変形性膝関節症

変形性膝関節症, 膝痛

変形性膝関節症で膝が痛い時は歩いていい?痛いけど動ける方が知っておきたい注意点

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
変形性膝関節症で膝が痛い時は歩いていい?痛いけど動ける方が知っておきたい注意点

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「変形性膝関節症で膝が痛い時は歩いていい?痛いけど動ける方が知っておきたい注意点」という内容になります。

膝が痛い時に「歩いた方がいいのか」「休んだ方がいいのか」で迷う方は少なくありません。特に変形性膝関節症と言われたことがある方や、膝の内側が痛い、立ち上がりや階段で痛む、歩き始めに違和感があるという方は、動くことで悪化しないか不安になりやすいと思います。

結論から言うと、膝に水が溜まっている、熱感がある、強く腫れている、安静にしていてもズキズキ痛む場合は、無理に歩くべきではありません。このような状態では炎症が強く出ている可能性があるため、自己判断で運動量を増やすよりも、まずは医療機関で状態を確認することが大切です。

一方で、膝は痛いけれど日常生活はできる、少し動けば歩ける、痛いから良くなるまで完全に休もうと考えているという方の場合は、長く動かさないことがかえって膝まわりの筋力低下、関節のこわばり、血流低下につながることがあります。変形性膝関節症の痛みは、軟骨だけで決まるものではなく、膝にかかる負担の偏り、腰や骨盤の歪み、関節の硬さ、血流、筋肉の働きなどが重なって出ることが多いからです。

この記事では、変形性膝関節症を前提に、膝が痛い時に歩いていい状態と避けるべき状態をはっきり分けながら、40〜50代と60代以上で痛くなる仕組みの違い、セルフケアの意味と注意点について詳しく解説します。

1. 変形性膝関節症で膝が痛い時、歩いていい状態と歩かない方がいい状態

変形性膝関節症で膝に水や熱感、強い腫れがある時は休み、痛いけど動ける時は短時間から動くことを説明した図解

膝の痛みは、炎症が強い状態か、痛いけれど動ける状態かで対応が変わります。

変形性膝関節症で膝が痛い時にまず大切なのは、痛みの強さだけで判断しないことです。痛みがあるからすべて休む、反対に歩けるから無理に歩く、という考え方はどちらも膝に負担をかける可能性があります。

歩いてはいけない状態は、膝に水が溜まっている、膝が熱を持っている、明らかに腫れている、じっとしていても痛い、痛みで体重をかけられない状態です。このような時は、関節内で炎症が強く起きている可能性があり、無理に動かすことで痛みが長引くことがあります。特に膝がパンパンに張る、曲げ伸ばしが急にしづらくなる、熱っぽさがある場合は、ウォーキングや運動よりも先に状態の確認が必要です。

反対に、痛みはあるけれど歩ける、動き始めに痛いが少し動くと慣れてくる、日常生活は何とかできるという状態では、完全に動かさないよりも短い時間で体を動かすことが大切です。ただし、長時間歩く必要はありません。最初から30分、1時間と頑張るのではなく、5〜10分程度の短い時間でも、無理のない範囲で継続することが重要です。

変形性膝関節症では、痛みがあるから動かない期間が増えると、太ももの筋肉が落ち、関節が硬くなり、血流も悪くなります。その結果、さらに動き出しがつらくなり、膝への負担を避けるために体の使い方が崩れ、痛みが続きやすくなります。つまり、痛いけど動ける段階では、休み続けるよりも、膝に負担をかけすぎない範囲で動くことが回復の土台になります。

2. 40〜50代の変形性膝関節症は、体の歪みと使い方の問題から始まりやすい

40〜50代の膝痛が骨盤、股関節、足首、足裏の使い方や体の歪みと関係することを示した医療整体図解

骨盤・股関節・足首の使い方が乱れると、膝の一部に負担が集中しやすくなります。

40〜50代で膝に痛みが出る場合、画像検査で大きな変形が見つからないこともあります。それでも膝が痛むのは、膝関節そのものが完全に壊れているからではなく、日常の体の使い方によって膝の一部に負担が集中していることが関係している場合があります。

膝だけでなく、骨盤・股関節・足首の影響を受ける

膝は太ももの骨とすねの骨の間にある関節ですが、単独で動いているわけではありません。上には骨盤と股関節があり、下には足首と足裏があります。骨盤が傾いたり、股関節の動きが硬くなったり、足首の動きが悪くなったりすると、本来分散されるはずの負担が膝に集まりやすくなります。

例えば、股関節がうまく使えないと、立ち上がる時や階段で膝だけに頼る動きになりやすくなります。足首が硬いと、体重移動の時に膝がねじれやすくなります。骨盤が後ろに倒れやすい姿勢が続くと、太ももの前側や膝まわりの筋肉に余計な緊張が入り、膝の曲げ伸ばしがスムーズに行えなくなることがあります。

このように40〜50代の膝痛では、関節の年齢変化だけでなく、体の歪み、重心の偏り、股関節や足首の動きの悪さが膝への負担を増やすメカニズムを考えることが大切です。痛みが出ている場所は膝でも、痛みを作っている原因が膝だけとは限りません。

「まだ歩ける膝痛」ほど注意が必要

40〜50代では、まだ仕事や家事ができるため、膝の痛みを我慢しながら過ごしてしまう方が多くいます。しかし、痛みをかばった動きが続くと、膝を曲げる角度が浅くなり、太ももやお尻の筋肉が使われにくくなります。その結果、関節を支える力が落ち、さらに膝に負担がかかりやすくなります。

この段階で大切なのは、強い運動をすることではありません。まずは膝まわりの筋肉の緊張をゆるめ、股関節や足首も含めて動かしやすい状態を作ることです。40〜50代の膝痛は、痛みが軽いうちに体の使い方を整えることで、悪化を防ぎやすい段階とも言えます。

3. 60代以上の変形性膝関節症は、関節の硬さ・運動不足・血流低下が痛みを強めやすい

60代以上の変形性膝関節症で関節の硬さ、運動不足、血流低下が膝痛を強める仕組みを説明した図解

60代以上では、関節の硬さや筋力低下、血流低下によって膝の痛みが長引きやすくなります。

60代以上になると、40〜50代の頃から続いていた体の使い方の偏りに加えて、長年の負担の蓄積が膝に現れやすくなります。膝関節の曲げ伸ばしがしづらい、正座ができない、朝の動き出しが重い、長く座った後に立ち上がるのがつらいという症状は、関節の硬さや筋力低下、血流低下が関係していることがあります。

変形性膝関節症では、関節の軟骨のすり減りだけでなく、関節包や靭帯、筋肉の柔軟性低下も痛みに影響します。長く動かさない生活が続くと、膝の曲げ伸ばしの範囲が狭くなり、関節の中の滑らかな動きが失われやすくなります。さらに、筋肉の血流が落ちることで疲労物質が抜けにくくなり、膝まわりの重だるさやこわばりを感じやすくなります。

セルフケアが正しいフォームで行えないことも多い

60代以上の方が注意したいのは、一般的に紹介されているストレッチや体操を、そのまま正しいフォームで行えない場合があることです。背中が丸くなっていたり、股関節が硬くなっていたり、膝が十分に伸びなかったりすると、本来伸ばしたい筋肉に刺激が入らず、別の場所に負担がかかることがあります。

例えば、太ももの前側を伸ばすストレッチをしているつもりでも、腰を反らせてしまい腰に負担がかかることがあります。膝裏を伸ばす運動をしているつもりでも、背中が丸まりすぎて膝ではなく腰や首に力が入ることもあります。セルフケア自体は有効でも、関節が硬くなっている方ほど、正しいフォームで行えているかを確認することが重要です。

短時間でも継続することが血流改善につながる

60代以上の変形性膝関節症では、長時間の運動よりも、短い時間でも継続することが大切です。5〜10分程度でも、体を動かすことで筋肉のポンプ作用が働き、血流が促されます。血流が良くなると、膝まわりの筋肉のこわばりがやわらぎ、関節を動かしやすくなることがあります。

ただし、ここでも大前提として、膝に水が溜まっている、熱感がある、腫れが強い場合は無理に動かしてはいけません。あくまで、痛みはあるけれど動ける状態、痛いから良くなるまで完全に休もうと考えている状態の方に向けた考え方です。

4. 変形性膝関節症の痛みは1回で完全に良くなるものではない

変形性膝関節症の痛みが施術や運動で軽くなっても数日で戻りやすく、継続で安定する流れを示した図解

変形性膝関節症は、痛みが軽くなった後に良い状態を安定させることが大切です。

変形性膝関節症の痛みは、1回の施術や1回の運動で完全に解決するものではありません。もちろん、施術後に膝の曲げ伸ばしが軽くなったり、立ち上がりが楽になったり、痛みがかなり軽減する方もいます。しかし、その良い状態を長く維持できるかどうかは別の問題です。

膝の痛みは、長年の体の使い方、筋力低下、関節の硬さ、血流の悪さ、体重のかけ方、日常動作の癖などが重なって起こります。そのため、一時的に痛みが軽くなっても、普段の生活で同じ負担が繰り返されれば、数日程度で元の状態に戻りやすいことがあります。

初期は「良い状態を安定させる期間」が必要

施術や運動によって関節の動きや筋肉の緊張が改善しても、体はすぐに新しい使い方を覚えるわけではありません。初めの頃は、施術後に良くなった状態が数日程度続いても、仕事、家事、階段、立ち座りなどの日常動作によって再び膝に負担がかかり、痛みが戻ることがあります。

そのため、変形性膝関節症では、痛みが軽くなった時点で終わりではなく、良い状態を繰り返し作り、その状態を体に定着させていくことが大切です。痛みが軽くなったから急に運動量を増やすのではなく、関節の動き、筋肉の働き、血流、日常動作の負担を少しずつ整えていく必要があります。

特に、痛みが長く続いていた方ほど、膝をかばう動きが癖になっています。痛みが軽くなっても、体の使い方が変わっていなければ、また同じ場所に負担が集まりやすくなります。だからこそ、変形性膝関節症では、1回で良くするというよりも、継続して良い状態を安定させるという考え方が重要です。

5. 膝が痛い時に行いやすいセルフケア① 太ももの前側をゆるめるストレッチ

膝痛対策として横向きで太ももの前側の大腿四頭筋をやさしく伸ばすストレッチ方法を説明した画像

太ももの前側をゆるめることで、膝の曲げ伸ばしの負担を軽くしやすくなります。

変形性膝関節症では、太ももの前側の筋肉が硬くなり、膝のお皿まわりや膝関節に負担がかかりやすくなることがあります。太ももの前側は、立ち上がる、階段を上る、膝を伸ばすといった動きに関わるため、緊張が強くなると膝の曲げ伸ばしが重く感じやすくなります。

やり方は、横向きに寝た状態で上側の膝を軽く曲げ、足首を持ってかかとをお尻に近づけます。この時、腰を反らせて無理に引っ張るのではなく、太ももの前側が心地よく伸びる範囲で止めます。膝に強い痛みが出る場合や、足首を持つ姿勢がつらい場合は、タオルを足首にかけて行うと負担を減らせます。

このストレッチの意味は、太ももの前側の緊張をやわらげ、膝のお皿の動きや膝の曲げ伸ばしをスムーズにしやすくすることです。膝の痛みがある方は、太もも前側が常に力んでいることが多く、筋肉が硬いままだと膝関節の動きが制限されやすくなります。

注意点は、膝を無理に深く曲げないことです。変形性膝関節症が進んでいる方や60代以上の方では、膝そのものが硬くなっていることがあり、強く曲げると関節の奥に痛みが出る場合があります。伸ばしたいのは太ももの前側であり、膝を痛めつけることではありません。腰が反る、膝の内側が痛む、呼吸が止まるほどつらい場合は、角度を浅くして行うことが大切です。

6. 膝が痛い時に行いやすいセルフケア② 膝裏・ふくらはぎをゆるめるケア

椅子に座って膝裏からふくらはぎを伸ばし、膝の伸びやすさを保つセルフケア方法を説明した画像

膝裏とふくらはぎのこわばりをゆるめることで、膝の伸びやすさを保ちやすくなります。

膝が伸びにくい、立ち上がった時に膝が曲がったままになる、歩き始めに膝裏が突っ張るという方は、膝裏からふくらはぎにかけての筋肉が硬くなっていることがあります。膝裏やふくらはぎが硬くなると、膝を伸ばす動きが制限され、膝関節に余計な負担がかかりやすくなります。

やり方は、椅子に浅く座り、片足を前に伸ばします。かかとを床につけたまま、つま先を軽く上に向け、背中をできるだけ丸めすぎないようにしながら、体を少し前に倒します。膝裏からふくらはぎにかけて心地よい伸びを感じるところで止め、ゆっくり呼吸を続けます。強く伸ばそうとして反動をつける必要はありません。

このセルフケアの意味は、膝を伸ばすために必要な柔軟性を保ち、膝裏のこわばりをやわらげることです。膝が伸びきらない状態が続くと、立っている時も膝が軽く曲がった姿勢になり、太ももの筋肉に負担がかかり続けます。その結果、膝まわりの疲労感や痛みが出やすくなります。

注意点は、背中を丸めすぎて無理に伸ばさないことです。60代以上の方では、背骨が丸くなっていたり股関節が硬くなっていたりすることで、膝裏ではなく腰や首に負担がかかることがあります。伸ばしている場所が膝裏からふくらはぎに感じられるかを確認しながら行い、しびれや鋭い痛みが出る場合は中止してください。

7. 膝が痛い時に行いやすいセルフケア③ 太もも内側とお尻をゆるめるケア

膝の内側に負担がかかりやすい方へ内ももとお尻、股関節まわりを椅子で伸ばすセルフケアを説明した画像

内ももやお尻まわりをゆるめることで、膝の内側にかかる負担を減らしやすくなります。

変形性膝関節症では、膝の内側に痛みが出る方が多くいます。膝の内側に負担が集まりやすい背景には、太ももの内側の硬さや、お尻まわりの筋肉の働きにくさが関係していることがあります。膝だけを揉んでもすぐ戻る方は、膝を支える周辺の筋肉にも目を向けることが大切です。

太もも内側のケアは、椅子に座った状態で片足を少し横に開き、膝を軽く伸ばしながら、内ももが伸びる位置を探します。体を前に倒しすぎる必要はありません。内ももにじんわり伸びを感じる程度で、ゆっくり呼吸を続けます。内ももが硬いと、膝の向きや脚のねじれに影響し、膝の内側に負担がかかりやすくなることがあります。

お尻のケアは、椅子に座り、片方の足首を反対側の太ももの上に乗せます。そのまま背筋をできるだけ伸ばし、体を少し前に傾けます。お尻の外側から股関節まわりに伸びを感じれば十分です。無理に膝を押し下げたり、体を強く倒したりする必要はありません。

このセルフケアの意味は、膝への負担を膝だけで受け止めないように、股関節まわりの柔軟性を保つことです。股関節やお尻の筋肉が硬いと、立ち上がりや階段動作で膝が代わりに頑張りやすくなります。膝の痛みを軽くするためには、膝そのものだけでなく、太もも内側やお尻まわりの動きも整えることが大切です。

注意点は、股関節や膝に強い詰まり感が出るまで行わないことです。特に60代以上の方では、股関節や背骨の硬さによって正しい姿勢が取りにくい場合があります。フォームが崩れたまま行うと、伸ばしたい場所ではなく膝や腰に負担がかかることがあります。気持ちよく伸びる範囲で止めることが、セルフケアを続けるうえで最も大切です。

まとめ|膝が痛いけど動ける変形性膝関節症は、休みすぎず短時間から整えることが大切

変形性膝関節症で膝が痛い時は、まず状態を分けて考えることが大切です。膝に水が溜まっている、熱感がある、強く腫れている、安静時にも痛む場合は、無理に歩いたり運動したりせず、医療機関で状態を確認する必要があります。

一方で、膝は痛いけれど日常生活はできる、少しなら動ける、痛いから良くなるまで完全に休もうと考えている方は、動かさない期間が長くなることで筋力低下、関節の硬さ、血流低下が進み、かえって回復しにくくなることがあります。運動は長い時間行うことよりも、5〜10分でもよいので無理のない範囲で継続することが大切です。

40〜50代では、体の歪みや使い方の偏りによって膝に負担が集中していることが多く、60代以上では、その下地に加えて関節の硬さ、運動不足、血流低下が痛みを強めやすくなります。セルフケアは有効ですが、関節が硬くなっている方や背中が丸くなっている方では、正しいフォームで行えず、膝や腰に負担がかかることもあります。

大分駅前整体院では、変形性膝関節症の痛みを膝だけの問題として見るのではなく、骨盤・股関節・膝・足首まで含めた体全体のつながりから状態を確認します。1回の施術で痛みがかなり軽くなる方もいますが、その状態を長く維持できるかは別の問題です。初めのうちは良い状態が数日程度で戻りやすいこともあるため、継続して施術を行い、良い状態を安定させていくことが大切です。

膝が痛いけれどまだ動ける段階は、今より悪くなる前に見直す大切なタイミングです。自己判断で休み続けるのではなく、膝の状態に合わせて施術を受けながら、短い時間でも体を動かし、血流と関節の動きを保っていきましょう。

今回のような膝の問題でお困りの方は、一度当院へご相談ください!

変形性膝関節症, 膝痛

しゃがむと膝が痛む原因とは?悪化させないために重要なこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
しゃがむと膝が痛む原因とは?悪化させないために重要なこと

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。

今回は「しゃがむと膝が痛む原因とは?悪化させないために重要なこと」という内容になります。

膝の痛みの中でも、「しゃがむと痛い」「膝を深く曲げるとズキッとする」「正座や床の物を取る動作がつらい」という悩みは少なくありません。歩いているときは何とか大丈夫でも、しゃがむ動作になると膝の前側や内側、お皿まわり、膝の奥に痛みが出ることがあります。

しゃがむ動作は、日常生活の中でも膝に大きな負担がかかる動きです。膝を深く曲げることで、太ももの骨とすねの骨、膝のお皿、半月板、軟骨、靭帯、筋肉が同時に働きます。そのため、しゃがむと膝が痛い場合は、膝関節そのものだけでなく、太ももの筋肉の硬さ、股関節の動き、足首の硬さ、体重のかけ方などが関係していることがあります。

「年齢のせいだから仕方ない」「少し痛いだけだから大丈夫」と思って放置していると、しゃがむ動作だけでなく、立ち上がり、階段、歩き始め、正座、長時間の歩行にも影響が広がることがあります。今回は、膝の痛みでしゃがむと痛い原因について、一般的な医学的見解をもとに、膝の中で起きていること、原因となる筋肉や関節、セルフケアの方法までわかりやすく解説します。

1. しゃがむと膝が痛いとき、膝の中では何が起きているのか

しゃがむと膝に負担が集中し、膝蓋骨・半月板・関節軟骨に圧がかかる仕組みを解説した医学図解

膝を深く曲げると、膝のお皿・半月板・軟骨に圧がかかりやすくなります。

しゃがむと膝が痛くなる理由を考えるうえで大切なのは、しゃがむ動作では膝関節に強い圧縮力がかかるという点です。立っているだけの状態と比べて、膝を深く曲げるほど関節の中にかかる圧力は高まり、軟骨、半月板、膝のお皿まわりに負担が集中しやすくなります。

膝を曲げると、太ももの骨である大腿骨と、すねの骨である脛骨の間で関節面が動きます。この間には半月板があり、衝撃を吸収したり、関節の安定性を保ったりしています。しゃがむ姿勢では半月板が圧迫されやすく、すでに半月板に傷や変性がある場合は、膝の奥の痛みや引っかかり感につながることがあります。

また、しゃがむときには膝のお皿である膝蓋骨も大きく関係します。膝のお皿は、太ももの前側にある大腿四頭筋の力をすねの骨へ伝える役割を持っています。膝を深く曲げるほど、膝のお皿は太ももの骨に押しつけられやすくなります。そのため、大腿四頭筋が硬い場合や、膝のお皿の動きが悪い場合は、膝の前側やお皿まわりに痛みが出やすくなります。

さらに、しゃがむ動作は膝だけで完結する動きではありません。股関節が曲がり、足首が曲がり、体幹がバランスを取りながら重心を下げることで、自然なしゃがみ動作ができます。股関節が硬い、足首が硬い、足裏でうまく体重を支えられない状態では、不足した動きを膝が代わりに受け持つことになります。その結果、膝が内側に入ったり、膝だけが前に強く出たりして、痛みが出やすくなるのです。

つまり、しゃがむと膝が痛い状態は、単に「膝を曲げたから痛い」という単純なものではありません。膝の関節内の圧力、半月板や軟骨への負担、膝のお皿の動き、太ももの筋肉の硬さ、股関節や足首の動きが重なって、しゃがむ瞬間に痛みとして現れることが多いのです。

2. しゃがむと痛い膝で考えられる代表的な原因

しゃがむと膝が痛い原因として変形性膝関節症・半月板損傷・鵞足炎・膝蓋大腿関節の負担を解説した図解

しゃがむと膝が痛い原因は、痛む場所や痛み方によって変わります。

しゃがむと膝が痛い場合、原因は一つとは限りません。痛む場所、痛みの出方、年齢、運動歴、腫れや引っかかりの有無によって考えられる状態は変わります。ここでは、一般的に多くみられる代表的な原因を解説します。

 変形性膝関節症

中高年以降で、しゃがむと膝が痛い場合にまず考えられる原因の一つが変形性膝関節症です。変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減り、関節内に炎症が起こることで痛みや腫れ、動かしにくさが出る状態です。

初期の段階では、常に痛いわけではなく、立ち上がり、歩き始め、階段、しゃがむ動作など、膝に負担がかかる場面で痛みが出やすくなります。特にしゃがむ動作では、膝の内側や関節面に体重が集中しやすく、軟骨や半月板への圧迫が強くなります。そのため、普段の歩行では我慢できても、深くしゃがむと痛みを感じることがあります。

変形性膝関節症では、膝の内側に痛みが出ることが多く、進行すると膝が伸びにくい、曲げにくい、腫れる、水がたまる、O脚が目立つといった変化が出ることもあります。しゃがむと痛い状態が続く場合は、早い段階で膝への負担を見直すことが大切です。

半月板損傷・半月板変性

半月板は、膝関節の中でクッションの役割をしている組織です。太ももの骨とすねの骨の間にあり、体重を分散させたり、膝の安定性を保ったりしています。しゃがむ動作では膝が深く曲がるため、半月板が強く圧迫されます。

半月板に傷がある場合や、加齢によって半月板が変性している場合、しゃがんだときに膝の奥が痛い、曲げ伸ばしで引っかかる、膝の中で何かが挟まるような感じがすることがあります。特に、しゃがんだ状態から立ち上がるときにズキッとする場合や、膝をひねったあとから痛みが続いている場合は、半月板への負担が関係している可能性があります。

半月板の痛みは、単なる筋肉痛とは違い、膝の奥や関節の中に違和感を感じることがあります。膝が完全に伸びない、ロックしたように動かない、腫れが出る場合は、自己判断で無理に動かさず、整形外科で確認することが大切です。

鵞足炎

膝の内側が痛い場合に考えられる原因の一つが鵞足炎です。鵞足とは、縫工筋、薄筋、半腱様筋という筋肉が、すねの骨の内側に付着する部分のことです。この部分に繰り返し負担がかかると、炎症が起こり、膝の内側に痛みが出ます。

しゃがむ動作では、膝を曲げながら体重を支えるため、膝の内側に付着する筋肉や腱に引っ張りの負担がかかります。特に、しゃがむときに膝が内側へ入る癖がある人や、股関節の動きが硬い人、足首が硬い人は、鵞足部にストレスが集中しやすくなります。

鵞足炎では、膝関節の真ん中というより、膝の内側から少し下の部分に痛みが出ることが多いです。階段の上り下り、立ち上がり、しゃがむ動作で痛みが強くなることがあり、押すとピンポイントで痛みを感じる場合もあります。

 膝蓋大腿関節症候群

膝の前側やお皿まわりが痛い場合は、膝蓋大腿関節への負担が関係していることがあります。膝蓋大腿関節とは、膝のお皿である膝蓋骨と、太ももの骨である大腿骨の間の関節です。

しゃがむとき、膝のお皿は大腿骨の溝に沿って動きます。しかし、大腿四頭筋が硬い、筋力バランスが乱れている、股関節がうまく使えていない、膝が内側に入るといった状態があると、膝のお皿の動きがスムーズでなくなります。その結果、お皿の裏側や周囲に圧がかかり、しゃがむと膝の前側が痛むことがあります。

このタイプの痛みは、階段を下りるとき、椅子から立ち上がるとき、長時間座ったあとに動き出すときにも出やすい傾向があります。膝の前側の痛みは、膝だけでなく、太ももの筋肉や股関節の使い方まで関係していることが多いです。

 靭帯や関節内の炎症

急にしゃがんだときに強い痛みが出た場合や、膝をひねったあとから痛みが続いている場合は、靭帯や関節内の炎症が関係していることもあります。膝には前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯などがあり、膝の安定性を保っています。

靭帯に負担がかかると、膝の不安定感や痛みが出ることがあります。また、関節内に炎症が起きている場合は、腫れ、熱感、水がたまる、曲げ伸ばしがしにくいといった症状を伴うことがあります。

しゃがむと痛いだけでなく、歩くと強く痛い、体重をかけられない、膝が腫れている、熱っぽい、膝が抜けるような感じがある場合は、セルフケアよりも医療機関での確認が優先です。

3. 原因となる筋肉や関節

しゃがむ動作に関係する大腿四頭筋・ハムストリングス・股関節・足関節の連動を示した全身図解

しゃがむ動作は膝だけでなく、太もも・股関節・足首が連動して行われます。

しゃがむと膝が痛いときは、膝関節だけでなく、膝を支える筋肉や、膝と連動する股関節・足関節の状態を考える必要があります。しゃがむ動作は、太もも、股関節、足首が協調して働くことで成り立つため、どこか一つの動きが悪くなると膝に負担が集中しやすくなります。

大腿四頭筋

大腿四頭筋は、太ももの前側にある大きな筋肉です。膝を伸ばす働きを持ち、しゃがむときには体が急に落ちないようにブレーキの役割をします。特に、しゃがむ途中や立ち上がる瞬間には、大腿四頭筋が強く働きます。

この筋肉が硬くなると、膝のお皿が上から強く引っ張られ、お皿の動きが悪くなります。すると、膝蓋大腿関節に圧がかかり、膝の前側やお皿まわりの痛みにつながります。また、大腿四頭筋がうまく働かない場合は、膝を支える力が弱くなり、関節面や半月板に負担がかかりやすくなります。

ハムストリングス

ハムストリングスは、太ももの裏側にある筋肉です。膝を曲げる働きと、股関節を後ろに伸ばす働きを持っています。しゃがむ動作では、股関節を使ってお尻を後ろに引く動きに関係します。

ハムストリングスが硬いと、膝の曲げ伸ばしがスムーズに行いにくくなります。また、股関節の動きが制限されることで、しゃがむときに膝だけで動作を補いやすくなります。その結果、膝裏の突っ張り感や膝関節の奥の痛みにつながることがあります。

内転筋群と鵞足部

内転筋群は、太ももの内側にある筋肉です。股関節を内側に閉じる働きがあり、膝の内側の安定にも関係しています。また、鵞足部に関係する筋肉は、膝の内側へ付着しているため、しゃがむ動作で膝の内側に負担が集中すると痛みにつながることがあります。

内転筋群や鵞足部に関係する筋肉が硬くなると、膝が内側へ引っ張られやすくなります。しゃがむときに膝がつま先より内側へ入ると、膝の内側の関節面、半月板、鵞足部に負担がかかります。膝の内側が痛い人は、膝そのものだけでなく、太ももの内側や股関節の動きも確認する必要があります。

股関節

股関節は、しゃがむ動作において非常に重要な関節です。自然にしゃがむためには、膝だけでなく股関節も大きく曲がる必要があります。股関節が硬いと、お尻を後ろに引く動きがうまくできず、膝ばかりが前に出るしゃがみ方になりやすくなります。

股関節が十分に動かない状態では、膝関節に過剰な曲げ伸ばしやねじれが加わります。特に、股関節の外旋や屈曲が硬い人は、しゃがむときに膝が内側に入りやすくなります。これにより、膝の内側やお皿まわりに負担が増え、痛みが出やすくなります。

足関節

足関節、つまり足首の動きも、しゃがむときの膝の痛みに大きく関係します。しゃがむときには、すねが前に倒れ、足首が曲がる必要があります。この動きを足関節の背屈といいます。

足首が硬く背屈が出にくいと、重心を下げるときにかかとが浮いたり、膝が内側に入ったり、膝だけを深く曲げる動きになりやすくなります。すると膝の前側や内側に負担が集中します。膝の痛みがある人の中には、実は足首の硬さがしゃがみにくさを作っているケースもあります。

4. 痛む場所によって考えられる膝の状態

膝の前側・内側・外側・裏側の痛む場所別に考えられる原因を示した膝関節の医学図解

膝の前側・内側・外側・裏側など、痛む場所によって考えられる原因のヒントが変わります。

しゃがむときの膝の痛みは、痛む場所によって考えられる原因が変わります。痛みの場所は、原因を考えるうえで重要な手がかりになります。ただし、痛みの場所だけで正確に判断できるわけではないため、痛みの出る角度や腫れ、引っかかり、歩行時の痛みも合わせて確認することが大切です。

膝の前側が痛い場合

しゃがむと膝の前側が痛い場合は、膝のお皿まわりへの負担が関係していることがあります。膝を深く曲げると、膝のお皿が太ももの骨に押しつけられます。大腿四頭筋が硬い場合や、膝のお皿の動きが悪い場合は、この圧が強くなり、膝の前側に痛みが出やすくなります。

階段を下りるときや、椅子から立ち上がるときにも前側が痛い場合は、膝蓋大腿関節の負担が強くなっている可能性があります。膝の前側の痛みは、太ももの前側の硬さ、股関節の使い方、膝が内側へ入る動きとも関係します。

膝の内側が痛い場合

膝の内側が痛い場合は、変形性膝関節症、内側半月板への負担、鵞足炎などが考えられます。中高年以降では、膝の内側に体重がかかりやすくなり、内側の軟骨や半月板に負担が集中することがあります。

しゃがむときに膝が内側へ入る癖がある場合、膝の内側にはさらに負担がかかります。膝の内側から少し下を押すと痛い場合は、鵞足部の炎症が関係していることもあります。内側の痛みは放置すると、階段や歩行にも広がりやすいため注意が必要です。

膝の外側が痛い場合

膝の外側が痛い場合は、腸脛靭帯、外側半月板、股関節まわりの筋肉の影響が考えられます。しゃがむときに膝が内側へ崩れると、外側の組織が引っ張られるように働き、痛みにつながることがあります。

また、股関節の外側にある中殿筋などがうまく働かないと、膝の向きを安定させにくくなります。その結果、膝の外側へストレスがかかり、しゃがむ動作で痛みが出ることがあります。

膝の裏側が痛い場合

膝の裏側が痛い場合は、ハムストリングスやふくらはぎの硬さ、膝関節の腫れ、関節内の詰まり感が関係していることがあります。膝を深く曲げると、膝裏の組織が圧迫されるため、硬さや炎症があると痛みが出やすくなります。

膝裏が突っ張るだけでなく、腫れぼったい、曲げ切ると奥が痛い、膝が重い感じがする場合は、関節内に水がたまっている可能性もあります。膝裏の痛みが強い場合や腫れを伴う場合は、無理に曲げるセルフケアは避けた方が安全です。

5. しゃがむと膝が痛いときに注意したい動作と生活習慣

しゃがむと膝が痛いときに避けたい動作と、膝への負担を減らす生活動作を比較した図解

深くしゃがむ、正座、膝が内側に入る動作は、膝への負担を強めることがあります。

しゃがむと膝が痛いときは、痛みを我慢して動かし続けることが必ずしも良いとは限りません。特に炎症がある時期に深くしゃがむ動作を繰り返すと、関節内の負担が増え、痛みが長引くことがあります。一方で、痛いからといってまったく動かさない状態が続くと、筋力低下や関節のこわばりにつながることもあります。

膝に負担をかけやすい動作

膝に負担をかけやすい動作には、深くしゃがむ、正座をする、和式トイレを使う、床の物を取る、草取りをする、低い椅子から立ち上がるといった動作があります。これらの動作は、膝を深く曲げた状態で体重を支えるため、膝関節内の圧力が高くなります。

特に、膝が痛い状態で何度もしゃがんだり立ち上がったりすると、膝のお皿まわりや半月板、内側の関節面に負担が繰り返しかかります。痛みがある時期は、無理に深くしゃがまず、椅子や台に手を添える、片膝をつく、しゃがむ深さを浅くするなど、膝への負担を減らす工夫が必要です。

日常生活での注意点

日常生活では、膝の向きと体重のかけ方を意識することが大切です。しゃがむときに膝がつま先より内側へ入ると、膝の内側やお皿まわりに負担がかかります。膝とつま先の向きをそろえ、足裏全体で体重を支えることがポイントです。

また、痛みがあるときは階段の下りにも注意が必要です。階段を下りる動作では、膝を曲げながら体重を支えるため、しゃがむ動作と同じように膝への負担が大きくなります。痛みが強いときは手すりを使い、急いで下りないようにしましょう。

ただし、膝を守ろうとして動かなさすぎると、太ももの筋力が落ち、かえって膝を支えにくくなることがあります。痛みを悪化させる動作は避けながら、痛みのない範囲で膝、股関節、足首を動かすことが大切です。

6. 原因となる筋肉や関節のセルフケア

しゃがむと膝が痛いときのセルフケアとして太もも・膝蓋骨・股関節・足首・椅子スクワットの手順を示した図解

太もも、お皿、股関節、足首を順番に整え、痛みのない範囲で動作確認を行いましょう。

しゃがむと膝が痛いときのセルフケアは、いきなり深くしゃがむ練習をするのではなく、膝にかかる負担を減らす順序で行うことが大切です。膝そのものだけを動かすのではなく、太もも、膝のお皿、股関節、足首を順番に整えることで、しゃがむ動作で膝に集中していた負担を分散しやすくなります。

膝の状態確認

まず最初に行うべきことは、セルフケアをしてよい状態か確認することです。膝が腫れている、熱っぽい、ズキズキする、歩くだけで痛い、体重をかけるのがつらい場合は、無理にストレッチや運動を行わない方が安全です。

腫れや熱感がある場合、膝の中で炎症が起きている可能性があります。この状態で強く曲げたり伸ばしたりすると、かえって痛みが強くなることがあります。まずは痛みの出る動作を控え、必要に応じて整形外科で確認することが大切です。

大腿四頭筋をゆるめる

痛みが強くない場合は、太ももの前側にある大腿四頭筋をゆるめることから始めます。椅子に座るか、仰向けになり、膝を軽く伸ばした状態で太ももの前側に手を置きます。手のひらで太ももの中央、内側、外側をゆっくりさすり、筋肉を温めるように動かします。

次に、硬さを感じる部分を指や手のひらで軽く押さえます。強く押しすぎる必要はありません。痛気持ちいい程度の圧で、息を止めずにゆっくり呼吸を続けます。大腿四頭筋がゆるむと、膝のお皿への引っ張りが軽くなり、しゃがむときの前側の負担を減らしやすくなります。

膝蓋骨モビライゼーション

次に、膝のお皿である膝蓋骨の動きを確認します。膝を伸ばして力を抜いた状態で、膝のお皿を両手の指で軽く支えます。そのまま上下左右へやさしく動かします。

このとき、強く押し込んだり、痛みを我慢して動かしたりしないことが大切です。膝のお皿が少し動く程度で十分です。膝蓋骨の動きが硬いと、しゃがむときにお皿の裏側に圧がかかりやすくなります。やさしく動かすことで、お皿まわりの組織の滑りを促し、膝の曲げ伸ばしをスムーズにしやすくなります。

股関節の柔軟性を高める

膝の負担を減らすには、股関節の動きを整えることも重要です。仰向けに寝て、片方の膝を両手で抱え、胸の方向へゆっくり引き寄せます。このとき腰を強く丸めすぎず、股関節の奥がやさしく曲がる感覚を意識します。

次に、抱えた膝を少し外側へ開き、お尻や股関節の外側が伸びる位置で呼吸を続けます。股関節が動きやすくなると、しゃがむときに膝だけで深く曲げる必要が減り、股関節と膝で負担を分けやすくなります。

足首の動きを改善する

足首の硬さを改善することも、しゃがむ動作では大切です。壁の前に立ち、片足を前に出します。かかとを床につけたまま、膝をつま先と同じ方向へゆっくり前に倒します。このとき、かかとが浮かない範囲で行います。

足首が硬いと、しゃがむときに膝が内側へ入ったり、かかとが浮いたりしやすくなります。足首の動きが出ることで、膝、股関節、足首が連動しやすくなり、膝だけに負担が集中しにくくなります。

椅子スクワットで動きを確認する

最後に、椅子スクワットでしゃがむ動作を確認します。椅子の前に立ち、足を肩幅程度に開きます。つま先と膝の向きをそろえ、足裏全体で床を踏みます。

そこから、お尻を後ろへ軽く引きながら、椅子に座る直前までゆっくり下がります。いきなり深くしゃがむ必要はありません。膝が内側へ入らないように意識し、股関節も一緒に曲がっているかを確認します。

痛みが出る場合は、下がる深さを浅くします。痛みを我慢して回数を増やす必要はありません。目的は筋トレで追い込むことではなく、膝に負担を集中させない動きを覚えることです。無理なくできる範囲で、ゆっくり丁寧に行いましょう。

7. しゃがむと膝が痛い状態を放置しないために

しゃがむと膝が痛い状態を放置せず、太もも・膝のお皿・股関節・足首を見直す大切さを伝えるまとめ図解

しゃがむと膝が痛い状態は、膝に負担が集中しているサインかもしれません。

しゃがむと膝が痛い状態は、日常生活の中では見過ごされやすい症状です。歩けるから大丈夫、少し休めば落ち着くから大丈夫と思っているうちに、立ち上がり、階段、正座、長時間の歩行にも痛みが広がることがあります。

特に中高年以降では、変形性膝関節症の初期症状として、しゃがむ、立ち上がる、歩き始めるといった動作で痛みが出ることがあります。また、半月板や膝のお皿まわり、鵞足部への負担が続いている場合も、放置することで炎症が長引くことがあります。

大切なのは、痛みが出る動作をただ避けるだけでなく、なぜしゃがむと膝に負担がかかっているのかを考えることです。膝の軟骨や半月板、大腿四頭筋の硬さ、膝のお皿の動き、股関節や足首の可動域、体重のかけ方などが重なることで、しゃがむときの痛みは起こりやすくなります。

痛みが軽いうちは、深くしゃがむ動作を控えながら、太もも、股関節、足首の動きを整えることで、膝への負担を減らせる可能性があります。ただし、膝が腫れている、熱感がある、引っかかる、体重をかけると強く痛む、痛みが長く続く場合は、自己判断を続けず、整形外科で検査を受けることが大切です。

しゃがむと痛いという症状は、膝に負担が集中しているサインです。今の痛みをそのままにせず、膝関節、筋肉、股関節、足首の動きを見直すことで、日常生活での負担を減らしやすくなります。

変形性膝関節症, 膝痛

変形性膝関節症の初期症状とは?膝の痛みの原因と対策を解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
変形性膝関節症の初期症状とは?膝の痛みの原因と対策を解説

「最近、立ち上がる時に膝が痛い」「歩き始めだけ膝がこわばる」「階段を下りる時に膝の内側が気になる」。このような症状がある場合、変形性膝関節症の初期症状が関係しているかもしれません。

変形性膝関節症は、膝の関節軟骨が少しずつすり減り、関節の中に炎症が起きたり、膝の動きが悪くなったりすることで痛みや違和感が出てくる状態です。初期の段階では、常に強い痛みがあるわけではなく、動き始めだけ違和感が出て、しばらく歩くと楽になることも少なくありません。そのため「年齢のせい」「少し休めば大丈夫」と見過ごされやすいのが特徴です。

しかし、初期症状の段階で膝への負担のかかり方を見直しておくことは、今後の歩きやすさや階段動作を守るうえでとても大切です。この記事では、変形性膝関節症 初期症状で検索している方に向けて、一般的な医学見解をもとに、症状の特徴、進行の仕組み、注意すべきサイン、セルフケア、ストレッチ、そして当院で大切にしている体全体からの見直し方について解説します。

1. 変形性膝関節症の初期症状は「動き始め」に出やすい

変形性膝関節症の初期症状である立ち上がりや歩き始めの膝の違和感を解説した図解画像

立ち上がりや歩き始めだけ膝に違和感が出る場合、膝からの早めのサインかもしれません。

変形性膝関節症の初期症状で特に多いのが、椅子から立ち上がる時、朝起きて歩き始める時、しばらく座った後に動き出す時の膝の痛みやこわばりです。最初から激しい痛みが出るというより、「膝が重い」「動かしにくい」「数歩だけ痛い」「膝の内側に違和感がある」といった、はっきりしない不調として始まることが多くあります。

これは、膝関節の中でクッションの役割をしている関節軟骨が少しずつ変化し、関節の滑りが悪くなったり、周囲の筋肉や靭帯に負担がかかりやすくなったりするためです。動き始めは関節液の循環もまだ十分ではなく、膝まわりの筋肉も硬くなっているため、最初の一歩で痛みや違和感を感じやすくなります。

ただし、初期の段階では少し動くと関節が温まり、筋肉も働き始めるため、痛みが一時的に軽くなることがあります。この「動けば楽になる」という特徴があるために、変形性膝関節症の初期症状は見逃されやすくなります。痛みが強くないから大丈夫ではなく、動き始めに繰り返し違和感が出ること自体が、膝からの早めのサインと考えることが大切です。

2. 膝の内側の痛み・階段の下り・正座のつらさは注意したいサイン

膝の内側の痛みや階段の下り、正座のつらさが変形性膝関節症の初期症状として出やすいことを示す画像

階段の下りや正座で膝の内側がつらい場合、内側関節裂隙に負担が集まっている可能性があります。

変形性膝関節症では、膝の内側に痛みや違和感が出ることが多くあります。特に日本人ではO脚傾向の方が多く、体重が膝の内側に集まりやすいため、内側の関節軟骨や半月板、周囲の組織に負担がかかりやすいと考えられています。

初期の段階では、平地を歩く時よりも、階段を下りる時、坂道を下る時、しゃがむ時、正座をしようとする時に症状を感じやすくなります。階段の下りでは、片足で体重を支えながら膝を曲げてブレーキをかける必要があるため、膝関節には大きな負担がかかります。特に太ももの前の筋肉が硬くなっていたり、股関節がうまく使えていなかったりすると、膝だけで体を支えるようになり、痛みが出やすくなります。

また、正座や深くしゃがむ動作では膝を大きく曲げるため、関節内の圧力が高まりやすくなります。以前は普通にできていた正座がしづらい、しゃがむと膝が突っ張る、階段を下りる時だけ膝の内側が痛いという場合は、まだ軽い段階でも膝に負担が蓄積している可能性があります。「歩けるから問題ない」と判断せず、日常動作の中で出る小さな変化に気づくことが大切です。

3. 初期症状を放置すると、膝の腫れ・水がたまる・歩行距離の低下につながることがある

変形性膝関節症の初期症状を放置すると腫れや水がたまること、歩行距離が短くなるリスクを示す画像

膝の腫れ・水・こわばりは、膝への負担が続いているサインとして現れることがあります。

変形性膝関節症は、急に末期まで進むものではなく、多くの場合は違和感や軽い痛みを繰り返しながら少しずつ進行します。初期では動き始めだけだった痛みが、進行すると歩いている途中にも出るようになり、さらに階段、正座、しゃがみ込み、長時間の買い物などがつらくなっていきます。

膝の関節内で炎症が強くなると、膝が腫れたり、熱っぽくなったり、水がたまったりすることがあります。これは、膝の中で負担や炎症が続いているサインです。また、膝が完全に伸びにくい、曲げにくい、歩く時に膝がガクッとする、膝の形がO脚方向に変わってきたと感じる場合は、初期よりも進行した状態が考えられます。

特に注意したいのは、痛みそのものだけでなく、歩く距離が短くなることです。膝が不安になると外出を控えるようになり、歩く量が減ります。歩く量が減ると太ももやお尻の筋力が落ち、さらに膝を支えにくくなります。その結果、膝への負担が増え、痛みが出やすくなるという悪循環につながります。変形性膝関節症の初期症状に気づいた段階で、膝だけでなく歩き方や体の使い方を見直すことが、将来の歩行を守るために重要です。

4. 変形性膝関節症は「軟骨のすり減り」だけでなく、筋力低下・体重・姿勢・歩き方も関係する

変形性膝関節症は膝の軟骨だけでなく骨盤、股関節、足首、足裏の使い方も関係することを示す画像

膝の痛みは、骨盤・股関節・足首・足裏の動きや体重のかかり方とも関係します。

変形性膝関節症というと、「軟骨がすり減った状態」と考えられがちです。確かに関節軟骨の変化は大きな要素ですが、実際にはそれだけで症状が決まるわけではありません。膝にどのように体重がかかっているか、太ももやお尻の筋肉がどれくらい働いているか、骨盤や股関節、足首の動きがどうなっているかも、膝の痛みに深く関係します。

膝は、股関節と足首の間にある関節です。そのため、股関節が硬くて体重をうまく受け止められない場合や、足首の動きが悪くて着地の衝撃を逃がせない場合、その負担は膝に集まりやすくなります。また、骨盤が後ろに倒れた姿勢や、歩く時に膝が内側へ入る癖があると、膝の内側や前側に負担がかかりやすくなります。

さらに、体重の増加も膝への負担を大きくします。歩く、階段を下りる、立ち上がるといった日常動作では、膝には体重以上の負荷がかかります。そのため、体重管理や筋力維持は、膝を守るうえで重要な要素です。ただし、無理な運動や急な筋トレは逆に膝を痛めることがあります。変形性膝関節症の初期症状では、膝だけを見るのではなく、体重のかかり方・筋力・姿勢・歩き方を総合的に見直すことが大切です。

5. 病院で行われる検査と、早めに受診した方がよい症状

変形性膝関節症で行われるレントゲンやMRI検査、腫れや熱感など早めに受診した方がよいサインを示す画像

腫れ・熱感・急な痛みがある場合は、自己判断せず膝の状態を確認することが大切です。

変形性膝関節症が疑われる場合、病院では問診、視診、触診、膝の動く範囲の確認、O脚の有無、腫れや熱感の有無などを確認し、必要に応じてレントゲン検査が行われます。レントゲンでは、膝の関節のすき間が狭くなっていないか、骨の変形や骨棘と呼ばれる骨の出っ張りがないかなどを確認します。必要に応じて、半月板や靭帯、軟骨の状態を詳しく見るためにMRI検査が検討されることもあります。

ただし、初期の段階では画像上の変化が軽く、「年齢相応」「まだ大きな異常はない」と言われることもあります。その場合でも、痛みや違和感が繰り返し出ているなら、膝に負担が集まる体の使い方が隠れている可能性があります。画像で大きな異常がないことと、膝に負担がかかっていないことは同じではありません。

一方で、早めに医療機関へ相談した方がよいサインもあります。膝が強く腫れて熱を持っている、急に歩けないほど痛くなった、膝がロックして動かない、膝崩れが頻繁に起こる、夜間も強く痛む、転倒やケガの後から痛みが続く場合は、自己判断せず検査を受けることが大切です。軽い違和感の段階では体の使い方の見直しを、強い炎症や急な悪化がある場合は医療機関での確認を優先するという判断が必要です。

6. 初期症状のうちに見直したいセルフケアとストレッチ

変形性膝関節症の初期症状に対して取り入れたい膝伸ばし運動、太もも裏、ふくらはぎ、太もも前、お尻まわりのストレッチを示す画像

膝だけでなく、太もも・ふくらはぎ・股関節をやさしく動かすことが大切です。

変形性膝関節症の初期症状がある場合、完全に安静にしすぎるよりも、膝に過剰な負担をかけない範囲で動かすことが大切です。膝は動かさない期間が長くなると、関節の動きが悪くなり、太ももやお尻の筋力も低下しやすくなります。その結果、かえって膝を支える力が弱くなり、痛みが出やすくなることがあります。

まず意識したいのは、太ももの前にある大腿四頭筋をやさしく働かせることです。膝を伸ばした状態で太ももに軽く力を入れる運動や、椅子に座ったまま膝をゆっくり伸ばす運動は、膝への負担を抑えながら筋肉を使いやすい方法です。また、お尻の筋肉も膝を守るうえで重要です。お尻の筋肉がうまく働くと、歩く時に股関節で体を支えやすくなり、膝だけに負担が集中しにくくなります。

ストレッチでは、太ももの前、太ももの裏、ふくらはぎ、股関節まわりを無理のない範囲で伸ばすことが大切です。特に膝裏やふくらはぎが硬いと、膝が伸びきりにくくなり、歩く時に膝へ余計な負担がかかります。タオルを足先にかけて、膝を伸ばしたままふくらはぎから太もも裏を心地よく伸ばす方法は、自宅でも取り入れやすいストレッチです。ただし、痛みを我慢して強く伸ばす必要はありません。ストレッチは「痛いほど効く」のではなく、膝が安心して動ける範囲を広げるために行うものです。

また、日常生活では正座や深いしゃがみ込みを長時間続けない、椅子中心の生活に変える、冷えで膝まわりがこわばる場合は温める、長時間歩く時は途中で休憩を入れるなどの工夫も役立ちます。初期症状のうちは、無理に鍛えるよりも、膝に負担が集中しない体の使い方を身につけることが大切です。

7. 大分駅前整体院では、膝だけでなく骨盤・股関節・足首から見直します

変形性膝関節症の初期症状を膝だけでなく骨盤、股関節、足首、足裏から見直す大分駅前整体院のまとめ画像

膝の違和感は、今より悪くなる前に骨盤・股関節・足首から体全体を見直すサインです。

変形性膝関節症の初期症状がある方の多くは、「膝が悪いから膝だけをケアすればいい」と考えがちです。しかし、実際の体の動きでは、膝は単独で働いているわけではありません。立ち上がる時、歩く時、階段を下りる時には、骨盤、股関節、膝、足首、足裏が連動して体を支えています。そのため、膝の痛みが出ている場所だけを見ても、なぜ膝に負担が集まっているのかまでは分からないことがあります。

大分駅前整体院では、膝の痛みだけでなく、骨盤の傾き、股関節の動き、足首の硬さ、足裏の接地、歩き方の癖を確認しながら、膝に負担が集まりやすい原因を見ていきます。たとえば、股関節が硬くて体重を受け止められない方は、階段や歩行で膝に負担が集中しやすくなります。足首が硬い方は、着地の衝撃をうまく逃がせず、膝の内側に負担がかかりやすくなります。骨盤が後ろに倒れている方は、太ももの前ばかり使いやすくなり、膝の前側や内側に違和感が出やすくなることがあります。

変形性膝関節症は、進行してから慌てて対処するよりも、初期症状の段階で体の使い方を見直すことが大切です。「まだ手術を考えるほどではない」「病院では様子を見ましょうと言われた」「でも立ち上がりや階段で膝が気になる」。そのような方こそ、今のうちに膝へ負担が集まる原因を確認しておくことが大切です。

膝の違和感は、今より悪くなる前に体を見直すサインです。

大分駅前整体院では、立つ・歩く・階段がつらい方の腰・股関節・膝の痛みを、体全体のつながりから丁寧に確認しています。変形性膝関節症の初期症状が気になる方は、膝だけで判断せず、早めに体全体のバランスを見直していきましょう。

変形性膝関節症, 膝痛

変形性膝関節症と言われたけど、まだ手術が必要ではない方へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
変形性膝関節症と言われたけど、まだ手術が必要ではない方へ

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。

「変形性膝関節症と言われたけど、まだ手術するほどではないと言われた」「湿布や注射で様子を見ているけど、このままで大丈夫なのか不安」「階段や立ち上がりで膝が痛く、将来歩けなくならないか心配」このような不安を感じている方は少なくありません。

今回は「変形性膝関節症を言われたけど、まだ手術が必要ではない方へ」という内容になります。

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ったり、関節の形に変化が出たりすることで、膝の痛み・こわばり・腫れ・動きにくさが出る状態です。一般的な医学的見解では、症状が軽い場合には痛み止めや外用薬、ヒアルロン酸注射、大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練、装具療法などの保存療法が行われ、それでも改善が難しい場合に手術療法が検討されます。

つまり、「まだ手術が必要ではない」と言われた段階は、何もしなくていい時期ではありません。むしろ、膝の痛みが強くなり、歩く・立つ・階段を上るといった日常動作がさらに難しくなる前に、膝へ負担が集中している原因を見直す大切な時期だと当院では考えています。

1. 変形性膝関節症は「年齢だけ」が原因ではありません

変形性膝関節症は年齢だけでなく、膝関節の転がり・滑り・回旋の乱れや体の使い方が関係することを示した図解

膝の痛みは、年齢だけでなく膝に負担が集中する動きの積み重ねも関係します。

変形性膝関節症というと、「年齢のせい」「軟骨がすり減ったから仕方ない」と考えがちです。もちろん、加齢による関節の変化は関係します。しかし、同じ年代でも膝の痛みが強い人と、そうでない人がいます。ここで大切なのは、膝の関節にどのような力がかかり続けているのかという視点です。

膝関節は、大腿骨、脛骨、膝蓋骨という骨が関係して動いています。膝を曲げ伸ばしする時には、単純に骨が蝶番のように動いているだけではなく、大腿骨と脛骨の間で転がる動き、滑る動き、わずかな回旋の動きが起こっています。この関節内の細かな動きがスムーズに行われることで、体重を支えながら歩いたり、階段を上ったり、椅子から立ち上がったりすることができます。

当院では、膝そのものの状態だけでなく、この膝関節の動きがなぜ乱れているのかを体全体から確認します。

たとえば、股関節が硬くなって骨盤がうまく動かない人、足首の動きが悪く地面からの衝撃を吸収できない人、歩く時に膝が内側へ入りやすい人は、膝の関節内で本来スムーズに起こるはずの転がりや滑りの動きが乱れやすくなります。その結果、膝の内側や膝のお皿まわりに圧が集中し、痛みにつながることがあります。

2. 「まだ手術ではない」と言われた時期こそ大切です

変形性膝関節症でまだ手術が必要ではない段階に、保存療法と体全体のバランスを整える重要性を示した図解

まだ手術が必要ではない時期は、膝だけでなく体全体の使い方を整える大切なタイミングです。

病院で「まだ手術するほどではない」と言われると、少し安心する一方で、「では何をすればいいのか」と迷う方も多いと思います。医学的には、変形性膝関節症の治療では、痛みの軽減や日常生活機能の改善を目的に、運動療法・薬物療法・注射・装具・生活指導などの保存療法が行われます。2023年発行の変形性膝関節症診療ガイドラインでも、保存療法に関する内容が整理されています。

当院の考え方としては、この段階で重要なのは、「膝が痛いから膝だけを守る」のではなく、「なぜ膝関節に負担が集中しているのか」を見直すことです。痛みがある人は、無意識に痛い側へ体重を乗せないようにしたり、膝を曲げる動作を避けたり、歩幅を小さくしたりします。一時的には楽に感じても、その動きが続くと股関節や足首の動きまで小さくなり、結果として膝関節の動きはさらに硬くなりやすくなります。

膝は単独で働く関節ではありません。股関節が曲がることで骨盤が前後に動き、足首がしなやかに動くことで脛骨が前方へ傾き、膝関節の曲げ伸ばしが自然に行われます。この連動が崩れると、膝だけで体を支えるような動きになり、骨同士の圧迫や関節内のねじれが強くなります。

だからこそ、まだ手術が必要ではない今の段階で、膝だけでなく股関節・足首・骨盤の動きまで整えることが大切です。

3. 膝の痛みは「膝だけの問題」とは限りません

膝の痛みが股関節・足首・骨盤の動きと関係し、歩行時の関節連動が膝への負担を左右することを示した図解

歩く時の股関節・膝・足首の連動が乱れると、膝に負担が集中しやすくなります。

膝は、体重を支えながら曲げ伸ばしをする関節です。特に立ち上がる時、階段を上る時、坂道を歩く時には、膝に大きな負担がかかります。しかし、その負担を膝だけで受け止めているわけではありません。

歩く時には、まず足が地面につき、足首が衝撃を受け止め、膝が軽く曲がって体重を吸収し、股関節が体を前へ運びます。この時、足首・膝・股関節が順番に連動することで、体重の負担は分散されます。

足首が硬くなると脛骨の動きが制限され、膝の曲がり方に無理が出ます。股関節が硬くなると、大腿骨の動きが制限され、膝関節にねじれが入りやすくなります。骨盤が後ろに倒れると、太ももの前側に力が入りやすくなり、膝のお皿と大腿骨の間に圧がかかりやすくなります。

つまり、膝の痛みは膝の中だけで起きているように感じても、実際には股関節の動き、足首の柔軟性、骨盤の角度、重心の位置が深く関係していることがあります。

当院では、膝の内側が痛い、膝の前が痛い、階段で痛いという症状だけを見るのではなく、骨がどの方向へ動き、関節がどのように連動しているのかまで確認しながら、膝に負担が集中しにくい体の状態を目指します。

4. 階段や立ち上がりで痛い人は、関節の連動にサインが出ています

階段や立ち上がりで膝が痛い人に多い、股関節・膝・足首の連動不足と膝への負担集中を比較した図解

膝だけで頑張る動きになると、立ち上がりや階段で膝への負担が集中しやすくなります。

変形性膝関節症の方からよく聞く悩みが、「階段の上り下りがつらい」「椅子から立ち上がる時に痛い」「歩き始めがこわい」というものです。これらの動作に共通しているのは、膝に体重が乗る瞬間に痛みが出やすいという点です。

椅子から立ち上がる時、本来であれば股関節がしっかり曲がり、骨盤が前へ傾き、お尻や太ももの裏側の筋肉も使いながら体を持ち上げます。この時、股関節がうまく使えると、膝だけに負担が集中せず、足裏全体で体重を支えることができます。しかし、骨盤が後ろに倒れたまま立ち上がろうとすると、膝を前に押し出すような動きになり、太ももの前側ばかりが緊張し、膝関節への圧が高まりやすくなります。

階段では、さらに関節の連動が重要になります。段差を上がる時には、足首が曲がり、膝が曲がり、股関節が曲がり、その後に股関節と膝が伸びることで体を上へ持ち上げます。この一連の動きの中で、股関節が使えないと膝だけで体を持ち上げる動きになり、膝の内側や前側に負担が集中します。反対に、足首が硬いと膝が自然に前へ動けず、膝関節の中で無理な圧迫やねじれが起こりやすくなります。

この状態を放置すると、「痛いから動かない」「動かないから関節の動きがさらに悪くなる」「筋肉が硬くなり、膝にもっと負担がかかる」という悪循環に入りやすくなります。だからこそ、痛みが強くなってからではなく、まだ動ける今の段階で、立ち上がりや階段動作の中でどの関節が使えていないのかを見直すことが大切です。

5. 保存療法で大切なのは、ただ筋トレをすることではありません

変形性膝関節症の保存療法では筋力だけでなく、膝関節の転がり・滑り・膝蓋骨の動きが大切であることを示した図解

筋肉を強くする前に、骨と関節が正しく動ける状態を整えることが大切です。

変形性膝関節症では、大腿四頭筋を中心とした筋力強化や関節可動域の改善が一般的に行われます。日本整形外科学会でも、大腿四頭筋強化訓練や関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションが治療の一つとして挙げられています。

ただし、当院では「膝が痛いから太ももを鍛えればいい」と単純には考えていません。もちろん筋力は大切です。しかし、膝に負担がかかる関節の動きのまま筋トレをしてしまうと、太ももの前側ばかり力み、膝のお皿まわりの圧迫感が増えることがあります。

大切なのは、筋肉を強くする前に、骨と関節が正しく動ける状態を作ることです。膝を曲げる時には、大腿骨と脛骨の間で転がりと滑りが起こり、膝蓋骨も大腿骨の溝に沿って動きます。ところが、股関節が硬く大腿骨の動きが悪い状態や、足首が硬く脛骨がうまく動かない状態では、膝関節の中の動きにも乱れが出やすくなります。

その状態で無理にスクワットや階段運動を行うと、本来使いたい筋肉ではなく、すでに緊張している筋肉ばかりが働いてしまう場合があります。当院では、膝まわりの筋力だけでなく、股関節の可動性、足首の動き、骨盤の安定、足裏の接地、歩行時の重心移動まで確認し、膝に過剰な負担がかからない使い方へ整えることを重視しています。

6. 当院が考える変形性膝関節症のメカニズム

骨盤・股関節・足首の動きの乱れが、変形性膝関節症の膝のねじれや圧迫につながるメカニズムを示した図解

股関節・足首・骨盤の動きが乱れると、膝にねじれや圧迫が集中しやすくなります。

当院では、変形性膝関節症による痛みを「膝の変形だけ」で説明するのではなく、膝に負担が集中するメカニズムとして考えます。膝関節は、体重を受け止めるだけでなく、股関節と足首の間で動きを調整する中間の関節です。そのため、上からの影響と下からの影響を受けやすい特徴があります。

たとえば、股関節の動きが悪くなると、大腿骨がスムーズに動かず、膝から下で無理に方向転換をしようとします。その結果、膝関節にはねじれのストレスがかかりやすくなります。足首が硬くなると、歩く時に脛骨が自然に前へ倒れにくくなり、膝の曲げ伸ばしがぎこちなくなります。骨盤が後ろに倒れると、重心が後方に残りやすくなり、立ち上がりや歩き始めで膝だけを使って体を前へ運ぼうとします。

さらに、膝の痛みがあることで歩幅が小さくなり、膝をしっかり伸ばせなくなると、膝まわりの筋肉は常に緊張した状態になります。膝が伸びきらない状態が続くと、太ももの前側やふくらはぎに余計な力が入り、膝関節の中の滑りや回旋の動きもさらに小さくなります。その結果、関節の動きが硬くなり、血流も悪くなり、こわばりや重だるさを感じやすくなります。

つまり、膝の痛みは「軟骨がすり減ったから終わり」ではありません。体の使い方、骨の動き、関節の連動によって、膝にかかる負担は変わります。だからこそ当院では、膝だけを揉む、膝だけを温めるという考え方ではなく、腰・骨盤・股関節・膝・足首のつながりを整え、膝に負担が集中しにくい状態を目指します。

7. 今よりも悪くなる前に、体のバランスを見直しましょう

変形性膝関節症を今より悪くする前に、腰・骨盤・股関節・膝・足首のバランスを整える大切さを伝えるまとめ図解

膝だけでなく体全体のバランスを整えることで、立つ・歩く・階段の不安を減らすことにつながります。

変形性膝関節症と言われても、すぐに手術が必要になるとは限りません。しかし、「まだ手術ではないから大丈夫」と放置してしまうと、痛みをかばう動きが癖になり、膝だけでなく股関節や腰にも負担が広がることがあります。

特に、立ち上がりがつらい、階段で膝が痛い、歩き始めに不安がある、膝が伸びにくい、長く歩くと痛みが増えるという方は、膝だけではなく、股関節・足首・骨盤を含めた関節の連動を見直すサインかもしれません。

大分駅前整体院では、立つ・歩く・階段がつらい方の腰・股関節・膝の痛みを専門にみています。変形性膝関節症と言われた方でも、まだ手術が必要ではない段階だからこそ、膝の状態だけで判断するのではなく、骨がどう動き、関節がどう連動し、体重がどこにかかっているのかを確認することが大切です。

「このまま悪くなったらどうしよう」と不安を感じている方は、今よりも悪くなる前に、一度ご相談ください。

変形性膝関節症, 膝痛, 関節水腫

注射を打ってもよくならない膝の痛みについて

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
注射を打ってもよくならない膝の痛みについて

皆さん、ブログをご覧いただきありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。

今回は膝の痛みについてです。特に変形性膝関節症や膝に水が溜まっている状態の方は当てはまる内容になっています。

僕自身、高校生の頃に柔道で両膝の半月板損傷や内側側副靭帯損傷など膝を負傷し、社会人になっても痛みで屈伸や正座が長く出来ない状態で、運動中少しぶつけると膝に水が溜まってしまう状況でした。なので最も思い入れがある問題でもあります。

膝が痛いと少し動くのも嫌になり外出が減ったり、家事をしようにも痛みでイライラしてストレスが溜まりますよね?

そんな膝の痛みや水が溜まる原因について説明していきます。それでは行きましょう!

膝関節の構造について

膝関節は大腿骨・脛骨・腓骨・膝蓋骨の4つの骨から構成される荷重関節です。

そして関節は関節包と呼ばれる関節を覆う袋に包まれています。

関節包は内側の滑膜(かつまく)、外側の線維膜でできていて、内側の滑膜からは滑液(かつえき)が分泌され、関節空内を満たし、関節軟骨を栄養しています。

膝関節の特徴としては半月板の存在や、内外側の側副靭帯以外にも関節空内に存在する前・後十字靭帯です。

これら半月板や各靭帯などの構造物により、歩行時や運動時のあらゆる衝撃に耐えるように守られています。

「水が溜まる」とはどういう状態か?

膝に溜まった水の正体は滑液です。これは関節の動きを滑らかにする潤滑液としての役割と、軟骨や軟部組織に栄養を届ける働きがあります。

膝に負担が加わり関節内で炎症が起きて、滑液が過剰に分泌されて吸収が追い付かなくなることで関節内に水が溜まります。この状態を関節水腫といいます。

炎症が起きる原因としてはスポーツや転倒でのケガがありますが、膝に水が溜まって困っている方の多くは次に説明する理由の方が当てはまる方は多いと思います。

①変形性膝関節症

膝が悪くて病院で検査をしたらよく聞くものだと思います。

加齢による摩耗などが原因で関節軟骨がすり減ることで破片が生じ、その破片が滑膜を刺激することで炎症が起きます。この状態が悪化すると膝に水が溜まります。

この場合、炎症で関節そのものがパンパンに腫れて膝のお皿を押さえるとプカプカと浮いたように感じることもあります。

②滑液包炎

膝は蝶番(ちょうばん)関節と呼ばれる曲げ伸ばしが得意な関節です。

膝の曲げ伸ばしの際に膝のお皿が動きがスムーズに行うための滑車の役割を果たしています。その膝のお皿の周辺には滑液包が存在します。

滑液包は膝のお皿の周囲に複数存在している滑液を含む小さな袋です。役割としては筋肉・腱・骨などの摩擦を減らすクッションの役割をしています。

この滑液包部分に負担が集中することで炎症が起き水が溜まります。この場合、関節内ではなく膝のお皿の上・下・内側など滑液包の場所で水が溜まる特徴があります。

なぜ注射で水を抜いても元に戻るのか?

「膝に溜まった水を注射で抜いてもまたすぐに元に戻ってしまう…」このような話を聞いたことはありますか?

よく膝の水を抜いたら癖になると言われることもありますが、実際には正しくありません。なぜなら水が溜まったという結果を取り除いただけで、炎症を起こしているという問題が解決していないからです。

ではただ炎症だけを抑えれば問題は解決かといえばそれも違います。なぜなら、それでは炎症が起きた原因が残ってしまい、また時間とともに戻ってしまいます。

そこで炎症を引き起こしている原因ですが、問題は体の歪みにあります。

体の歪みが関係する理由

膝には歩行時に体重の約3倍、階段の上り下りではその倍の約6倍の負担がかかると言われています。これは通常時の話で体の歪んだ悪い姿勢ではさらに負担が増加します。

そこでポイントになってくるのは骨盤です。なぜなら、膝に関わる重要な太ももの筋肉は実は骨盤から始まっているからです。そのため体の土台である骨盤が歪むことで、太ももの筋肉に影響を与えそのまま膝に跳ね返ってきます。

体の歪みが長期間に及ぶと太ももの筋肉も影響を受けます。その結果、膝周りの筋肉をバランスよく使いにくくなります。この状態では歩行時など動作の中で特定の部分に負担が集中し、負担が加わり続けることで炎症が生じる原因となります。

その為、しっかりと体の歪みを解消していくことが膝の問題を解消するために必要となります。

改善例の紹介!

どのような悩みで来院されましたか?

病院で何回も膝の水を抜いて痛み止めを打ったけど、全然膝痛が良くならなくて、水を抜いてもすぐに元に戻っていました。歩くと膝がすごく痛くて、階段を降りるのが大変で我慢できなかったので来院しました。

実際に施術を受けてどうでしたか?

治療を受けるとだんだん歩きやすくなり、回数を重ねるうちにヒザの腫れも少しずつ良くなって、注射で抜いてもいないのに今では水が溜まらなくなりました。歩いているときの痛みと、階段を降りる時の痛みも感じなくなって、子供(孫)を自然に抱っこが出来る様になりました。

他の整骨院・整体院と比べてどうでしたか?

病院では注射で毎回水を抜いて、シップを貰うだけだったけど、注射をしなくても自然と水が引いたし、また水が溜まることがなくなった。整体でヒザの腫れている様な状態が良くなるとは思わなかった。

どのような人に当院を紹介したいですか?

ヒザが痛くて病院に長く行っているけど良くならない人に紹介したい。

※効果には個人差が有ります。個人の感想のため効果を保証するものではありません

最後に

長期間膝が悪い方ほど太ももの筋肉のバランスが崩れ弱っていることが多いです。なので、いくら歪みだけ取り除いても弱った部分をトレーニングしないとなかなか安定しません。

自分で出来る膝周りの筋肉の簡単なトレーニング方法は、OABさんが運営するマイベストプロのサイトにて書いた記事があります。
→https://mbp-japan.com/oita/kono/column/5216052/

まずは今どういう状態でなぜ負担が加わっているのか。それを知るだけでも日常生活で気を付ける事や、今しないといけないことがはっきりしてきます。この記事が困っている方の何かヒントになれば幸いです。