動きで補えば、お尻の筋肉が働く時間は長くなります。
膝が十分に伸びない場合も、脚全体で安定して体重を支えにくくなり、股関節周囲の筋肉へ負担が集まりやすくなります。
このように、股関節、骨盤、腰、膝、足首は別々に動いているのではありません。立ち上がりや歩行のなかで連動し、一つの部分が動きにくくなると、別の部分がその不足を補います。
負担が加わる経路が残っていると再び痛くなる
お尻を揉むことで筋肉の緊張が軽くなっても、
股関節が曲がりにくい状態、痛い側へ体重を乗せられない歩き方、骨盤を傾けて立つ癖、膝や足首の動きにくさが残っていれば、負担の流れは変わりません。
朝に揉んで楽になっても、買い物や仕事を終える頃には再び痛くなる。数日間は調子がよくても、長く歩いた後にまた痛む。このような場合は、痛む場所のケアだけでなく、その場所へ負担を送り続けている動きも確認する必要があります。
ただし、変形性股関節症の進行度や関節内の炎症を、整体だけで判断することはできません。持続痛や夜間痛が強い、急に歩けなくなった、以前より可動域が大きく低下した場合は、まず整形外科で股関節の状態を確認することが大切です。
そのうえで、病院ではまだ手術ではないと言われたものの、歩き方や日常動作でお尻への負担を繰り返している場合には、体全体の使い方を見直すことが一つの選択肢になります。
6.お尻が痛いときに避けたい行動

低い座椅子や深く沈み込むソファーでは、股関節が深く曲がり、骨盤も後ろへ傾きやすくなります。長時間の座り姿勢と、低い位置からの立ち上がりがお尻の負担を増やすことがあります。
お尻が痛むと、ストレッチを強く行ったり、硬いボールで痛い場所を押したりしたくなるかもしれません。
しかし、痛みが強い時期に繰り返し刺激すると、かえって周囲の組織を刺激してしまうことがあります。
そのなかでも、特に見落とされやすいのが、日常生活で長く過ごす座り姿勢です。
座椅子や沈み込むソファーに長く座る
座椅子や柔らかいソファーは、一見すると体を休めやすそうに感じます。
ところが、座面が低い座椅子では、股関節を深く曲げた状態になりやすくなります。膝の位置が股関節より高くなると、骨盤は後ろへ倒れやすく、腰からお尻にかけて丸まった姿勢になります。
この姿勢が続くと、股関節の前側は縮んだ状態になり、お尻側の筋肉は引き伸ばされたまま体を支えます。
その後に立ち上がろうとすると、深く曲がった股関節を大きく伸ばしながら、低い位置から体を持ち上げなければなりません。変形性股関節症によって股関節の動きが小さくなっている人にとっては、この立ち上がり動作が大きな負担となります。
柔らかく沈み込むソファーでも同様です。
体が座面へ沈むと骨盤が後ろへ倒れ、股関節が深く曲がります。さらに、立ち上がる際にはお尻が沈んだ位置から体を前へ移動させる必要があるため、股関節とお尻の筋肉へ強い力がかかります。
座っている時間は痛くなくても、立ち上がった瞬間や最初の一歩で、お尻の奥や横に痛みが出る原因になることがあります。
大切なのは椅子の硬さだけではなく高さです
お尻が痛いからといって、硬い椅子にすれば必ずよいわけではありません。
座面が硬すぎると、坐骨周辺やハムストリングスの付着部へ直接圧力が加わります。一方、柔らかすぎると体が沈み込み、股関節が深く曲がります。
椅子を選ぶ際は、深く沈み込まず、座ったときに膝と股関節が同じ高さか、膝がわずかに低くなる程度を目安にします。
立ち上がるときは、椅子の前方へ少し移動し、足を手前へ引き、上半身を前へ移してから立つと、後ろへ反りながら立つよりも動きやすくなります。
ただし、痛みを我慢して何度も立ち座りを練習する必要はありません。
強く揉む、伸ばす、急に鍛えることにも注意
お尻の横が痛い場合、痛い側を下にして硬いボールを当てると、大転子周辺の腱や滑液包へ圧力が集中することがあります。
また、お尻の奥が痛むからといって、強く脚を組んで伸ばすストレッチを行うと、股関節内部や神経を刺激する可能性があります。
反対に、「お尻の筋肉が弱いから」と急に片脚立ちや横向きでの脚上げを繰り返すと、痛みが出ている中殿筋や小殿筋へ、さらに負担を加えてしまうこともあります。
セルフケアは、強ければ強いほど効果が高いわけではありません。
それ以上に見直したいのは、一日のなかで何時間も続けている座り姿勢や、毎回の立ち上がり方、歩き方です。
一回数分のストレッチだけでなく、普段どの椅子に、どのような姿勢で、どれくらい座っているかを確認することが、お尻の負担を減らす第一歩になります。
7.まとめ

お尻の痛みは、痛む場所だけでは原因を判断できません。どこが痛むのか、いつ痛むのか、しびれがあるのか、どこから負担が集まっているのかを順番に整理することが大切です。
変形性股関節症では、足の付け根だけでなく、お尻や太ももに痛みが出ることがあります。
股関節の動きが小さくなると、お尻の筋肉が骨盤を支えたり、股関節の動きを補ったりするために働きすぎます。その結果、歩き始めや立ち上がり、長時間歩いた後に、お尻の横や奥へ痛みを感じることがあります。
ただし、お尻の横側であれば大転子周辺に付着する中殿筋や小殿筋の腱、お尻の下側であればハムストリングスの付着部、お尻から足先までしびれが広がる場合には腰や神経の問題など、痛む場所と症状によって考えられる負担は異なります。
そのため、変形性股関節症と診断されているから、今のお尻の痛みもすべて軟骨のすり減りが原因だと決めつけないことが大切です。
反対に、「お尻の筋肉が硬いだけ」と考えて、強く揉んだり伸ばしたりすることにも注意が必要です。
お尻を揉んで一時的に楽になるのであれば、その場所に負担が加わっている可能性はあります。しかし、股関節の硬さ、骨盤の傾き、腰による代償、膝や足首の動きにくさなど、お尻へ負担が加わる経路が残っていれば、日常生活のなかで再び同じ場所へ負担が蓄積します。
また、座椅子や深く沈み込むソファーに長時間座る習慣も、股関節を深く曲げ、骨盤を後ろへ倒し、立ち上がる際のお尻への負担を増やす原因になります。
痛みを感じる場所だけでなく、
「なぜそこへ負担が集まったのか」
「立ち上がりや歩行で、どの関節が動きを補っているのか」
まで確認することが、症状を繰り返さないためには重要です。
大分駅前整体院では、変形性股関節症の骨の状態を変えるという考えではなく、整形外科での診断や検査結果を踏まえたうえで、股関節、骨盤、腰、膝、足首の動きや、日常生活での体の使い方を確認しています。
病院ではまだ手術ではないと言われているものの、お尻の痛みが続いている、立ち上がりや歩き始めがつらくなってきた、歩ける距離が少しずつ短くなっているという方は、今よりも歩きにくくなる前に、体へ負担が加わっている流れを見直すことが大切です。
今回ご紹介した内容に思い当たるところがある方は、一度大分駅前整体院へご相談ください。


