変形性膝関節症, 膝痛

しゃがむと膝が痛む原因とは?悪化させないために重要なこと

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しゃがむと膝が痛む原因とは?悪化させないために重要なこと

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。

今回は「しゃがむと膝が痛む原因とは?悪化させないために重要なこと」という内容になります。

膝の痛みの中でも、「しゃがむと痛い」「膝を深く曲げるとズキッとする」「正座や床の物を取る動作がつらい」という悩みは少なくありません。歩いているときは何とか大丈夫でも、しゃがむ動作になると膝の前側や内側、お皿まわり、膝の奥に痛みが出ることがあります。

しゃがむ動作は、日常生活の中でも膝に大きな負担がかかる動きです。膝を深く曲げることで、太ももの骨とすねの骨、膝のお皿、半月板、軟骨、靭帯、筋肉が同時に働きます。そのため、しゃがむと膝が痛い場合は、膝関節そのものだけでなく、太ももの筋肉の硬さ、股関節の動き、足首の硬さ、体重のかけ方などが関係していることがあります。

「年齢のせいだから仕方ない」「少し痛いだけだから大丈夫」と思って放置していると、しゃがむ動作だけでなく、立ち上がり、階段、歩き始め、正座、長時間の歩行にも影響が広がることがあります。今回は、膝の痛みでしゃがむと痛い原因について、一般的な医学的見解をもとに、膝の中で起きていること、原因となる筋肉や関節、セルフケアの方法までわかりやすく解説します。

1. しゃがむと膝が痛いとき、膝の中では何が起きているのか

しゃがむと膝に負担が集中し、膝蓋骨・半月板・関節軟骨に圧がかかる仕組みを解説した医学図解

膝を深く曲げると、膝のお皿・半月板・軟骨に圧がかかりやすくなります。

しゃがむと膝が痛くなる理由を考えるうえで大切なのは、しゃがむ動作では膝関節に強い圧縮力がかかるという点です。立っているだけの状態と比べて、膝を深く曲げるほど関節の中にかかる圧力は高まり、軟骨、半月板、膝のお皿まわりに負担が集中しやすくなります。

膝を曲げると、太ももの骨である大腿骨と、すねの骨である脛骨の間で関節面が動きます。この間には半月板があり、衝撃を吸収したり、関節の安定性を保ったりしています。しゃがむ姿勢では半月板が圧迫されやすく、すでに半月板に傷や変性がある場合は、膝の奥の痛みや引っかかり感につながることがあります。

また、しゃがむときには膝のお皿である膝蓋骨も大きく関係します。膝のお皿は、太ももの前側にある大腿四頭筋の力をすねの骨へ伝える役割を持っています。膝を深く曲げるほど、膝のお皿は太ももの骨に押しつけられやすくなります。そのため、大腿四頭筋が硬い場合や、膝のお皿の動きが悪い場合は、膝の前側やお皿まわりに痛みが出やすくなります。

さらに、しゃがむ動作は膝だけで完結する動きではありません。股関節が曲がり、足首が曲がり、体幹がバランスを取りながら重心を下げることで、自然なしゃがみ動作ができます。股関節が硬い、足首が硬い、足裏でうまく体重を支えられない状態では、不足した動きを膝が代わりに受け持つことになります。その結果、膝が内側に入ったり、膝だけが前に強く出たりして、痛みが出やすくなるのです。

つまり、しゃがむと膝が痛い状態は、単に「膝を曲げたから痛い」という単純なものではありません。膝の関節内の圧力、半月板や軟骨への負担、膝のお皿の動き、太ももの筋肉の硬さ、股関節や足首の動きが重なって、しゃがむ瞬間に痛みとして現れることが多いのです。

2. しゃがむと痛い膝で考えられる代表的な原因

しゃがむと膝が痛い原因として変形性膝関節症・半月板損傷・鵞足炎・膝蓋大腿関節の負担を解説した図解

しゃがむと膝が痛い原因は、痛む場所や痛み方によって変わります。

しゃがむと膝が痛い場合、原因は一つとは限りません。痛む場所、痛みの出方、年齢、運動歴、腫れや引っかかりの有無によって考えられる状態は変わります。ここでは、一般的に多くみられる代表的な原因を解説します。

 変形性膝関節症

中高年以降で、しゃがむと膝が痛い場合にまず考えられる原因の一つが変形性膝関節症です。変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減り、関節内に炎症が起こることで痛みや腫れ、動かしにくさが出る状態です。

初期の段階では、常に痛いわけではなく、立ち上がり、歩き始め、階段、しゃがむ動作など、膝に負担がかかる場面で痛みが出やすくなります。特にしゃがむ動作では、膝の内側や関節面に体重が集中しやすく、軟骨や半月板への圧迫が強くなります。そのため、普段の歩行では我慢できても、深くしゃがむと痛みを感じることがあります。

変形性膝関節症では、膝の内側に痛みが出ることが多く、進行すると膝が伸びにくい、曲げにくい、腫れる、水がたまる、O脚が目立つといった変化が出ることもあります。しゃがむと痛い状態が続く場合は、早い段階で膝への負担を見直すことが大切です。

半月板損傷・半月板変性

半月板は、膝関節の中でクッションの役割をしている組織です。太ももの骨とすねの骨の間にあり、体重を分散させたり、膝の安定性を保ったりしています。しゃがむ動作では膝が深く曲がるため、半月板が強く圧迫されます。

半月板に傷がある場合や、加齢によって半月板が変性している場合、しゃがんだときに膝の奥が痛い、曲げ伸ばしで引っかかる、膝の中で何かが挟まるような感じがすることがあります。特に、しゃがんだ状態から立ち上がるときにズキッとする場合や、膝をひねったあとから痛みが続いている場合は、半月板への負担が関係している可能性があります。

半月板の痛みは、単なる筋肉痛とは違い、膝の奥や関節の中に違和感を感じることがあります。膝が完全に伸びない、ロックしたように動かない、腫れが出る場合は、自己判断で無理に動かさず、整形外科で確認することが大切です。

鵞足炎

膝の内側が痛い場合に考えられる原因の一つが鵞足炎です。鵞足とは、縫工筋、薄筋、半腱様筋という筋肉が、すねの骨の内側に付着する部分のことです。この部分に繰り返し負担がかかると、炎症が起こり、膝の内側に痛みが出ます。

しゃがむ動作では、膝を曲げながら体重を支えるため、膝の内側に付着する筋肉や腱に引っ張りの負担がかかります。特に、しゃがむときに膝が内側へ入る癖がある人や、股関節の動きが硬い人、足首が硬い人は、鵞足部にストレスが集中しやすくなります。

鵞足炎では、膝関節の真ん中というより、膝の内側から少し下の部分に痛みが出ることが多いです。階段の上り下り、立ち上がり、しゃがむ動作で痛みが強くなることがあり、押すとピンポイントで痛みを感じる場合もあります。

 膝蓋大腿関節症候群

膝の前側やお皿まわりが痛い場合は、膝蓋大腿関節への負担が関係していることがあります。膝蓋大腿関節とは、膝のお皿である膝蓋骨と、太ももの骨である大腿骨の間の関節です。

しゃがむとき、膝のお皿は大腿骨の溝に沿って動きます。しかし、大腿四頭筋が硬い、筋力バランスが乱れている、股関節がうまく使えていない、膝が内側に入るといった状態があると、膝のお皿の動きがスムーズでなくなります。その結果、お皿の裏側や周囲に圧がかかり、しゃがむと膝の前側が痛むことがあります。

このタイプの痛みは、階段を下りるとき、椅子から立ち上がるとき、長時間座ったあとに動き出すときにも出やすい傾向があります。膝の前側の痛みは、膝だけでなく、太ももの筋肉や股関節の使い方まで関係していることが多いです。

 靭帯や関節内の炎症

急にしゃがんだときに強い痛みが出た場合や、膝をひねったあとから痛みが続いている場合は、靭帯や関節内の炎症が関係していることもあります。膝には前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯などがあり、膝の安定性を保っています。

靭帯に負担がかかると、膝の不安定感や痛みが出ることがあります。また、関節内に炎症が起きている場合は、腫れ、熱感、水がたまる、曲げ伸ばしがしにくいといった症状を伴うことがあります。

しゃがむと痛いだけでなく、歩くと強く痛い、体重をかけられない、膝が腫れている、熱っぽい、膝が抜けるような感じがある場合は、セルフケアよりも医療機関での確認が優先です。

3. 原因となる筋肉や関節

しゃがむ動作に関係する大腿四頭筋・ハムストリングス・股関節・足関節の連動を示した全身図解

しゃがむ動作は膝だけでなく、太もも・股関節・足首が連動して行われます。

しゃがむと膝が痛いときは、膝関節だけでなく、膝を支える筋肉や、膝と連動する股関節・足関節の状態を考える必要があります。しゃがむ動作は、太もも、股関節、足首が協調して働くことで成り立つため、どこか一つの動きが悪くなると膝に負担が集中しやすくなります。

大腿四頭筋

大腿四頭筋は、太ももの前側にある大きな筋肉です。膝を伸ばす働きを持ち、しゃがむときには体が急に落ちないようにブレーキの役割をします。特に、しゃがむ途中や立ち上がる瞬間には、大腿四頭筋が強く働きます。

この筋肉が硬くなると、膝のお皿が上から強く引っ張られ、お皿の動きが悪くなります。すると、膝蓋大腿関節に圧がかかり、膝の前側やお皿まわりの痛みにつながります。また、大腿四頭筋がうまく働かない場合は、膝を支える力が弱くなり、関節面や半月板に負担がかかりやすくなります。

ハムストリングス

ハムストリングスは、太ももの裏側にある筋肉です。膝を曲げる働きと、股関節を後ろに伸ばす働きを持っています。しゃがむ動作では、股関節を使ってお尻を後ろに引く動きに関係します。

ハムストリングスが硬いと、膝の曲げ伸ばしがスムーズに行いにくくなります。また、股関節の動きが制限されることで、しゃがむときに膝だけで動作を補いやすくなります。その結果、膝裏の突っ張り感や膝関節の奥の痛みにつながることがあります。

内転筋群と鵞足部

内転筋群は、太ももの内側にある筋肉です。股関節を内側に閉じる働きがあり、膝の内側の安定にも関係しています。また、鵞足部に関係する筋肉は、膝の内側へ付着しているため、しゃがむ動作で膝の内側に負担が集中すると痛みにつながることがあります。

内転筋群や鵞足部に関係する筋肉が硬くなると、膝が内側へ引っ張られやすくなります。しゃがむときに膝がつま先より内側へ入ると、膝の内側の関節面、半月板、鵞足部に負担がかかります。膝の内側が痛い人は、膝そのものだけでなく、太ももの内側や股関節の動きも確認する必要があります。

股関節

股関節は、しゃがむ動作において非常に重要な関節です。自然にしゃがむためには、膝だけでなく股関節も大きく曲がる必要があります。股関節が硬いと、お尻を後ろに引く動きがうまくできず、膝ばかりが前に出るしゃがみ方になりやすくなります。

股関節が十分に動かない状態では、膝関節に過剰な曲げ伸ばしやねじれが加わります。特に、股関節の外旋や屈曲が硬い人は、しゃがむときに膝が内側に入りやすくなります。これにより、膝の内側やお皿まわりに負担が増え、痛みが出やすくなります。

足関節

足関節、つまり足首の動きも、しゃがむときの膝の痛みに大きく関係します。しゃがむときには、すねが前に倒れ、足首が曲がる必要があります。この動きを足関節の背屈といいます。

足首が硬く背屈が出にくいと、重心を下げるときにかかとが浮いたり、膝が内側に入ったり、膝だけを深く曲げる動きになりやすくなります。すると膝の前側や内側に負担が集中します。膝の痛みがある人の中には、実は足首の硬さがしゃがみにくさを作っているケースもあります。

4. 痛む場所によって考えられる膝の状態

膝の前側・内側・外側・裏側の痛む場所別に考えられる原因を示した膝関節の医学図解

膝の前側・内側・外側・裏側など、痛む場所によって考えられる原因のヒントが変わります。

しゃがむときの膝の痛みは、痛む場所によって考えられる原因が変わります。痛みの場所は、原因を考えるうえで重要な手がかりになります。ただし、痛みの場所だけで正確に判断できるわけではないため、痛みの出る角度や腫れ、引っかかり、歩行時の痛みも合わせて確認することが大切です。

膝の前側が痛い場合

しゃがむと膝の前側が痛い場合は、膝のお皿まわりへの負担が関係していることがあります。膝を深く曲げると、膝のお皿が太ももの骨に押しつけられます。大腿四頭筋が硬い場合や、膝のお皿の動きが悪い場合は、この圧が強くなり、膝の前側に痛みが出やすくなります。

階段を下りるときや、椅子から立ち上がるときにも前側が痛い場合は、膝蓋大腿関節の負担が強くなっている可能性があります。膝の前側の痛みは、太ももの前側の硬さ、股関節の使い方、膝が内側へ入る動きとも関係します。

膝の内側が痛い場合

膝の内側が痛い場合は、変形性膝関節症、内側半月板への負担、鵞足炎などが考えられます。中高年以降では、膝の内側に体重がかかりやすくなり、内側の軟骨や半月板に負担が集中することがあります。

しゃがむときに膝が内側へ入る癖がある場合、膝の内側にはさらに負担がかかります。膝の内側から少し下を押すと痛い場合は、鵞足部の炎症が関係していることもあります。内側の痛みは放置すると、階段や歩行にも広がりやすいため注意が必要です。

膝の外側が痛い場合

膝の外側が痛い場合は、腸脛靭帯、外側半月板、股関節まわりの筋肉の影響が考えられます。しゃがむときに膝が内側へ崩れると、外側の組織が引っ張られるように働き、痛みにつながることがあります。

また、股関節の外側にある中殿筋などがうまく働かないと、膝の向きを安定させにくくなります。その結果、膝の外側へストレスがかかり、しゃがむ動作で痛みが出ることがあります。

膝の裏側が痛い場合

膝の裏側が痛い場合は、ハムストリングスやふくらはぎの硬さ、膝関節の腫れ、関節内の詰まり感が関係していることがあります。膝を深く曲げると、膝裏の組織が圧迫されるため、硬さや炎症があると痛みが出やすくなります。

膝裏が突っ張るだけでなく、腫れぼったい、曲げ切ると奥が痛い、膝が重い感じがする場合は、関節内に水がたまっている可能性もあります。膝裏の痛みが強い場合や腫れを伴う場合は、無理に曲げるセルフケアは避けた方が安全です。

5. しゃがむと膝が痛いときに注意したい動作と生活習慣

しゃがむと膝が痛いときに避けたい動作と、膝への負担を減らす生活動作を比較した図解

深くしゃがむ、正座、膝が内側に入る動作は、膝への負担を強めることがあります。

しゃがむと膝が痛いときは、痛みを我慢して動かし続けることが必ずしも良いとは限りません。特に炎症がある時期に深くしゃがむ動作を繰り返すと、関節内の負担が増え、痛みが長引くことがあります。一方で、痛いからといってまったく動かさない状態が続くと、筋力低下や関節のこわばりにつながることもあります。

膝に負担をかけやすい動作

膝に負担をかけやすい動作には、深くしゃがむ、正座をする、和式トイレを使う、床の物を取る、草取りをする、低い椅子から立ち上がるといった動作があります。これらの動作は、膝を深く曲げた状態で体重を支えるため、膝関節内の圧力が高くなります。

特に、膝が痛い状態で何度もしゃがんだり立ち上がったりすると、膝のお皿まわりや半月板、内側の関節面に負担が繰り返しかかります。痛みがある時期は、無理に深くしゃがまず、椅子や台に手を添える、片膝をつく、しゃがむ深さを浅くするなど、膝への負担を減らす工夫が必要です。

日常生活での注意点

日常生活では、膝の向きと体重のかけ方を意識することが大切です。しゃがむときに膝がつま先より内側へ入ると、膝の内側やお皿まわりに負担がかかります。膝とつま先の向きをそろえ、足裏全体で体重を支えることがポイントです。

また、痛みがあるときは階段の下りにも注意が必要です。階段を下りる動作では、膝を曲げながら体重を支えるため、しゃがむ動作と同じように膝への負担が大きくなります。痛みが強いときは手すりを使い、急いで下りないようにしましょう。

ただし、膝を守ろうとして動かなさすぎると、太ももの筋力が落ち、かえって膝を支えにくくなることがあります。痛みを悪化させる動作は避けながら、痛みのない範囲で膝、股関節、足首を動かすことが大切です。

6. 原因となる筋肉や関節のセルフケア

しゃがむと膝が痛いときのセルフケアとして太もも・膝蓋骨・股関節・足首・椅子スクワットの手順を示した図解

太もも、お皿、股関節、足首を順番に整え、痛みのない範囲で動作確認を行いましょう。

しゃがむと膝が痛いときのセルフケアは、いきなり深くしゃがむ練習をするのではなく、膝にかかる負担を減らす順序で行うことが大切です。膝そのものだけを動かすのではなく、太もも、膝のお皿、股関節、足首を順番に整えることで、しゃがむ動作で膝に集中していた負担を分散しやすくなります。

膝の状態確認

まず最初に行うべきことは、セルフケアをしてよい状態か確認することです。膝が腫れている、熱っぽい、ズキズキする、歩くだけで痛い、体重をかけるのがつらい場合は、無理にストレッチや運動を行わない方が安全です。

腫れや熱感がある場合、膝の中で炎症が起きている可能性があります。この状態で強く曲げたり伸ばしたりすると、かえって痛みが強くなることがあります。まずは痛みの出る動作を控え、必要に応じて整形外科で確認することが大切です。

大腿四頭筋をゆるめる

痛みが強くない場合は、太ももの前側にある大腿四頭筋をゆるめることから始めます。椅子に座るか、仰向けになり、膝を軽く伸ばした状態で太ももの前側に手を置きます。手のひらで太ももの中央、内側、外側をゆっくりさすり、筋肉を温めるように動かします。

次に、硬さを感じる部分を指や手のひらで軽く押さえます。強く押しすぎる必要はありません。痛気持ちいい程度の圧で、息を止めずにゆっくり呼吸を続けます。大腿四頭筋がゆるむと、膝のお皿への引っ張りが軽くなり、しゃがむときの前側の負担を減らしやすくなります。

膝蓋骨モビライゼーション

次に、膝のお皿である膝蓋骨の動きを確認します。膝を伸ばして力を抜いた状態で、膝のお皿を両手の指で軽く支えます。そのまま上下左右へやさしく動かします。

このとき、強く押し込んだり、痛みを我慢して動かしたりしないことが大切です。膝のお皿が少し動く程度で十分です。膝蓋骨の動きが硬いと、しゃがむときにお皿の裏側に圧がかかりやすくなります。やさしく動かすことで、お皿まわりの組織の滑りを促し、膝の曲げ伸ばしをスムーズにしやすくなります。

股関節の柔軟性を高める

膝の負担を減らすには、股関節の動きを整えることも重要です。仰向けに寝て、片方の膝を両手で抱え、胸の方向へゆっくり引き寄せます。このとき腰を強く丸めすぎず、股関節の奥がやさしく曲がる感覚を意識します。

次に、抱えた膝を少し外側へ開き、お尻や股関節の外側が伸びる位置で呼吸を続けます。股関節が動きやすくなると、しゃがむときに膝だけで深く曲げる必要が減り、股関節と膝で負担を分けやすくなります。

足首の動きを改善する

足首の硬さを改善することも、しゃがむ動作では大切です。壁の前に立ち、片足を前に出します。かかとを床につけたまま、膝をつま先と同じ方向へゆっくり前に倒します。このとき、かかとが浮かない範囲で行います。

足首が硬いと、しゃがむときに膝が内側へ入ったり、かかとが浮いたりしやすくなります。足首の動きが出ることで、膝、股関節、足首が連動しやすくなり、膝だけに負担が集中しにくくなります。

椅子スクワットで動きを確認する

最後に、椅子スクワットでしゃがむ動作を確認します。椅子の前に立ち、足を肩幅程度に開きます。つま先と膝の向きをそろえ、足裏全体で床を踏みます。

そこから、お尻を後ろへ軽く引きながら、椅子に座る直前までゆっくり下がります。いきなり深くしゃがむ必要はありません。膝が内側へ入らないように意識し、股関節も一緒に曲がっているかを確認します。

痛みが出る場合は、下がる深さを浅くします。痛みを我慢して回数を増やす必要はありません。目的は筋トレで追い込むことではなく、膝に負担を集中させない動きを覚えることです。無理なくできる範囲で、ゆっくり丁寧に行いましょう。

7. しゃがむと膝が痛い状態を放置しないために

しゃがむと膝が痛い状態を放置せず、太もも・膝のお皿・股関節・足首を見直す大切さを伝えるまとめ図解

しゃがむと膝が痛い状態は、膝に負担が集中しているサインかもしれません。

しゃがむと膝が痛い状態は、日常生活の中では見過ごされやすい症状です。歩けるから大丈夫、少し休めば落ち着くから大丈夫と思っているうちに、立ち上がり、階段、正座、長時間の歩行にも痛みが広がることがあります。

特に中高年以降では、変形性膝関節症の初期症状として、しゃがむ、立ち上がる、歩き始めるといった動作で痛みが出ることがあります。また、半月板や膝のお皿まわり、鵞足部への負担が続いている場合も、放置することで炎症が長引くことがあります。

大切なのは、痛みが出る動作をただ避けるだけでなく、なぜしゃがむと膝に負担がかかっているのかを考えることです。膝の軟骨や半月板、大腿四頭筋の硬さ、膝のお皿の動き、股関節や足首の可動域、体重のかけ方などが重なることで、しゃがむときの痛みは起こりやすくなります。

痛みが軽いうちは、深くしゃがむ動作を控えながら、太もも、股関節、足首の動きを整えることで、膝への負担を減らせる可能性があります。ただし、膝が腫れている、熱感がある、引っかかる、体重をかけると強く痛む、痛みが長く続く場合は、自己判断を続けず、整形外科で検査を受けることが大切です。

しゃがむと痛いという症状は、膝に負担が集中しているサインです。今の痛みをそのままにせず、膝関節、筋肉、股関節、足首の動きを見直すことで、日常生活での負担を減らしやすくなります。

執筆者

  • 慢性症状専門の整体師 河野貴彦
  • 柔道整復師免許証

慢性症状専門の整体師 河野貴彦

東京・神奈川・大分で7年間整骨院にて研修して、延べ23755人の施術実績。研修時代から慢性症状の改善に力を注ぎ、整形外科や整骨院に通っても症状の改善しない方の力になりたいという思いから大分駅前整体院を立ち上げる。

経歴
2012年3月 日体柔整専門学校 卒業
2012年4月 柔道整復師免許 取得
2018年4月 大分駅前整体院 開業